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Every day END  作者: 村尾 漣
10/14

~誕生会~

日曜日、私は祐美の家に遊びに行った。「いらっしゃい。侑乃ちゃん」


祐美の母親らしき20代後半と思われる女性が迎えてくれた。


にこやかでほんわかした女性だった。希空さんに少し似ている。


「こんにちは」私は2階に案内された。入った部屋はとてもさわやかだった。


壁は白。カーテンは薄い青。机はオレンジだった。


祐美らしい部屋だと思った。すごくうらやましかった。


希空さんは自由に買っていいといわれているが、居候の手前、


ベットと机、本棚と必要最低限のものしか置いていない。


「侑乃ちゃん??」祐美が心配そうに見つめた。「あ、ごめんごめん」


「そこに座っていいよ」「うん」しばらくすると祐美のお母さんが


ケーキを持ってきてくれた。「どうぞ~」「あ、ありがとうございます」


すごくおいしそうに焼きあがっていた。アイツなんかみそ汁もろくに作れない。


いつも私が準備してたな。誕生日なんか祝ってもらえなかった。


いいな。祐美はきっと毎年祝ってもらえるんだろうな。


両親にすごく愛されてるんだろうんな。そして私はひがんでいる自分に気付き


心の中で苦笑した。何バカなこと考えてるんだろう。どうしようもないじゃん。


そのあと、祐美がピアノを弾きながら歌を歌ってくれた。


祐美の声はとてもきれいで、澄んでいて、私はすごく胸が痛くなった。


ああ、この友達さえも私の醜い血を知ったら離れてしまうんだと思って。

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