あいさつ回り
青い女の方、感情のグガから最初の珍しいものとして、ガール帝国の有力者だけが参加できる勇者降誕パーティに誘われた。このパーティは勇者召還儀式に干渉できたこともあり、大きな盛り上がりを見せていた。
「あの猫人と豚顔のオーク、そして青白い顔をしたって高潮してるな、まああのドラキュラ。あの三人は普段領地が近くて仲が悪いのだけど、今夜は仲よくやってくれている」
言外に来てくれてありがとう伝えている。しかしそれを言うと教会国と同じムジナになってしまうので口にはしなかったのだろう。
パーティは立食。好きに食べて、好きに飲んでいる。人が集まっているのは大きなボードの前。私が喋ったことが情報共有されている。首狩り武者族外来世界説と書かれているのはどこかむずがゆい。
パーティの最初、色々な異形と握手をした。皮が硬い手、自体が硬い手。毛で柔らかい手、自体が柔らかい手。大きすぎる手、小さすぎる手。手とは言えない手、手がない手。
「あちらの教会国も人種豊かなのですか?」
一緒について回ってくれている青い二人の男の方に聞く。説明は彼が担当しているようだ。
「あちらは彼らの頭の中で役に立つ人種を抱えている。四種族は確認している。こちらは何でも抱える。基本八十三種族とそれらのハーフ、クォーター。この世の全ての意思を持つ者がこちらにはいる」
「人間もですか?」
「そうだ。あそこにいる。挨拶まであと十分程度だな」
見ると一人の女性。ああ、やはりあの人は人間なのか。
列がないのに自然と形成されている順番をたどり、彼女の元へたどりつく。
「お日柄もよくこんばんは、勇者ヒタネ。国境都市4、百万都市焼山を任されている魔女デューサでございます」
「よろしくおねがいます」
「僕たちから見たら聖女なのにね。彼女おもしろがって魔女と名乗っているんだ。気持ちわかるよ」
「グガ陛下もお人が悪い」
白いドレスを着る魔女デューサの笑う姿は清楚に見えた。彼女は百万都市の主らしい。私もいつか行くのだろう。