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僕のクラスメイトが異世界に行ける装置を発明したようです。  作者: 大内 菖蒲
第1章 チュートリアル
4/21

第4話 ずっと自己紹介のターン(大嘘)

異世界に行くと思った? 残念、自己紹介でした!!


というかなかなか異世界に行けない異世界モノって一体...?

葉加瀬の衝撃発言から数分後、自己紹介は最後の列のメンバーへと差し掛かっていた。


長谷川 大河(はせがわ たいが)です。 よろしくお願いします」


当然と言えば当然だけど、葉加瀬以上の問題発言をしてくる奴はいなかった。 まぁ、あれだけ癖の強い人がクラスに何人もいたら困っちゃう訳だけどさ。


鷲尾 直人(わしお なおと)。 好きなものは二次元だ。 三次元に好みの女性がいないことを確信したために男子校に来た」


名波 圭(ななみ けい)です。 好きなものは音ゲーです。 S○GAのゲームは世界一ィィィィィ!!!」


*癖の強い方が二名ログインしました。


って馬鹿!! 何でさらに燃料投入しちゃうの!? 癖の強い人は一人で十分だって言ってんじゃん!!


「僕の存在が薄れる!! これが木を隠すなら森の中ってやつか!!」


「勘違いしてるようだから教えてやるが、お前はトップレベルで癖が強いぞ」


「黙れロリコンが」


「ブーメラン刺さってるぜ」


「あ? やんのか?」


「上等だ、表に出やがれゴラ」


メンチを切り合う僕らを余所目に、自己紹介は進んでいく。


「.....です。 よろしくお願いします」


あ、今の人で最後かな? 全く、無駄にSAN値が削れる自己紹介だった。


最後の人が席に着くと、先生が教壇に立って話し始めた。


「はい、自己紹介も終わったようなのでそろそろ今後のスケジュールについて話していきます」


やっと真面目な話か...。 それもそれで嫌だけどね、眠気を誘われるから。 ふぁぁ...眠い。












「疲れたぁ...」


「どうした神木、ずいぶんお疲れだな」


「だっておかしくない? 僕がどれだけバレないように寝ようとしてもあの先生絶対気づくんだよ?」


「・・・寝るのが悪い」


先生の説明が全て終わったのは正午近くになってからだった。 流石に眠くなるよ、そりゃ。


「で、もうお昼だけどどうするの?

一回帰る?」


「あぁ? 何の話だ?」


「忘れたのかい中村? 葉加瀬のあの衝撃的な発言を」


「お前まさか信じてるのか?」


「ハッ、まさか。 葉加瀬の嘘を確かめるために行こうとしてるんだよ」


「・・・嘘じゃないのに」


顔を膨らませて呟く葉加瀬(かわいい)だったが、こればっかりは信じる気になれない。 異世界なんてどこの二次元だよって話だ。


中村もそう感じているのか、苦い笑みを浮かべながら口を開く。


「そういう事なら俺も行くが...。 流石に昼飯食わないとな。 ということで、一時間後に校門前集合でいいか?」


「「「「「了解」」」」」


どうやら暇人ばかりみたいだ。 というかこれクラス全員来るんじゃないの...?


「僕はもちろんオーケーだよ。 葉加瀬も大丈夫だよね?」


「・・・問題ない」


「んじゃ、 ひとまず解散だな」


「ん、また後でね」


そう言い残して僕は教室を去った。


結局最後まで中村と関わっちゃったな。 葉加瀬はともかく、アイツはただのロリコンだからなぁ。 来年は同じクラスになりませんようにっと。


僕は今日の事を振り返りながら校門を出た。 ちなみに僕の家は結構近くて、ここから徒歩でも五分程度しかかからない。 これはこの高校に入学して良かった唯一の点だね。


「ホント男子校やめたい...」


「そうか? 共学でも多分同じことだと俺は思うけど...」


「どっから湧いたの君。 少なくとも僕が校門を出る時にはいなかったよね?」


ビックリしたぁ。 急に話しかけられるとキョドっちゃうからやめてほしいな...。


「いや、別に神木をつけてきた訳じゃないんだ。 入学早々一人で帰るのは嫌だったから追いかけてきただけなんだよ」


「言い訳しているようで言い訳になってないなぁ...。 ところで、君は確か鷲尾君だったよね? 」


誰かと思ったらクラスメイトだった。 しかも癖が強い方。


彼は顔を輝かせながら僕に向かって話しかけてきた。


「覚えててくれたのか!」


「まぁ、あれだけ変な自己紹介されればね...」


男子校に入ってくる理由が本当に正気の沙汰じゃなかったからなぁ...。


とは流石に口に出さないけど。


「別に普通の自己紹介だったろ?」


「えっと...。 あれを普通だと言うようになったらもう手遅れだと思うんだ...」


「そんなことはないだろ。 二次元の世界を知ってしまえば三次元の世界が色あせて見えるのは当たり前のことさ」


「当たり前って何だっけ...」


鷲尾君は真面目な顔をしながらさらに続ける。


「だから神木は男子校に入って正解だったと思うぞ。 どうせ共学に行っても二次元以上の女子はいないんだからな...」


「真面目な顔をしながらふざけた事を言わないでよ...」


「ところでだ、神木」


鷲尾くんが再び僕に呼びかけた。


「異世界なんて、本当に行けると思うか?」


何かと思えば、どうやら葉加瀬の発明品についての話らしい。 二次元好きでも信じられないものは信じられないのか...いや、二次元が好きだからこそ認められないのかもしれないけど...。


「あー、分かんないや。 でも、カグツチの炎は本物っぽかったよね」


「それなんだよ...。 俺もあれが偽物とは到底思えなかった」


「じゃあ、異世界も本当なんじゃない?....とはならないよねやっぱり」


カグツチの炎はまだ分かる。 あれくらいだったらまだギリギリ常識の範囲内だ。 だけど、異世界に関してはその範疇を軽くふた回りは超えている。 信じろと言われても想像すらできないのだから仕方ない。


鷲尾君も同じ気持ちなのか、喜びと疑問が混じったような複雑な表情を浮かべていた。


「信じたいのはやまやまだ...。 だが、今まで散々二次元に関わってきたからこそ、信じられない。 あの楽園が、果たして三次元に存在するのだろうか...」


疑う理由が僕とは驚くほど違った。


「と、とにかく百聞は一見にしかずとかなんとか言うから、やっぱ見るのが一番早いと思うよ」


「あぁ、それもそうだな」


「じゃあ僕はこれで。 また後でね、鷲尾君」


それにしても久しぶりに誰かと一緒に帰ったなぁ。 たまにはこういうのも楽しいかもしれない。


と、僕に向かって手を振っていた鷲尾君が何かに気づいたように口を開いた。


「そう言えば、俺のことは君付けで呼んでたが中村と葉加瀬のことは呼び捨てだったな。 もしかしてアイツらとは仲が良かったr」


「それ以上言ったら焼却炉だ」


「黙ります」


はぁ...。 葉加瀬はともかく、何で中村なんかと...。 いくら僕だって怒る時は怒るんだぜ?


とか、そんな事を考えながら自宅のドアを開ける。 何となく後ろを振り返ると、鷲尾君が笑いを堪えながら向こうに歩いて行くのが見えた。


テメェも呼び捨てで呼ぶぞコラ。




































SE◯AもだけどBEM◯NIもいいよね。


さぁ、次回ついに異世界に...行くのかなぁ?

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