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僕のクラスメイトが異世界に行ける装置を発明したようです。  作者: 大内 菖蒲
第1章 チュートリアル
5/21

第5話 いざ、異世界へ。

高校へ入学し、知ってる人がクラスに誰もいなくなった今日この頃。

昼飯を食べ、再び学校へと向かうと、もう多くのクラスメイトたちが校門の前に集合していた。 その中には中村や葉加瀬、鷲尾君の姿も見える。


中村は、僕を見つけると手を振りながら話しかけてきた。


「遅いぞ神木。 もうお前以外全員集まっちまったよ」


「ちょっと回転寿司が混んでて...」


「遅れた理由が予想の斜め135度上を通過していったんだが...」


お前それ反り返ってるぞ。


「それより、結局何人集まったの?」


「お前を含めて38人だ」


僕のクラスの人数→38人(先生含む)


「くぁwせdrftgyふじこlp」


「日本語喋ろうな、神木」


いや、明らかにおかしいでしょ!? 百歩譲ってクラスメイト全員来るのはまだ分かるけど、先生が来るのは頭おかしいって!!


「おい中村! 何で先生が来てるんだよ!?」


「いえ、神木君。 大したことではありませんよ。 私は異世界というものが何なのか気になるだけなのです」


「異世界なんてねぇよ! あってたまるかそんなもん!! だからお願いですから帰りやがれください!!」


なんか日本語がおかしい気がするけど仕方ない。 今は先生をさっさと帰らせるのが優先事項だろう。


僕が何と言えば帰ってもらえるか考えていると、いつのまにか近くに来ていた葉加瀬が口を開いた。


「・・・異世界は理論上存在する」


「どんな理論だよそれ...」


そう聞くと、葉加瀬は僕に向かって説明をし始めた。


「・・・この世界と異世界は何か境界のようなもので分けられている。 俺たちが今いるこの世界を表とすると、異世界は裏。 おそらく境界を抜けることができれば表から裏へと...」


「あー、もういいよ。 異世界はあるんだな? 分かったよ...」


「・・・分かってくれて嬉しい」


正直言って全く理解できなかったけど、ここで分からないと言えばさらに説明は長くなるに違いない。 僕は難しい話は嫌いなんだよ...。


「葉加瀬君。 今の話をもう少し詳しく...」


「・・・先生?」


「いえ、その異世界とやらにどうやって行くのかが気になってですね...」


「・・・この世界と異世界は表裏一体で、おそらくどこにでも境界が存在する。 その境界の一部分を一定以上のエネルギーで焼き切ってやれば...」


「なるほど...。 ちなみにどれほどのエネルギーが...」


・・・先生と葉加瀬、何を話してるんだろう...。 ところどころ難しい単語が出てきてるから僕の理解の追いつく話じゃないっぽいけど...。


「おーい、まだかー?」


クラスメイトの一人が声を上げた。


「・・・準備はできている」


葉加瀬はそう言って僕らを見渡し、さらに口を開く。


「・・・その前に一つ。 異世界は、5人までしか行くことができない。 他のメンバーはテレビ中継を通してその5人の様子を見守る」


5人まで、ねぇ...。 まず異世界の存在が疑わしい時点で行くことを躊躇するんだけど...。


「はいはい! 俺が行く!」


クラスメイトたちはそんなこと御構いなしのようだった。 こいつら多分後先なんも考えてねぇぞ。


「・・・ジャンケンで決めて」


ジャンケンで勝った5人が異世界行きか...。 38人もいるし、僕ジャンケン弱いから、大丈夫だと思うけど...。






〜5分後〜






「・・・メンバーは、神木と中村と鷲尾と名波と先生に決定」


「「異議あり!!」」


「・・・神木と中村、 何か文句でも?」


「文句も何も、僕は一番最初に負けたんだけど!? 」


「上に同じだこの野郎!! ジャンケンに負けたのになんで俺が行くことになってるんだよ!!!」


「・・・俺がジャンケンに勝った場合について説明してなかった?」


「「一回も聞いてないわそんなの!!」」


「・・・俺はもしものことがあった時にここにいる必要があるから異世界には行けない。 だから俺の代わりに独断と偏見で中村を選ばせてもらった」


「畜生...!! 運が悪かったか...」


「異議あり!! 僕はどうして!?」


「・・・ジャンケンに勝った赤坂が急用でいなくなったからその代わり」


「了解、赤坂君を一生恨めばいいんだね?」


「・・・憐れな赤坂」


なに急用なんかで帰ってるんだよ!

異世界に比べたらどんな急用もちっぽけなもんじゃないの!?


「・・・ちなみにデートだとかなんとか言ってた」


「「「「オーケー、後で八つ裂きだ」」」」


「・・・憐れな赤坂」


いつのまにか僕の他にも多くのクラスメイトが憤りの声を上げていた。 多分赤坂君は明日辺りに行方不明になっているだろう。


クラスメイト(僕を含む)の妬みが渦巻く中、葉加瀬は咳払いをして話を再開した。


「・・・じゃあ、早速行ってもらう」


うわぁ、いよいよか...。 異世界があるとは思えないけど、それでもドキドキするなぁ...。


「・・・これを使って行く」


そう言いながら、葉加瀬はポケットから拳銃のようなものを取り出した。 持ち歩いているのが見つかったら逮捕されるような、本物にしか見えない代物だ。


「・・・あと、これ」


「ん、なにこれ?」


次に葉加瀬が取り出したのは、何かのパーツのようなものだった。 とても小さく、注意して見ていないと無くしてしまいそうですらある。


「・・・これを携帯につけて。 そうすればこの世界と異世界の間で連絡を取ることが可能になる」


「ふーん...。 なんで僕だけ?」


「・・・俺は一回作ったものは二度と作れない」


「?」


よく分からないけど、葉加瀬にも葉加瀬なりの事情があるのだろう。 そう思い、僕は深追いしないことにした。


「・・・これも一応持っておいて」


葉加瀬はさらに何かを取り出す。 これは...袋? 一体何が入っているんだろう?


「・・・俺の発明品の詰め合わせ。 危なくなったら使って」


「四次元ポケットみたいなものか...」


「・・・その例えはどうかと思う」


まぁ、危なくなることなんて無いとは思うけど一応貰っておこう。


「・・・準備は出来た?」


「これが何の準備になるかは知らないけど...うん、出来たよ。 みんなも大丈夫だよね?」


そう言って他のメンバーを見渡すと、彼らも同意するように首を縦に振った。 先生も振った。 やはり僕たちのクラスの担任は少し頭のネジが外れているかもしれない。


(中村、どうするのこの状況?)


(知るか俺に聞くな)


そんなことを言い合っているうちに、葉加瀬は何かを始めようとしていた。 その手は先程僕たちに見せた銃を構えている。


「・・・じゃあ始める。 くれぐれも俺のそばに近づかないように」


「なんで?」


「・・・この銃から発射されるエネルギーは核爆弾以上。 分かったら早く離れて」


「なんだその無茶苦茶なエネルギーは」


僕らが葉加瀬から離れるとすぐに、彼は何もない空間に向かって拳銃の引き金を引く。


すると次の瞬間、空間に謎の割れ目が発生した。


「・・・この割れ目に飛び込んで」


「「嫌だ!!」」


誰がこんなよく分からない穴に飛び込むか!! 飛び込んだ瞬間体がバラバラに粉砕される未来まで見えるわ!!


「では、行ってきます」


「先生、危ないからやめた方が...っていない!? もう飛び込んだの!?」


「じゃあ僕も行くね」


「俺も行こう」


「名波に鷲尾!? お前らどれだけ勇気あるんだ!?」


もたもたしている内に、他の3人は穴へと飛び込んでしまった。 残るは僕と中村だけだが...。 一体どうすれば!?


「・・・早く行け」


「馬鹿野郎! こんな得体の知れない穴に飛び込めるか!!」


「葉加瀬! 中村一人で充分でしょ!? 僕は行かなくていいはずだよ!!」


「テメェ神木! 俺を売ろうとしてやがるな!!」


「うるさい! お前は一人でくたばっとけ!!」


「・・・じゃあ実力行使」


「「は?」」


何を馬鹿な...。 葉加瀬一人に僕らを無理矢理どうこうさせるなんて出来るはずがない。 葉加瀬は見た感じ華奢だし、髪もサラサラだs


「・・・今すぐその穴に飛び込まなければこの拳銃でお前らを消し去る」


「「行ってきまーす!!!」」


さぁ、楽しみだな異世界どんなところなんだろうな全くアッハッハ!!


というか本当に大丈夫なんだろうなこの穴。


「えぇい、南無三!」


思い切って僕は真っ暗な穴の中へと飛び込む。


「うわぁぁぁぁ!!!」


襲いかかる浮遊感。 まるでジェットコースターに安全バー無しで乗っているような恐怖だ。


ちらっと隣を見ると、中村が勢いよく落ちながら何かをブツブツ唱えているのが見える。


「大比丘衆万二千人倶。皆是阿羅漢。諸漏已尽.......」


あれはお経、かな? 中村は恐怖のあまり気が違ってしまったようだ。 何でお経なんて覚えてるのかは少し気になるけど、アイツのことなんて知ったこっちゃない。


「くっ...何で僕がこんな目に...。 だから男子校なんて嫌だったんだよぉぉぉ!!」


そんなことを叫びながら落ちていると、視界にようやく光が入って来た。 どうやら出口のようだ。


ところでこれ、どこに落ちるんだろう? 地面の上とかだったら四肢が爆発霧散するけど。


...いや、このスピード、どこに落ちても大惨事じゃないか?


「ふざけんなぁぁぁぁぁぁ!!! パラシュートぐらい用意しやがれぇぇぇぇぇee」


全て叫び終える前に、、凄まじい衝撃とともに僕の意識はフェードアウトした。 薄れゆく意識の中、少しだけお経が聞こえたような気もしたが、それもすぐに消えていく。


これが僕の、異世界の始まりだった。















































ついに異世界へ...。


異世界に着いた瞬間意識を失う主人公たち( )

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