~美緒子と自分~
「おはよ!!」いつものようにクラスのドアを開けて挨拶をした。
でも、いつものようにみんなが答えてはくれなかった。
「??」頭の中が?でいっぱいになった。聞こえてなかったとか?
「おはよ」やっぱり誰も答えてくれない。どうしてだろう。
自分の机にいくとメモ状の手紙があった。同級生の裕美からだった。
「侑乃ちゃん、美緒子ちゃんを怒らせたみたい。」
美緒子を??ちっとも記憶がない。美緒子はクラスのボスっていうか、まあそんな感じだ。
実際美緒子を好んでる人は少ないが。
原因がわかったならそれでいい。こんなこと慣れっこだ。
美緒子はしょっちゅう私に絡んでくる。私の母親が美緒子の母親の妹だからということが1つ。
そして美緒子と私は全てにおいて美緒子のほうが劣っているから。
自信過剰と言われそうだが、私は全国模試でもトップクラスの成績だ。
しかも陸上でも上位入賞ばかりだ。つまり、嫌われやすいタイプなのだと思う。
だから今までずっと孤独だった。この学校に転校してくる以前から。
別によかった。友達などいらない。ずっとそう思っていた。
「全然気にしてないフリしてさ~」「むかつくんだよ!!」
美緒子にランドセルをけられる。思わず倒れたその時、足をくじいてしまったらしい。
動けない私をバカにするように美緒子の仲間が足をけった。
「っ!!」言葉にならない痛みが足に来る。「おい!!何やってんだよ!?」
「やば、美緒子、行こうよ」美緒子たちは走り去った。
「おい、大丈夫か?」その男子は私に手を差し伸べてくれた。
「ありがとう。でも立てないの。足をくじいちゃったみたい。」
そういうと、その子は私に背をむけて「んっ」と言った。
「えっ?」「乗れよ」「でも・・・。」「いいから!」
私は彼の背中に乗った。足は真っ赤にはれていた。そして私の顔も真っ赤だった。