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僕のクラスメイトが異世界に行ける装置を発明したようです。  作者: 大内 菖蒲
第1章 チュートリアル
9/21

第9話 絶体絶命...?

今回少し短いかもです。

(マジか...)


異世界の鬼とはいえ、たかが12歳。 それを知って、僕らは心の中でどこか油断をしていたのかもしれない。 あるいは、鷲尾君のハッタリがあまりにも見事すぎて、過度な安心を抱いていたのか...。


とにかく、僕らが彼女に追い詰められていることは明らかだった。


「どうした? 何を黙っている。 質問にはちゃんとした答えで返したまえ」


質問には沈黙で答えろと学校で教えているのか?、と彼女は呟いた。


「あー、悪い、それは言えない。 こっちにもいろいろ都合があってな」


何とかそう返す鷲尾君だったが、後から付けた感じが否めない。 ピリついた空気が辺りを支配する。


そんな中、鬼ケ原 勇はしばらく値踏みするかのように僕たちを見ていた。


「...そうだな」


彼女は、何かを諦めたかのように呟く。


「なんだ、見逃してくれるのか?」


「いや、やはり貴様らはここで殺す」


「「絶対絶命だ!!!」」


嫌だ!! ロリに殺されたことが死因になるなんて嫌だ!! 死んでも死に切れないぞ!! 今まで大人しく黙って聞いてたらこんなことになるなんて、あんまりだ!!


「鷲尾君!! なんとかなんないの!?」


「はははまかせろおれはかみだ」


「駄目だこいつ! 味の無くなったガム以上に役に立たない!!」


くっ...、命乞いをしようにも許してくれそうもないし、もうあのロリ僕たちを殺す気満々の目ェしてるし...!!


「おいさっきから黙ってるロリコン! ロリはテメェの管轄だろうが!」


「俺はロリに手をあげない主義だから」


「吹き飛ばすぞ!!」


「さて、私もそろそろムカついてきたしもういいな?

その命、貰い受ける!」


やばいやばい本格的にやばい!! 内輪揉めしてる間に命が危ない!! このままじゃ死ぬ_______。


と、こんな感じで僕らの命は儚く散るはずだったのだが。 その直前に、聞き覚えのある声が僕らの間に割り込んできた。


「その必要はないわよ、勇ちゃん。 彼らは少なくとも私たちの敵ではないわ」


声の主は、頭に兎の耳が生えていて。 見覚えのある2人を後ろに引き連れていた。


「あー、いたいた!」


「全く...どこに行っていたのですか?」


「名波君! 先生!! 無事だったんだね!?」


だけど、何でうさ耳のあの人と一緒にいるんだろう?


...彼らに言っておきたいことや、聞きたいことはたくさんあったけれど、ひとまず、僕らの命の危機は去ったらしい。


ほっとしていると、うさ耳の彼女、もとい白玉 因幡は僕らに向かって言った。


「さて、突然だけど、貴方たちにはこの国を守ってもらうわ。 ようこそ、オカルトと異形の国へ。 私たちは貴方たちを歓迎します☆」


















「立ち話もなんだし、中で話しましょう」


白玉はテクテクと歩きながらそんなことを言った。


「いや、だが、やはりだな...」


「勇ちゃんは疑いすぎなのよ」


鬼ケ原 勇はこちらに訝しげな視線を送っているが、僕らとしてもそれは同じ気持ちだ。


先ほどまで殺されそうになってたんだけどな、僕ら。


そんな気持ちを察したのか察していないのか、白玉は飄々と口を開く。


「あ、私のことは因幡と呼んでくれて構わないわ。 同じように彼女も勇ちゃんと呼んであげてね?」


「おい因幡貴様」


「「勇ちゃーん!!」」


「殺すぞ」


中村と名波君が鬼ケ原 勇、もとい勇ちゃんに殺されそうになっているのを尻目に、僕は因幡に話しかける。


「えっと...状況が全く分からないけど...とりあえず今はどこに向かってるの?」


「私の家」


「.....にゃるほどね」


「どうした鷲尾君」


「あら、いいじゃない健全な男子って感じで。 もしかして女の子の家に行くのは初めてかしら?」


「そんなことはにゃいさ」


「だから噛んでる鷲尾君」


そんな馬鹿な会話(とは言っても僕らの会話の大半は馬鹿な会話である)をしていると、さっきから黙って歩いていた先生が口を開いた。


「1つ、気になったことがあります」


「何かしら?」


先生は、一呼吸置いて、


「貴方、因幡さんは自分のことをこの国の守護者だとおっしゃっていましたが...」


「「な!?」」


それを聞いて、僕と鷲尾君は思わず驚きの声を上げた。


守護者ってもしかして...勇ちゃんと同じ...?


「おいそこ、勇ちゃんって呼ぶな」


勇ちゃん(中村と名波君を襲っている)が僕の心を読んで何か言っていたが、今はそれどころじゃない。


(だけど、そうか。 妙に親しそうな2人だな、と思ったらそういうことか)


因幡はうさ耳を傾けながら口を開く。


「えぇ、私はこの国の守護者だけど...それがどうしたの?」


「まず、素朴な疑問なんですが...」


先生はさらに一息置き、


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


と、のたまった。


...確かにそうだ。 ここの者は異形の存在なのに、僕たち一般市民より遥かに強いはずなのに、何故、守る必要があるのだろうか?


それとも、このような得体の知れないオカルトたちをも脅かすような何かが存在するのだろうか?


「え、そんなの決まっているじゃない」


因幡は、さも当然かのような顔をして、これを知らない人は絶対にいない、と言っているかのような顔をして、こう続けたのだ。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」








やはり本当に怖いのは人間だということですね。


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