第六話ー飛鳥と刹那ー
今回はだいぶ投稿に時間がかかった上に今回の駄文は短めです。それでも良ければよろしくお願いします。
パシンパシンといい音が周りに響き渡る、その音の正体は二人の女の子が出していた一人は髪が白に近い髪の女の子、もう一人は若干髪が赤い女の子、その二人は互いの最高速度の攻撃を繰り出し合っていた。
こいつすげぇな…俺も結構速い速度で攻撃してるけど、ストッピングでこんなに防がれるの初めてだ…相手も俺と同等の速度で攻撃をしてくるし半端が無い…こう攻防一体が続くと結構俺でもキツイぞ…!
「いいね!最高!あたしの攻撃を全部弾くのはあんたが初めてだ!」
俺だって初めてだっつーの!このバトルジャンキーめ…それでもまだまだ余裕がある顔しやがって、こちとらかなり面倒なんだよ!
「ほらほら!まだまだ行くぞオラァ!」
そして、俺と飛鳥は攻撃と弾き合いをまた始める…ホントにはえぇな!クソ…あ、でも飛鳥のあいつはこれ以上速度は出せない!あの手を使ってちょっとでもあいつより有利に立つか!そして、俺は飛鳥の攻撃を防がずに喰らい、喰らった拍子に飛鳥の腕を掴んで腹部に重い蹴りを喰らわして吹っ飛ばす。
「グッ…!?」
片手じゃあ上手く防ぎきれず飛鳥はそのまま真後ろに吹っ飛んで行き地面に勢い良く転がって行く。
「はは…わざと攻撃を喰らってそうやるか、あんた…そうとやるな」
「喧嘩慣れしてりゃあ普通に思い付くだろうが…」
俺は羽織っていた洋ランと着ていたノースリーブブレザーを投げ捨てワイシャツを脱ぐ、そして俺はサラシとスカートだけになるがその前に脱いだワイシャツを破り拳に巻く。
「んだぁ?そんなんで強くなるとで思ってんのか?」
こいつ馬鹿か?ボクシング選手がなんで拳に包帯巻いてる理由もわかってないのか?
「あぁ、多少な?」
「ケッ!漫画の見過ぎじゃないかぁ?」
「そうかもな…始めようぜ?」
そして、俺は構えを古武術からボクシングに変更してから体制を低くしブロッキングの構えをしながら飛鳥の方へ走って行く。
「よし来な!」
飛鳥が構える前に俺は飛鳥の前に着く、すると飛鳥は驚いた顔をしたがもう遅い、俺は走った速度を利用して拳に勢いを乗せて飛鳥の肝臓辺りにライトボディフックを当てる。
「ガッ…!?」
それをもろに喰らった飛鳥は息が出来なくふらつきながらも立っているが俺の攻撃はそれだけで終わっていない、俺は右フックの遠心力を使った勢いで身体を回転させガラ空きの横っ腹に低空ソバットを浴びせる、飛鳥はまともにガード出来ずそのまま思いっきり真横に吹っ飛ぶと地面をゴロゴロと転がる。
「はぁ…はぁ…どうだ、まともに喰らったんだもう立てないだろ…?私はあんまり女の子を殴りたくない…降参してくれ」
飛鳥は蹲ってその場から動けないでいる、もう流石に重いの二発喰らわしたんだ…頼むからそのまま動かないでいてくれ。
「…つッ…」
「ごめんな…」
俺はそう言ってその場を去る。
「んだらァッ!!」
と思ったが…マジかよ!あれを喰らってもまだ立つのか!んだよっ!?どんだけタフなんだこいつ!
「舐めんなよ!クソッタレ!」
起き上がってきた飛鳥は回し蹴りを俺に放って来た。
「くっ!?しまっ…!?」
俺は反応が遅れて避けきれず蹴りが顎に若干当たる形になったが俺の視界がグルンと歪みバランスを崩し後ろに倒れそうになる。
「あぐッ…!脳震…盪…か!?」
そう、飛鳥の蹴りはカス当たりでも十分だった…不味いかこいつは…!?
もちろん飛鳥はそのチャンスを見逃す訳もなく、そのまま拳を構えて突っ込んで来る。
「ケッ!油断すんなこんの馬鹿が!あたしを舐めんじゃねぇ!」
あぁ…マジかよこいつ、はは…いいぜぇ…やってやろうじゃねぇかよ!この野郎!俺だって男だ!やられっぱなしで居られるかよ!シャバいかもしんねぇけど…徹底的叩き潰す!女だけど容赦しねぇ!
「てめぇも俺を舐めてんじゃ…ねぇええ!!」
俺は脳震盪で後ろに倒れるくらいバランスを崩したがそれを踏ん張って後ろに仰け反ったのを利用してこいつの顔面にパチキを噛ます。
「ぐぶぇ…!?」
「歯ァ食いしばれよ…オラァアアア!!」
俺は飛鳥を逃がさまいと胸ぐらを掴んで勢いをつけてもう一発パチキを噛ます。
「ぶァッ…!?」
「俺は慈悲をくれてやった…けど、そいつを蹴るたァいい度胸してんなお前は…まあそれくらいなきゃこんなこと出来ねぇもんな?悪ぃけど潰させてもらうぞ!」
「うッ…グゥッ…」
俺は飛鳥の胸ぐらを掴みながら拳を構えそのまま顔面目掛けて殴り掛かる…が俺は寸止めで終わらせる、するとちょろちょろと水の滴る音が響き渡る。
「気絶に失禁…はぁ、やり過ぎたな…まあ、俺は悪くない…が!悪いな顔傷つけて…」
気絶した飛鳥を担ぎ上げて、さっき投げ捨てた服を拾い家に帰ることにした…あぁ!不味い!姉さん達になんて言われるか…。
そして家に帰って俺は正座していた。
「理由は分かった…が、女の子としてどうかと思うぞ刹那よ…」
「はい…すみません心から反省しています…」
「はぁ…反省しているのはいいがせめて互いの顔がボコボコになるまでやるな馬鹿者!男じゃないのだぞ?女は顔が命なのだ!分かっているのか?」
そう飛鳥を連れて帰ったのはいいけど、まあ怒られるよな?普通に…ね?案の定だ俺が帰ってきた時に姉と妹は大発狂、見ての通り飛鳥と俺の顔はボコボコで身体中はあざと傷だらけ、あの時結構防ぎあってたけど喰らうもんは喰らう…はぁ、俺の責任ですはい…。
「まあいい!とりあえず明日は休め!そんな状態で学校なんて行ったら不味いからな」
「はい…」
「この飛鳥って子も刹那が責任持って最後まで見ろ…そして今日と明日は部屋で反省するんだ…いいな?」
「はい、それはもちろんちゃんとします」
「お姉ちゃん?一応飛鳥さんの手当ては終わったから次はお姉ちゃんだよ?」
「ありがとう…雪華」
そして雪華に手当してもらい、飛鳥をまた担いで自分の部屋に戻る、部屋のベッドに飛鳥を寝かせて俺は正座をして今日やったことを反省する。
目を瞑って正座してたからかなり時間がたった…寝てたのか集中してのかどっちかよく分からないけど、いつの間にか肩を揺らされていた。
「あ、あの…その…!」
揺らしてた張本人は飛鳥だった、最初の威勢はどこへとやら…今はしおらしくなっていた。
「飛鳥…か?どうしたの?また喧嘩?もう勘弁してね?今日は流石にこっ酷く怒られたし、そのお陰で明日から数日間学校に行けなくなったし、暴れるなら警察に突き出さないといけないから…」
「いや!暴れる事はしないっす!」
お?口調が丁寧になってる?
「あの…その手当してくれたりしてありがとうっす!」
おお…?ちゃんとお礼してきて雰囲気が柔らかくなって後輩キャラっぽくなっていた飛鳥。
「ふむ…まあ、お礼を言うならウチの妹に言いな?俺…じゃなくて私が手当したわけじゃないし」
「あ、そうなんすね!了解っす!でも、あたしをここまで連れて来てくれた姉御にも感謝したいっす!」
姉御かあ…悪くは無いけど今はどうでもいいか…なんか可愛いし。
「あぁ…まあ、流石に顔面ボコボコにしちゃったしな?それに何かあったら私が責任持って飛鳥を貰うから安心して?」
「ふぇ!?も、もももらう!?あ、あああたしなんか貰っても何の得もないっすよ!」
おお…可愛い…けど顔が傷と青タンでちょっと惜しい…って違う違う。
「あー、まあどっちに受け取ってもいいよ、とりあえず傷つけたの私の責任だしね?」
「あー!いやいや!あたしも一方的に殴りかかって行ったので!」
あはは、面白いやつだなこいつ…。
「まあ、とりあえずお互い反省ってことで今日一緒に正座する?」
「押っ忍!」
そう言うと素直に飛鳥は俺の横で正座する。
「ごめんね?可愛い顔傷付けて」
とりあえず可愛いので撫でておく、可愛いは正義だからな!
「か、可愛い!?あ、あたしは大丈夫っす!元々こんな感じなのでモテてはいなかったんで!それよりも姉御の方っす!姉御の顔を傷付けたんすから!あ、あああたしが貰います!」
「あはは!ありがとう嬉しいよ!こんな顔で良かったら貰って貰って!」
可愛いこと言うじゃないかこの子、意外と素直だしこの子なら生徒会に入れてもいいかな?
「押っ忍!精一杯幸せにするっす!」
「あはははは!冗談だよ!とりあえず落ち着いて?」
「じょ、冗談なんすか…?」
すっごい落ち込んでるんだが…まあ、いいかとりあえず落ち着こうか?
「まあ、とりあえずはだな…私の仕分け風紀執行部に入らない?」
「入るっす!」
即答!?つか早!決断早!いいのかそんなんで!?てか勧誘した理由を聞かんのかお前は!
「い、いいの?てか、大変だけど…その辺は大丈夫?」
「姉御のためなら一肌でも二肌でも脱ぐっす!」
「そうか…じゃあ今脱いで…って!?冗談だから!脱ぐな脱ぐな!」
「え?冗談っすか?むむ…」
むむ、じゃないが…この子俺の言うことを真に受けそうだから、極力変な方向の冗談はなるべく避けるようにしよう…うん!
そして俺の冗談だと分かってちょっと脱いだ服を着始める飛鳥、言った俺が悪いんだけど…恥ずかしくないのかこの子…。
「でも、あれだな…見事なまでにお互いの顔ボコボコだな!あはは!」
「そう…っすね!あはは!でも、あれっす!姉御本当に強かったっす!あたし結構腕っ節には自信あったんすけどね…でも、姉御は喧嘩慣れしてるみたいなのであっさり負けた感じっすけど…あ!そういえば!あの時手に破った服を巻いたのって漫画とか関係なかったんすか?」
「あぁ!あれね、実は言うとテーピングをする目的についてはね割と簡単でね?一つは、肌を剥き出しにしてパンチとかしていると、すりむいたり、アザになったりするから、そう言った怪我や負担を予防する為だね、もう一つは、適度に圧力を加える事で、血行を良くしたり、筋力強化や反射速度の向上に…って!やめて!頼む!極力は私と喧嘩したのも生徒会や私の友達の前で話すのも禁止ね?」
「そうだったんすね!あと喧嘩の話は任せて下さいっす!あたしは姉御との約束は死んでも守るっす!」
お願いだから本当に死なないでな?この子ならやりかねないのが怖い…。
「そうだ飛鳥」
「はいっす!」
「私はもうちょっと正座するから、飛鳥はもう寝ておいて?」
「それは無理っす!姉御が一人でやってるのにあたしだけのうのうと寝てるだけなんて嫌っす!あたしも姉御の正座が終わるまで一緒にやるっす!」
うん、若干シズ似てる部分があるな…こっちは忠犬だけど、あいつは甘えん坊犬か?どっちにしろ俺が止めない限り飛鳥は一緒にやる気満々らしい、まあいいか?俺はとりあえず正座を飛鳥と一緒にやることにした。
それからはずっと二時間以上無言で正座し続けて飛鳥は正座しながら寝ていた…器用だなあと思いつつも飛鳥をベッドに運んで毛布をかけて寝かせる、俺はベッドの横に座ってそのまま寝ることにした。
そして朝になっていつの間にか俺はベッドで寝ていた…飛鳥か?そう思い起き上がると飛鳥はいなくなって俺一人だけだった。
「帰ったのか?」
部屋を見渡してもいなかったから帰ったんだろうな…まあ、また学校で会えるか?そう思って俺は私服に着替えて下に降りる。
「姉御!おはようございます!」
「あれ?てっきり帰ったのかと思ったけど」
「いやいや!姉御の姉さん達にお礼と謝罪がまだだったのでちゃんとしてからと思ったんすけど、謝罪し終わったらなんか手伝いたくなっちゃって…それで今はこんな状況っす!」
その状況とは飛鳥はエプロンを身に付けて雪華と一緒に料理をしていた。
「えっと、まあとりあえずみんなおはようございます」
「あぁ、おはよう我が妹よ」
「おはようお姉ちゃん」
「ふむ、飛鳥ちゃんもそうだが昨日今日で傷とアザと腫れはだいぶ引いてきたな…これなら明日以降で学校に行けるだろうな、それと学校の方にはちょっと家の事情で休むと言ってあるから安心しろ」
「ありがとう姉さん助かります」
俺はそう言ってテーブル席に座る、しかしあれだな…飛鳥が料理出来るとは思わなかった、てっきり料理出来なくてコンビニ弁当とか惣菜買って食ってるのかと、って、偏見はいけないな…見た目に反して家庭的なんだきっと、でも一日家に帰らなくて親は心配しないのか?
「それよりも飛鳥は家に連絡したの?親心配するんじゃ…」
「あ…刹那それは…」
「あたしはもう親が亡くなって一人で暮らしてるんっすよ、だから連絡しなくてもオッケーなんっす!」
笑顔で答える飛鳥、マジか…そうか昔の俺みたいに若い時から苦労してんだな…てか飛鳥の方がもっと苦労してんのか…。
「ねぇ飛鳥?」
「はい姉御!」
「一緒に住む?」
「ファ!?」
「ふむ、それはいい案だな」
「私はお姉ちゃん達がいいならどっちでも大丈夫だよ?」
「え!?え!?でも、姉御たちの親が…」
「母の場合はなあ…?」
「すぐにでも受け入れるよあのお母さんは」
とりあえず、夜まで待つ事にした飛鳥は家の手伝いをこなしていくらしい、俺は別に無理してやらなくていいとは言ったがどうしてもと聞かない飛鳥、姉も姉で好きにさせればいいさとお任せというかなんというか…。
俺はというと自分の部屋でとりあえず勉強と学校に行ってなにか聞かされた際の言い訳を考えていた。
「ふーむ、その子がねぇ…」
「母よどうだろうか?」
まあ、オッケーなんだろうけど…何に悩んでるんだ?親権問題とかには引っかからないと思うんだが…。
「よし!私が一肌脱ぎましょう!手続きには時間がかかるけど、待っててね飛鳥ちゃん!」
「ホントにいいん…すか?」
「大丈夫!お母さんに任せて!」
「良かったな飛鳥!」
「はいっす!」
「ていうかお母さんは何で悩んでたの?」
「部屋よ!部屋!」
「ふむ確かにな…」
「それは私の部屋でいいよ、妹みたいなものだし…飛鳥はそれでいいかな?」
「あ、姉御が良ければあたしは全然大丈夫っす!」
「じゃあ解決」
「いいの?」
「言い出しっぺは私だし、それに最後まで責任持って飛鳥を見るのは私の役目なので別に気にするとこなんてないし」
「姉御…ありがとうございます!」
こうして新しい家族、飛鳥を迎え入れた大神家だった…しかしまあ、この短期間で女の子との遭遇率が半端ないな…。
最初はシズと七海、その後は響香姉それから生徒会長の香苗さん、その後は翔子先輩に飛鳥…ふむ、この後も何人増えるだろうか楽しみだなあ…俺的には他の女の子がイチャイチャしてるとこが見たいんだがなあ…まあ、とりあえずは最近色々とやる事が多かったから今度はゆったりまったり頑張るかあ。
今後も女難が続きそうな刹那であったがこの事は本人は知らない。
今回、なかなか投稿出来ないのは仕事が忙しく手がつけられなかったからです。今後ともこのような事があると思いますがよろしくお願いします。