6、村人、害獣対策をする。前編。
スカイが狩りから戻ると、村人たちが顔を合わせ、眉をひそめる姿が見えた。
「どうしたんですか?」とスカイが声をかけると、ゴンベーさんが「ホレ、これだべ。これ」と言って畑を指さした。
そこには荒らされた栗畑があった。そこかしこに栗の殻が落ち、中身がすべて食い尽くされていた。
「ひどいもんですね」
「だべぇ? 詳しいことはわかんねぇけんど。たぶんイノシシかモンスターの仕業じゃねぇかと思ってるだ」
「へぇ~」
「おめぇさんとこの畑はだいじょうけ?」
「大丈夫ですよ。え~朝見た時は大丈夫でしたけど……」
「……」
「すいません。見てきます」
狩りで捕らえたウサギの耳をもち、スカイは大急ぎで走る。
そして道なき道を歩き、ようやく自分の畑に辿り着く。
「おお、良かった。何ともない」
畑は無事だった。
でも、いつ害獣たちに襲われるか分かったもんじゃない。
こりゃあ何か対策をしないといけないかもな、とスカイは思った。
それから、狩ったウサギを宙づりにし、血抜きを行い、もう一度さっきの場所に戻った。すると、そこには女の子がいた。このアババリ村で唯一の冒険者ミーナだ。
「大丈夫。ミーナに任せて!」とピンク色の髪のミーナは自信満々に言った。「夜にこっそりやってきて栗の実をかじるモンスターなんてミーナならいちころよ! だから、ミーナに任せれば大丈夫!」
村人たちの顔は……ああ、そういう話じゃないんだけどなぁ、といった顔つきだった。
まぁ無理もないか、とスカイは思った。あくまでも冒険者は直接モンスターと戦闘することに長けた人々であり、夜中にこっそりやってきて栗の実をかじる敵を想定していない。だから、きっとこんな馬鹿げたこと言っているのだろう。
スカイはミーナを放っておき、ゴンベーさんに話をする。
「今まで何か対策してはこなかったのですか?」
「ん~。木の柵は何度か作ったことがあったんだ。でもなぁ、何せ、あれ街で買うと高けぇし、おまけに木の柵だと隙間からすり抜ける奴もおるだ」
「あ~あ、なるほど」
「だから、最近はな~んもしてこなかっただなぁ」
「なるほど……」
「……」
スカイはこの村全体を見渡す。全人口合わせて40人ほどの集落。このぐらいの広さならやれないこともないか。
スカイは何度か自分で納得するようにうなずくと、ゴンベーさんに話しかけた。
「あ、あのじゃあ。ちょっとぼくがやってみていいですか?」
「え? 何を?」
「ミーナの代わりに、ですよ」
「え? だから、何を」
「何って……害獣対策ですよ」