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3話 俺でいいんですか?

完全に思考停止したライの脳みそに追い討ちをかけるように非現実的な事柄が彼女の口から伝えられる。脳みそは完全にキャパオーバーになっていた。






「いいですか。召喚者として呼ばれたのですが、してもらいたいことが二つあります。」





彼女は人差し指と中指の2本立てて顔の横に持ってきて強調する。





(なんてウザイポーズなんだろう。)






こんなことしか考えられないほど脳にダメージを受けている。正しくは人の形をしたチンパンジーとでも言った方が伝わるのか分からないが確実に不測の事態に順応できていなかった。






「まず1つ目は勇者と魔王の討伐です。」






「なるほどな。勇者と魔王が手を組み始めたってことか。まぁ可能性としては考えられなくもない。意気投合したかお互いが納得するような取引をしたんだろう。」





説明を聞かずとも分かった。見ればわかるのだ。決して超能力とかではない。





彼女は驚いた表情でヒナタを見る。





「何驚いた顔してんだよ。人の顔から情報を読み取っただけだ!猿にでもできる。」




「ライ様の経歴を見てもそんな能力取得できるタイミングなんてなかったはずです。それにしては状況把握能力や観察力に長けています。」





「人間観察に経歴なんて関係あるのか?人の心は難しい。目には見えないのに存在する。信じたくはないが信じ難い事実。今この現状のようにね。」





「素晴らしいです! そう言えば名前をお教えしておりませんでしたね。私の名前は神様です。」



ガックリした。1度収まった衝動がまた蘇る。せっかく非現実的なものを突きつけられた動揺を忘れていたのに。





(まだ隠してやがった。存在しないのに存在するもの。くっそ〜。胃がいてぇ)





「で、結局勇者と魔王を倒したら終わりか?それだけなら別に俺じゃなくてもいるだろう」






「そんな簡単に倒せればいいんですが。その勇者も召喚者なんですよ。やばい!!そろそろ時間です!神様もお仕事が忙しいんですよ。」





神様は大きな羽を広げて飛ぶ準備をしている。鳥の毛のように一本一本繊細に出来ている羽をバサバサと動かす。



「伝えるのを忘れてました。召喚先はマーガーベークという場所です。詳細は後で送ります。あと、してもらいたいこと2つ目は自分を見つめ直すことですね。ライ様にとっては1つ目より2つ目の方が難易度は高いかもしれません。なんせ内面が終わってますから。」




「サラっとひどいことを言われたような...。」





確かに内面は終わっている。召喚者はもっと真っ直ぐな性格で道徳心が強いのを想像していた。完全にヒール側の内面を持っているライに託していい仕事ではない。






「俺が神様の言うことを聞く確証はあるのか?自分で言うのもあれだが、俺は狂ってる。」






「確証はありません言うことを聞かないなら新しく召喚をするだけです。」





「ではでは」時計を見てそう言うと神様は指を鳴らす。その瞬間凄まじい閃光ともにライは倒れた。



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