目がテレビ
長い夜だった。ベッドに仰向けになりおびえたまま涙もでず、ただ幻聴を聞いていた。
ゆっくり分解してく脳裏に悪魔やら神話上の神らしきものやらが現れては消えていく。
もしかしたら自分の目の中にあるあらゆる映像が他人にこっそり見られているという妄想に駆られた。根拠もなければ誰かに口頭で確認したわけでもない。ただその思いは段々と強くなっていった。もしかしたら、その臆病な性が生み出したであろう摩訶不思議なものたちが近隣の子供たちが眠ってみている夢として現れているのではないか。そんなことに縛られ出した自分の思考は狂っているのであろうか。それとも現実なのであろうか。確かめる術はない。
寓話のような現実のような寓話