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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

ドリームキャッスルの3つの試練

作者:水戸 祥平
「すっごく楽しかったね!」
康太は私と一緒に大好きなメリーゴーランドに乗り、嬉しそうに私に言ってくれた。
「次は、何に乗ろうか?」
私も嬉しくなって康太に尋ねた。
「次は、お化け屋敷に行きたい!!」
「大丈夫か?康太?お化け怖いんじゃなかったのか?」
康太は、怖がりだったため、私は念のため確認した。
「平気だよ!夜中に一人でトイレ行けるもん!次はパパとママと三人で行くよ!」
康太は、今まで我慢していた我儘を私たちにぶつけた。
「康太。悪いんだけど、パパとはもう…」
明美が康太を諭すように言ったが、康太は遮った。
「次は、3人で行くの!!」
私たちは目配せをし、仕方なくそれに応じることにした。
メリーゴーランドの隣に古びたお城の様な建物があり、そこが遊園地のお化け屋敷だと認識してそこへ行く事にした。
”ドリームキャッスル”
名前と建物の雰囲気が全く合っていない。
私は、不気味な建物を見て康太に尋ねた。
「本当に大丈夫なのか?」
どうやら康太は、私と明美を近づけたいようだったが、単純なきっかけで修復できるような関係ではなかった。
「パパとママがいれば怖くないから大丈夫だよ!」
康太はあきらめていなかった。
私たちは、ドリームキャッスルに入ろうとして係員を探したが、受付の所に係員が見当たらない。
5分くらい待った所で、派手な若い男女の4人組のカップルが城の前に私たちの次に並んだ。
「ここやってんの?」
長髪を弄りながら、長身の男が私に声を掛けた。
「さぁどうでしょうね?私たちも待っているんですけど、係員の人がいないんでわからないですね」
「へぇ、そうっすか。」
彼らは、仲間内でどうするか話し合いを始めた所にウサギのマスコットが現れた。
そのウサギは、テーマパークのマスコットにありがちな雰囲気で、胴体に対して顔が大きく目がクリッとしていて、前歯が出ている。服装は、蝶ネクタイに縦縞のカラフルなズボンを履いているが、可愛いという印象はない。
そのウサギが待っている逆に声をかけた。
「ドリームキャッスルに入りたい人は、僕が案内するよ」
長身の男がウサギにキツイ口調で言った。
「遅ぇんだよ。早く案内しろよコラ。」
「もぅこんなことで怒んなっつうの」
彼女らしき女性になだめられながら、ウサギの説明を聞いた。
「これからドリームキャッスルの案内をするけど、ドリームキャッスルは皆で協力しないとプレゼントは見つからないよ。あとプレゼントが見つからないと脱出できないから頑張ってね。じゃあ2~4人までのグループを作ってね。」
グループ分けが完了した。

グループA:ヒロヤ(長髪の男)、ユウコ
グループB:ケン、ミカ
グループC:私、康太、明美

彼らは、カップルごとに分かれ、我々はもちろん家族で同じグループになった。
「詳しいルール説明は、城の中で説明するけど準備はいい?」
ヒロヤは、カッとなったようで、ウサギに怒鳴った。
「良いから早く案内しろって言ってるだろ」
「それじゃあ、ドリームキャッスルに挑戦する勇気がある人は僕についてきてね。」
観音開きの大きな扉が開き、ウサギを先頭に中に入った。
「大丈夫かしら、今からでもやめた方がいいんじゃない。」
明美は私へ心配そうに言った。
「大丈夫だよ面白そうじゃないか。なっ康太」
「うん!」
康太は満面の笑みで答えた。


~第1の試練 簡単な3択クイズ~


ウサギを先頭に我々は城の中に入った。
扉を開けると10畳ぐらいのスペースの部屋に豪華な絨毯が敷かれており、天井にはシャンデリアが吊るされている。壁には絵画がいくつか飾られている豪華な部屋だ。私たちの先にはA、B、Cのプレートが貼り付けられた扉が3つ並んでいる。
ウサギは説明を始めた。
「ドリームキャッスルは、3つの試練から成り立っていて、全ての試練をクリアすることで、プレゼントを手に入れ脱出することができるよ。試練に失敗するとお仕置きするから頑張ってクリアしてね。
第一の試練は、『簡単な3択クイズ』。チームの中で答えを知っている人がいるから絶対に正直に答えてね。制限時間は10秒間だよ。10秒以内に答えられなかった場合、お仕置きになるから注意してね。心の準備ができたチームから真ん中の円に立ってクイズに答えてね。」
「面白くなってきたじゃねぇか。俺らが行くぞ」
ヒロヤが威勢よく前へ出て進んで行った。
「待ってよ」
ユウコが焦ってついていった。

第1の試練 簡単な3択クイズのルール
1.10秒以内に答えられないとお仕置きとなる。
2.回答者の中に答えを知っている者がいる。
3.正直に答えないとお仕置きとなる。

ピンポンパンポーン
館内放送が始まる前のお馴染みのメロディが流れた。
「これから第1の試練『簡単な3択クイズ』を開始します。繰り返します。これから第1の試練『簡単な3択クイズ』を開始します。」

ジャジャン!
機械的な効果音が鳴った。
「問題。これから出す問について正直にお答えてください。」
「高木ヒロヤが殺した女性は、次のうち誰?」
館内放送によりいかにも機械的な声で問題が出題された。
「何言ってんの?何なのこの問題?」
ユウコは動揺しながら言った。ヒロヤも動揺している。
問題は続く。
「A、岸田ユウコ。B、山本ヨウコ。C、誰も殺していない。」
「何なんだよ。俺はだれも殺してねぇよ!わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇよ!」
ヒロヤが怒鳴った。
「あんた人殺したの?しかも何で私の名前が入ってんのよ!!なんか気味悪いからもう帰るよ!!」
ユウコも興奮して叫んだ。入口の扉を開けようとしたが、鍵が閉まっているため、開かない。
「開けなさいよ!あんた!」
ユウコはウサギに叫んだ!
「試練をクリアするまで外には、出られないよ。」
「てめぇふざけんなよ!」
ヒロヤは、ウサギに掴みかかったが、勢い余ってウサギの頭が取れた。
ウサギの中身は、何もない。
「キャーーーー」
女性陣は叫び、その場はパニック状態となった。
「ヒロヤ!時間切れになるぞ!どれでもいいから選ぶんだよ!!」
ケンは空気を読んで叫んだ。
「Cだよ!C!」
ヒロヤは叫んだ!
館内放送が再開した。
「それではCの扉へ進んでください。」
ヒロヤはユウコに言った。
「何だよ。何にも起きねぇじゃねぇか!!気味の悪いウサギだぜ。行くぞユウコ!演出だから大丈夫だよ!!ビビりすぎなんだよ」
「嫌だよ!なんか変だよここ!」
「進むしかねぇだろうが!!それに面白そうじゃねぇか。行くぞ!」
ヒロヤは、ユウコの手を引きCの扉の先を進んでいった。
私は扉の先を見たが暗くて先は、何も見えなかった。
「ここのアトラクションおかしくないか?」
私は、明美に小声で尋ねた。
「確かにそうね。個人情報やそれ以上の細かい情報を出題者が知っていることが気持ち悪いわね。なんであのウサギは、人が入っていないのに動くのよ。」
「確かに気味が悪いな。外に出られなくなるのもおかしいし、なんだかやばいな。康太が不安にならないようにこのことは康太には伝えないようにな」
「わかってるわよ」
「ママ怖いよ」
康太が不安そうに明美のズボンを掴んだ。
「大丈夫よ。パパとママがついてるから大丈夫よ」
「じゃあBチームの人は、円の真ん中に立ってね。」
ウサギが自分の顔を直しながら促した。
「大丈夫だよ」
ケンはミカに言った。
館内放送により問題が出題される。
「問題。」
ジャジャン!
機械的な効果音が鳴った。
「これから出す問題について正直に答えてください。昨日、遠藤ミカが昨夜を共にした男性は次のうち誰?」
「何だ!お前浮気してたのか!?」
ケンは、ミカに怒鳴った。
「するわけないでしょ!馬鹿じゃないの!」
「10秒以内に答えてください。A、里野ケイタ。B、高木ヒロヤ。C、誰もいない。」
「お前、ヒロヤと寝たのか!!このくそ野郎!」
「こんなのデタラメよ!私たちの中を引き裂こうとしているだけよ!現に里野ケイタなんて知らないし、ヒロヤともそんな関係になってないわ!本当に寝てないわ!」
「本当なんだろうな!?」
ミカは、真剣な眼差しで頷いた。
「Cだ!!俺たちはCに進む!」
館内放送が再開した。
「それではCの扉へ進んでください。」
「俺は、ミカを信じるからな」
「ありがとう」
ミカは、ケンに微笑みかけ、ケンの肩へ寄り掛かりった。
2人はCの扉を開け先へ進んだ。
「次は、俺たちだな。大丈夫だ。パパとママがついているぞ。」
私は康太へ語りかけ、康太も覚悟をした表情で頷き、私の手を握った。
明美は不安そうな表情で私の腕を掴み、寄り添った。
館内放送により問題が出題される。
「問題。」
ジャジャン!
「これから出す問題について正直に答えてください。先週の月曜日の午後8:00、山下哲也と一緒にいた女性は、次のうち誰?」
「あなた、また浮気をしたのね!」
明美が私に激怒した。
「いや、あれ以来俺は、後悔して・・・本当にそんなことはしていないし、俺は誰とも会っていない。」
私と明美の関係が悪化したのは、1年前からだった。
仕事で俺は行き詰まっていた俺に優しく声を掛けてくれたのは、職場の4年後輩の菊池里香だった。仕事を遅くまで付き合ってくれた彼女と夜に食事に行き、その流れで過ちを犯してしまった。その後、菊池との関係が続いていたことが、明美にバレてしまいそれから夫婦関係はズタズタになっていた。現時点で菊池とはきっぱり別れてはいたが、明美はそれを疑っていた。
「10秒以内に答えてください。A、菊池里香。B、宮野清子、C、誰とも会っていない」
「あっそうか!Bだ!Bの宮野清子だ!」
「あなた、清子と会ったの!!なんで、私の友達と会ってるのよ最低ね!」
「違うんだ偶然ばったり合って挨拶を交わした程度でその他は何もしていない。」
「もうあなたのことは、信じられないわ!」
館内放送が再開した。
「それではBの扉へ進んでください。」
明美は私を軽蔑の目で睨みつけ、康太の手を引き、Bの扉を開けた。


~第2の試練 死の会議 Cの扉サイド~


Cの扉を開けたケンとミカは、道幅の狭い薄暗い道が続いているのを確認した。
壁に手をやりながら進んで行った。恐る恐る一歩、一歩。
「怖いよ。帰ろうよ」
「大丈夫だ。俺がついてる。もう少ししたらヒロヤとユウコがいるし、大丈夫だよ」
しばらく進むと下りの階段があり、そこを下って行った。
階段を下ったところに扉があった。
「開けるぞ」
部屋を開けようとしたその時、
ドドドドドドドドドドドドド
部屋の中から銃声らしき音が聞こえた。
「何?銃じゃないの?今の音?」
今にも泣きだしそうな顔でミカは、ケンに尋ねた。
「そうかもな。おい!ヒロヤ!中にいるんだろ!」
ケンは、部屋の中に向かって声を張り上げて呼びかけた。
「おう!ケンか?面白いモンがあるぞ!早く中に入って来いよ」
ケンは恐る恐る扉を開けた。
そこには少し広めのコンクリートのぶち抜きの部屋があった。
部屋の奥にはA、B、Cのプレートが取り付けられている扉があった。
壁には、物騒な刃物や重火器が掛けられている。
ヒロヤは、大きなマシンガンを構え、ユウコは、拳銃を両手で持っていた。
「何ビビってんだよ!壁に掛かってある銃を取って敵が来た時に備えろ」
ヒロヤはケンに言った。
「ユウコー。」
ミカは、ユウコに泣きながら抱擁をしてお互いの安否を確認し、喜んでいた。
「これ、本物じゃないのか?」
ケンは自分もマシンガンを持ち、ミカに拳銃を渡しながらケンに尋ねた。
「本物だよ。あのウサギでも出てきたら、ハチの巣にしてやるんだけどな。ちなみにあの扉も全部鍵がかかってて、銃で扉を壊そうとしたが、ビクともしねぇよ」
ヒロヤは、この状況を楽しんでるようだった。
「私、拳銃なんか持ちたくない」
ミカは拳銃を持つことに抵抗があった。
「護身用だ。何があるかわからないだろ!持っておくだけ持っておけ。」
ミカは、ケンの言葉を信じ、小さく頷いた。
ピンポンパンポーン
「これからCルート選択者の第2の試練『死の会議』を開始します。繰り返します。これからCルート選択者の第2の試練『死の会議』を開始します。」
「まず、第一の試練の3択クイズであなたたちは、嘘をつき不正解となりました。」
「お前達、嘘をついたのかよ!」
ケンはヒロヤとミカを問い詰めた。
「人殺しなんかするわけねぇだろ!」
「私も浮気なんかしてないわ!」
ケンは、2人の真剣な表情から一先ず信じることにした。
館内放送は続いた。
「よってこれからあなたたちにお仕置きをします。あなた方4人の中で、生贄を1人決めてください。話し合いで生贄を決めることができれば、第2の試練クリアです。」
「生贄はどうなるんだ!?」
「この世からいなくなります。」
「ふざけんなよ!!それじゃあ俺たちが人殺しをすることになるじゃねぇか!そんなことできるわけねぇだろ!」
ケンは、怒鳴った。
「クリアの方法は、もう一つございます。話し合いではなく、殺し合いをすることです。生き残った2人がクリアとなります。殺し合いで1人しか生き残らなかった場合もその1人がクリアとなります。」
「同じことじゃねぇかよ!!」
ケンは、再び怒鳴った。
「死の会議の制限時間は、10分間です。10分以内に生贄を決められないで且つ3名以上生存していた場合、全員死にますので、ご注意ください。それでは始めてください。」

第2の試練 死の会議のルール
1.10分以内で生贄を1人決めることができれば、クリア。この場合生贄となる人物の同意が必要。
2.10分以内に2人死ねばクリア。この場合問答無用で殺害してもクリア
3.10分以内に上記1、2の条件をクリアできない場合、全員生贄となりゲーム終了

「なんだよ!馬鹿じゃねぇのか!?誰が死ぬとか誰を殺すとかできるわけねぇだろ。」
ケンは、激高していた。
「それに俺たちは、連れだぞ!そんなことできるわけねぇだろ!」
「そうよ。私たちで、別の方法を考えるのがいいわ。」
ケンの意見にミカは同調した。
「かと言ってどうするのよ?こんな事を話し合って誰か生贄になってくれんの?」
ユウコは冷静な答えに4人は静まり返った。
「仕方ねぇな。やるしかなさそうだな。おい!ケン」
「なんだよ。」
ケンは、ヒロヤの只ならぬ雰囲気に動揺した。
「前から思ってたんだけどよ。お前、普段調子こいてる癖に正義面してんのが、なんか癪に障るんだよなー。だから死ねよ。」
ドドドドドドドドドドドドド
ヒロヤは、マシンガンを乱射し、ケンの胴体に銃弾を撃ち込んだ。
「キャーーーーーー」
ミカは絶叫した。
ケンは、身体中から大量に流血し、身体が痙攣している
ヒロヤは笑みを浮かべて満足そうな顔をしている。
「あっ、あんた分かってんの!?ダチを殺したんだよ!あんた!本当に前にも人を殺したんじゃないの!」
泣きながらユウコはケンに言った。
「お前も前からいちいちうるせぇな。じゃあどうしたら良かったんだよ。俺に指図するな!殺すぞ。」
「あんたいかれてんの!?私はあんたの女だよ!殺せるもんなら・・・」
ドドドドドドドドドドドドド
ヒロヤは、ユウコの顔面にマシンガンを約20発乱射し、ユウコの顔が穴だらけになり、脳みそが床に飛び散った。
ヒロヤは、高らかに笑っていた。
「キャーーーーーー」
ミカは絶叫した。
「うるせぇんだよ!!黙ってろ!!お前もケンに愛想つかしてたんだろ!ちょうど良かったじゃねぇか!?」
ヒロヤは怒鳴った。
「でも殺すことなかったじゃない!ケンもユウコもこんなことに・・・」
「じゃあお前が死ねば良かったんじゃないのか?俺に感謝したらどうだ?お前は助かったんだぞ。」
「でも・・・死ぬ必要は・・」
「お前も死ぬかこのクソアマ」
ヒロヤはミカに銃口を向けた。
「ひっ。嫌!止めて!殺さないで!」
ヒロヤは銃口を下ろした。
「ミカ。お前を殺すわけないだろ。馬鹿な事言うんじゃねぇよ」
ミカは、微笑みヒロヤに抱きついた。
「嘘だよ。アバズレ。死ね。」
ミカの表情が強張った。
ドドドドドドドドドドドドド
次の瞬間、ヒロヤはマシンガンのありったけの弾をミカへ笑いながら乱射した。
「油断させておいて、お前は俺を殺そうとしてたんだろ!魂胆が見え見えなんだよ!馬鹿が!」
ミカの内臓が飛び散り、そのまま絶命した。
「第2の試練クリアです。おめでとうございます。Cの扉へ進んでください。」
「おい、この放送しているヤツ。これからこのマシンガンでお前を殺しに行くから覚悟しとけよ。」
ヒロヤは、笑いながら自分が持っているマシンガンをケンに投げつけ、ケンとユウコとミカが持っている銃を回収し、先へ進んだ。


~第2の試練 不確かな4択クイズ Bの扉サイド~


Bの扉を開けると真紅の絨毯が敷かれている細い通路があり、白い壁に明るいランプが一定間隔で掛けられている。その先には白い階段に赤い絨毯が敷かれている。
「ママ、とってもキレイな所だね」
「そうね。きっと、お城をイメージしている所だからこんなにキレイにしているのね。」
2人が歩いている5メートルくらい後ろを申し訳なさそうに私は歩いた。
「明美聞いてくれないか?」
「あなたと話すことなんて何もないわ」
私は完全に嫌われてしまったようだ。
階段を上がった先に扉があった。
「開けるわね。」
ドドドドドドドドドドドドド
扉を開ける寸前で何かが連打するような音が聞こえてきた。
「え?何?これ?この音って銃声じゃないの?誰かが銃を乱射したの?この先の扉を開けたら撃たれるなんてことはないわよね?」
私は、一瞬ひるんだが、明美が不安そうな顔をしていたので、勇気づけた。
「そんなことあるわけないだろ!じゃあ俺が開けてやるよ。」
私は恐る恐る扉を開けた。
何もない真っ白な部屋にあのウサギが部屋の中心に立っていた。ウサギの先に4つの扉がある。扉ごとにA、B、C、Dのプレートが取り付けられている。私たちが周りを見渡している所にウサギが声を掛けてきた。
「次の第2の試練は、『不確かな4択クイズ』だよ。これから3人の人物が話をしている動画が流れるから本当のことを言ってる人を当ててね。全員嘘をついていると思う場合もあるから、その場合はDって言ってね。今回のクイズは明美さんだけが回答できるクイズだから他の人は、答えられないよ。アドバイスや応援はしてもいいからサポートしてあげてね。最後に今回の試練を間違えてもお仕置きだから頑張ってね。回答者が部屋の中心に立ったら問題が出てくるよ。」
明美は、少し間をおいて決心し、拳に力を入れた。
「ママ頑張れ!」
明美は康太の声援に答えるように頷き、部屋の中心に立った。

第2の試練 不確かな4択クイズのルール
1.明美しか答えられない。
2.動画に出てくる人物の中で、本当のことを言っている人物を当てなければならない。
3.本当のことを言っている人物がいない場合もある。
4.回答者以外の者は、アドバイスしてもよい。



部屋が暗転し、館内放送が始まった。
ピンポンパンポーン
「これからBルート選択者の第2の試練『不確かな4択クイズ』を開始します。繰り返します。これからBルート選択者の第2の試練『不確かな4択クイズ』を開始します。」
「問題。」
ジャジャン!
「これから見せる人物の中で、本当の事を言っているのは誰?」
「まず、Aの人物」
部屋の壁面に動画が流れてきた。
『何なんだよ。俺はだれも殺してねぇよ!わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇよ!』
先ほどの第1の試練で見た長髪の若者が動画で流れている。
「これってさっきの・・・」
明美はつぶやいた。
「次に、Bの人物」
『こんなのデタラメよ!私たちの中を引き裂こうとしているだけよ!現に里野ケイタなんて知らないし、ヒロヤともそんな関係になってないわ!本当に寝てないわ!』
Bの人物も先ほどの第1の試練で見た女性が、動画で流されている。
「次に、Cの人物」
『違うんだ偶然ばったり合って挨拶を交わした程度でその他は何もしていない。』
Cの人物は、私だった。
「最後にD、全員嘘つき。1分以内に答えてください。」
「こんなの分かるわけないわ!やっぱりここおかしいわ!!気味が悪すぎるわよ!!」
明美は大声で言った。
「明美!大丈夫だ!俺は嘘をついていない!Cを選ぶんだ!」
「今さら、あなたを信じられるわけないじゃない。馬鹿じゃないの?間違えたら私たちだって撃たれるかもしないのよ!」
「ほかの奴等のことは、わからないけど、俺のことは、わかるだろ!俺を信じろ!」
明美は、頭を抱えて悩んでいる。
「でも・・」
「僕は、パパを信じるよ!パパは、嘘をついていないよ!!」
康太は一点の曇りもない瞳で、明美に訴えた。
「他の人が嘘をついているかどうかは、わからないけど、パパが嘘をついていないことは、僕にはわかるよ!!ママ!」
「康太・・・」
「パパは、嘘をついてないよ。今までパパと遊ぶ時間は少なかったけど、今日はパパとママも二人とも約束守ってくれたもん!パパは、嘘つかないもん!」
「俺が、お前達二人を命に代えても絶対に守ってやる!!」
明美は少し黙って決心をし、ため息をつきながら言った。
「わかったわ。Cの人物よ。」
「それではCの扉へ進んでください。」
館内放送が流れた。
「ありがとう」
私は明美に小さく礼を言った。
「これでこの先に何かあったら、あなたのこと死んでも許さないから。」
明美は、涙を流しながら私のことを見向きもせずに先へ進んだ。


~第3の試練 あり得ない体験 ヒロヤサイド~


ヒロヤは、マシンガンを両手で抱え、拳銃を2丁ズボンに差し込み、何者をも恐れない雰囲気で得意になり、堂々と先を進んでいる。辺りは、真っ黒の道で一定間隔で明かりが灯っている。その先には真っ黒な扉があった。
「ふんっ。黒か俺の好きな色だ。」
ヒロヤは一言つぶやき扉を開けた。
部屋は、壁一面に拷問に使用する器具が掛けられており、中心には手術用のベッドがある。ベッドの前に先ほどの入り口で会ったウサギとは違い、顔がウサギの頭蓋骨となっており、真っ黒のスーツを着ている人間姿の気味の悪い何かが立っていた。
「なんだ?お前?イメチェンしたのか?」
ヒロヤが頭蓋骨のウサギに尋ねた。
「入口であったウサギのことを言っているのか?あいつと俺とは根本が違う。あいつはシモベだが俺には、自我がある。俺がこれから第3の試練をお前に与えてやる。」
頭蓋骨のウサギがヒロヤに言った。
「何言ってんだ。お前殺すぞ!早くここから出せよ」
「それはできない。お前はこのドリームキャッスルで犯した罪を償ってもらう。」
「うるせぇんだよクソウサギが!!死ね!」
カチッカチッカチッ
「なんだ?なんで撃てない。」
ヒロヤは、拳銃も試した。
カチッカチッカチッ
「馬鹿か。お前は?その銃はこの館で手に入れた武器だろ。お前が好きな時に使用できるわけがないだろ。お前の置かれている状況を冷静に考えてみろ。」
頭蓋骨のウサギは、ジャケットの内ポケットから拳銃を取り出し、ヒロヤに銃口を向けて言った。
「そのベッドに仰向けに寝ろ」
「はっ?ふざけんなよ。なんだよお前。」
「やっぱりお前、言うこと聞かないよな?」
「?」
ドッ
次の瞬間、頭蓋骨のウサギは、拳銃でヒロヤのこめかみを殴った。
ヒロヤは、気絶した。
ヒロヤが次に目を覚ましたのは、頭蓋骨のウサギに顔面に水をかけられて目を覚ました。
「っ何だこれ!?」
自分がベッドに手足を固定されていることに気が付いた。
「っ」
頭蓋骨のウサギは、ヒロヤの首に注射を打った。
「これは、痛みで気絶しないようにする気つけ薬だ。お前はこれで簡単に死ねなくなったぞ。お前が外でも人を殺害したことは、俺たちは知っている。俺はドリームキャッスルで行ったお前の悪事をお前自身が体験しろ。これが、第3の試練『あり得ない体験』だ。このドリームキャッスルから亡くなった彼らは、痛みを感じずにここから消えた。対してお前はその痛みをここで体感しろ。その後の罰は、また別で受けてくれ。」
頭蓋骨のウサギは、表情がないのになぜかヒロヤには笑ったように見えた。
次の瞬間、目が眩む程の明かりがヒロヤを覆った。
次に目を開けた瞬間、自分が目の前にいることに驚いた。
「前から思ってたんだけどよ。お前、普段調子こいてる癖に正義面すんのが腹立つんだよ。死ね!」
ヒロヤは、自分にマシンガンで乱射された。
(うああああああああああ!!)
ヒロヤに激痛が走った。
(誰か、助けてくれ。誰か!誰か!)
銃で撃ち抜かれたところに激痛が走った。
(なんで、この痛みが続くんだ。まだ死ねないのか。うああああああああ!!)
それから激痛が約1時間続いたが、ヒロヤにとってみれば数日間が経過した感覚だった。
「うあ!!!」
ヒロヤが目を覚ました。
「おい!!もうやめてくれ!!頼むから助けてくれ!!」
「お前が殺した人間にお前は、間髪入れず命を絶ったんだろ!そんなお前の戯言を俺が聞くと思うか?」
「はぁ、はぁ」
ヒロヤは何も言えなかった。
「あと2人分あるぞ。お前に反省の色が見えないから何回かおまけしてやるよ」
「頼む!もう反省したから、許してくれ。」
次の瞬間、ウサギの頭蓋骨がミカの顔になった。
「私たちの気の済むまで続けるわよ!人殺し!」
「頼むからもうやめてくれ」



~第3の試練 難しい2択問題 山下一家サイド~


明美は、Cの扉を開けた。
先ほどと同じような真紅の絨毯が敷かれている白い壁の道が続いていた。
「ママ、大丈夫かな?」
「大丈夫よ。パパをもう信じるしかないんだから。ねっパパ?」
「もちろんだ!大丈夫だぞ!康太!」
私と明美は康太をなだめる様に言った。それに答えるように康太は頷いた。
「パパ、ママ、今日怖いけど。パパとママと一緒にいれて僕、すっごく楽しいよ!」
私と明美は顔を見合わせて康太に寂しい思いをさせていたことを改めて認識した。
「ごめんな。康太。パパがこんなんで。本当にごめんな。」
私は、我慢できなくなり康太を抱きかかえた。
「私も悪いのよ。あなたに冷たかったから・・・どこかであなたを追い詰めてしまったから、あなたは過ちを犯してしまったのかもしれない。康太に不安な気持ちにさせてしまったのね。さっきのあなたの真剣な顔を見て、少しだけ見直したわ。私も馬鹿ね。もう一度あなたに騙されるかもしれないのに」
私は明美の目を見て微笑んだ。
「早い所ここを脱出して、家に帰るぞ」
私は、2人を勇気づけ先頭をきって歩き出した。
例によって暫く行くと上りの階段があり、その先には白い扉があった。
「開けるぞ」
私は、二人が頷くのを確認して扉を開けた。
そこには屋根が吹き抜けでキレイな青空が見えた。緑豊かな部屋が表れた。
「何なんだ?ここは?」
「第1の試練と第2の試練クリアおめでとう!」
おきまりのウサギが表れた。
「ここが最後の試練の会場だよ。最後の試練は『難しい2択問題』で制限時間は1時間だよ。よく考えて答えてね。準備はいい?」
「ああ大丈夫だ!俺たち家族で力を合わせれば、どんな困難だって乗り越えられるさ」
「そうよ!大丈夫!」
康太も頷き、2人とも瞳が輝いていた。

ウサギは私たちに質問をした。
「君たちは今生きているか?」


「なぁんだ。拍子抜けしたわ。簡単な問題じゃないの。正解は」
「待て!!」
「何よ。あなた。」
「これは難しい2択問題だぞ。何か裏があるはずだ。生きているというのは活き活きしながら生きているといかそういうことなのか?いやしかし、そんな抽象的な答えがあるのか?」
「そんな深く考える必要もないでしょ?答えるわよ。」
「いやいや。待て。俺たちは本当に生きているのか?俺たちはこの遊園地にどうやって来たんだ。」
「車で来たんでしょ」
「じゃあどこをどう通ってきたんだ。」
「それは・・・もう覚えてないわよ」
「明美の最後の記憶は、何だ?」
「最後って言われてもよくわからないけど・・・あなたと康太がメリーゴーランドに楽しそうに乗っている所からよ」
「俺もだ。今考えてみるとそれよりも前の事がどうしても思い出せない。」
このやり取りを聞いて康太が私に向かって言った。
「パパ!何を言ってるの!?僕たちはこうして生きているじゃないか!メリーゴーランドとっても楽しかったよ」
「康太。お前何か知っているな。」
「知らないよ。僕、何も知らない。」
康太は、顔を伏せた。
「何なの!?何を隠してるの?」
明美は康太の両手を掴み問い詰めた。
「これを言っちゃったら、パパとママが僕とお別れになりそうで、怖くて言えないんだ。」
「大丈夫だ。パパとママは、絶対に一人にしないよ」
「本当?」
「ああ。」
康太は不安そうな表情で言った?
「実は、僕たち・・・もう死んでるんだよ」
!?
「何だって!俺たちが死んでる?何を言っているんだ康太」
「そうよ!そんな口から出まかせ言って」
「本当だよ!僕たちは、3人で久しぶりにドライブに出かけてたんだよ」
その言葉を聞いた瞬間、私に激しい頭痛が走った。

~数時間前の記憶~ 
「楽しみか?康太?」
「うん、僕、あそこの長い滑り台大好きだから、あればっかりやるんだよ!」
「他のもあるから、色んな遊具で遊んだほうが楽しいわよ。」
私たちは、家の近くから少し山を登った所にある自然豊かな公園に向かっていた。
「あそこの遊園地に行ってみたいな」
康太が外の景色を見ながら私たちに質問した。
「あそこは、もう廃園になっていて入れないのよ。」
「廃園ってなぁに?」
「もう潰れてしまってるってことだよ。あと、あそこ裏野ドリームランドだっけ?前に心霊番組で取り上げられてたよな?」
「そうだっけ?」
「メリーゴーランドが勝手に動き出すとかさ。あそこのお城の地下に拷問台があって叫び声がしたりするとかさ」
「パパ!怖い話やだよ!」
「ダメよ。康太は、ただでさえ怖がりなんだから。」
「そうだったな。悪い悪い。」
「あとこの山道、事故が多いんだから気を付けてね。」
「わかってるよ。だからそんなにスピード出してないだろ」
カーブで大きなトラックとすれ違ったところで、逆走してきた軽自動車と正面衝突した。
軽自動車は、トラックを追い越したところに私たちの車があることをカーブだったから気が付かなかったようだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「そうか。俺たちは、交通事故に遭っていたのか。」
「私も思い出したわ。そして恐らく・・・」
「そう。軽自動車に乗っていたのが、あの若者達ということだったのか・・・。あいつらのことを俺は、絶対に許せない。あいつらはどこに行ったんだ!」
「私も腸が煮えくり返るくらいあいつらのことは、憎いけど、もう私たちは戻ることはできないわ。先の事を考えましょ。ウサギさん、この問題に正解したらどうなるの?」
「約束通りプレゼントを上げるよ」
「プレゼントって何だ?」
「それは、正解してからのお楽しみだよ」
「どうするの?あなた?」
「俺たちは、死後の世界にいるということかもしれない。そういうことだろ?ウサギさん?」
「それは、答えを言ってくれたら全て教えてあげるよ」
「そうだろうな」
これ以上ウサギから情報を引き出すことをあきらめた。
「明美、康太。このよくわからない状況に終止符を打たないか?」
「でも、どうなるかわからないから、怖いよ」
康太は、不安そうな表情で私に言った。
「きっと大丈夫だ。パパの事を信じてくれ。1時間の制限時間がある以上いつかは、答えを出さないといけない。」
「そうね。康太、パパとママの事を信じて先へ進んでくれる?」
明美は康太の手を握った。
康太は、暫く黙り顔を挙げて私たちに言った。
「わかった。パパとママを信じるよ。」
私たちは、決心した。
私は、ウサギに答えを言った、


「ウサギさん俺たちは、今、生きてもいないし、死んでもいない。」


「・・・・正解!!おめでとう!!すべての試練をクリアできたね」
「フッ。良かったな正解だった」
私は泣きじゃくる明美と康太と抱き合った。
「俺たちはどうなるんだ?」
「ここは、あの世とこの世を繋ぐ通路なんだ。ここで天国と地獄に行く人を振り分けてるんだ。でも、この問題を不正解になった人達に天国に行くチケットをプレゼントしているんだ。だけど、あなた達にこのチケットは、渡せない。」
「なぜだ?何で俺たちは天国に行く資格がないんだ。」
「それは、あなたが答えた事が全てだよ。じゃあもうここには、来ないでね。じゃあね。」
ウサギの手から眩い光が放たれ、私たちを包んだ。


「っいってぇー」
私の頭に激痛が走り、流血しているのがわかる。
助手席を見ると、額から流血し、気を失っている明美がいる。
「おい!明美!明美」
私は、明美の肩を激しく揺らした。
「っ痛ーい。」
明美が目を覚ました。
「良かった。生きてる」
私は、安堵した。後ろを振り返ると康太も気を失っている。
「康太!康太!」
「んん。なぁにパパ~」
「俺たちは、生きてるんだよ!!死ななかったんだ!助かったんだよ!俺たちは!」
「あなた!」
「痛いよ!パパ。ママ。」
私は明美と康太と泣きながら抱き合った。
軽自動車と正面衝突をしたが、私たちは、運よくシートベルトをしていたこともあり、軽症で済んだ。
軽自動車の彼らは、運転席の長髪の男性はシートベルトをしていなかったことから、彼だけは助からなかったようだ。同乗者は重症を、負った者もいたようだが、助かったようだ。
後日、彼らにドリームキャッスルの事を聞きに行ったのだが、彼らは何のことか全くわからないようだった。
私たち家族は、この経験をしたことで生きていることの喜び。一瞬一瞬を大切にするという気持ちがより一層強くなった。あのウサギは、俺たちに命をプレゼントしてくれたのかもしれない。

そういえば、私は、なぜあの時『生きてもいないし、死んでもいない』なんて奇妙な言葉を言ったかは、自分達の生死を断定できなかったからだ。
なぜならば、出題者は極端に嘘を嫌っているのは、過去の2問からも推察できる。
よって、回答を嘘にしないために自分の生死を断定できなかった。
そこで、私は考えた。今、自分達は臨死体験の状態にある可能性があると・・・
私達は意識があるため、死を断定できなかった。だからといって交通事故の記憶がある以上、 生きている断定もできなかった。あの時点で微妙な状況におかれているということを考慮し、『生きてもいないし、死んでもいない』なんて中途半端な言葉を選んだ。
ウサギはこうも言っている。『ここは、あの世とこの世を繋ぐ通路なんだ。』と。
つまり、私たちはあの段階で生と死の間にいた状態だったために生きてもいないし、死んでもいない状況だったのだ。
あの時死んでいると言っていたら私たちはあのまま天国に行っていたのかもしれない。
あの最後の『難しい2択問題』は、実は3択クイズだったのだ。
1.生きている
2.死んでいる
3.(今は)生きてもいないし、死んでもいない
ウサギには答え合わせをしていないから、わからないがきっとそうだろう。


~エピローグ~
「・・やっとミカが俺を殺すのに飽きたようだな・・・。おいウサギ・・・俺を解放してくれ。」
ヒロヤは、何回殺されたわからないくらい死の瞬間を体験し、頭蓋骨のウサギに言った。
「そうだな。いいだろう。解放してやろう。」
「こっ、ここは、なんなんだ?」
ヒロヤが頭蓋骨のウサギに尋ねた。
「ここは、あの世とこの世を繋ぐ通路のような所だ。お前はその中間にいるということだ。念のために言っておくが、お前の仲間とあの家族は、もといた世界に戻った。ミカもお前をいじめた後に戻ったようだ。」
「じゃあ俺も戻してくれ。」
「ダメだ。お前は、そうはいかない」
「なぜだ!?なぜ俺だけ戻れないんだ!?」
「お前普段シートベルトしていないだろう」

「お前だけ実際に死んでるんだよ」
「なんだと!?嘘だ?俺は、現に生きているじゃないか!?」
「だから言っただろ。お前がいるのはあの世とこの世を繋ぐ通路だって。さらにお前は期待どおりドリームキャッスルの最下層まできたということだ」
「どういうことだ?」
「なぁに簡単なことさ。ドリームキャッスルは、上に行けば行くほど天国に近づける。お前はその逆さ限りなく深い地獄に向かってるということさ。」
「じゃあなんであいつらは、地獄に行ってないんだ!?」
ヒロヤは、激怒しながら頭蓋骨のウサギに尋ねた。
「彼らのドリームキャッスルでの行いを見て情状酌量の余地ありと判断し、あの家族より重い怪我を負うことで良しとしたのさ。あとお前には決定打がある」
「何だ?決定打って?」
「お前、人を殺してるだろ?」
ヒロヤは動揺した。
「お前は、そのことを後悔するでも反省するでもなくのうのうと暮らしてきた。そんなヤツが天界や転生したところで何ができるというんだ。お前はこの後、無間地獄を体験することになる。俺なんかよりも10倍いや、100倍サディストのヤツがお前をいじめてくれるだろうぜ。まぁせいぜい頑張りな」
「嫌だーーーー」
ヒロヤの叫び声が部屋に虚しく響いた。

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