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プロローグ後編




(何だろう…とても暖かい…?)



右目が痛みだしたので、唯一無事な左目をゆっくり開けた。

誰かが僕のそばにいる……誰だろう…?



「おや、気づきましたか!」



「え…えっ!?」



とってもかっこいい人が僕のそばにいた事への驚きと、

僕が今いる場所が僕の部屋ではない事への驚きと…

何より一番驚いたのが、鏡に映った僕の姿…!!



この3つが交ざって、上ずった声が出た。



「な…なに!?どうして……いたた…」



右目が痛いのを忘れて、急に右目を開けてしまった。



「ふふふ…心配いりません、痛みはすぐに消えますよ」



「は…はい…?」



「貴方のその瞳…我が天界にはとても重要な宝となるのですが…」



「……!!」



そう…僕の右目は蒼い…いつから右目の色が蒼くなったのかは分からないけど、物心ついた時から気づいていた。



「これが?―ここの世界にとって重要な宝ですって!?」



「その通り。それは“翼行の瞳”(よくぎょうのひとみ)……蒼と紅の2つの“瞳”で、世界の平和を維持しているのですよ」



「“翼行の瞳”…あっ、聞いたことがあります!僕が持っている蒼は純粋の、紅は情熱の象徴だ…!!」



「分かっているのならば話が早い!実は貴方にお願いしたいことがあるのです」



「……僕にできる範囲なら……」



答えると、彼は口元に笑みを浮かべ、すぐにはっとした表情になった。



「失礼…紹介が遅れました。私は天界の皇子ハイドレンジア。住人からはプリンスだとか、プリンスハイドレンジアと呼ばれています。貴方も…素敵な名前を持っていそうですね……」



「僕は…拓、西野 拓です。僕に出来る事があれば何でも仰って下さいね、プリンス」



「そうしましょう!…では、貴方にお願いです」



「あ…はい!」



それから彼―プリンスハイドレンジア―は、僕に次のような事を話した。



「貴方は、世界の12の万物を守護する“翼の折れた天使たち”の事は知っているでしょうか?実は大変な事に、彼らが悪魔に呪いをかけられ、天界を追放されてしまったのです。彼らを助けることが出来るのは、“翼行の瞳”を持っている貴方と、もう一人…紅の“瞳”を持つ者・桜庭さくらば 羽流斗はるとしかいない…もし彼らが全員見つからなければ、世界は悪魔に滅ぼされてしまうのです!……拓、お願いします…どうか私を―世界を、天使たちを助けてください!!」



「……プリンス……!!」



僕と、羽流斗にしか出来ない事…僕らが動かなければ、世界は悪魔の手で滅んでしまう…でも、羽流斗に会った事はないし、彼の居場所すら分からない…



(待てよ…明日から新年……そうだ!1ひとつきに1人助けていけば、ちょうど1年でみんなを助けることができる!でも…そんなに都合よく彼らが見つかるのかな…?)



そこで僕は、この事をプリンスに言って、どうだろうと尋ねた。



「なるほど…1月に1人ずつですか…でしたら、渡したい物があります」



「はい、何でしょうか?」



プリンスに渡された物…それは、どこでもみかけるショルダーバッグだ…



「このショルダーバッグには、天使たちを助けるのに役立つアイテムがたくさん入っています。もし行き詰まる事があったなら、迷わず使いなさい」



「はい!」



「それから、旅の途中で悪魔の邪魔が絶対に入ります。そんな時はこれを使いなさい」



「……?」



「退魔の力を込めた短剣です。斬り付けられなくても、振り回すだけでも十分効果はありますよ!さぁ、これを受け取ってください」



「あ…ありがとうございますっ!!プリンスの期待に応えられるように……僕、頑張ります!」



「さて…あと少しで新年の鐘がなるようです…私の側近に、情報屋と助言師の仕事をしている頼りがいのある少年ボーイがいます。彼の仕事が空き次第、貴方のもとへ向かわせますね」



「あ…はい、お願いします」



遠くで、鐘の音が聞こえる…



あれ…なんだか、急に眠たくなってきた…



大きなあくびをすると、プリンスの小さすぎず、大きすぎずの手が僕の頭を優しく撫でてくれた。



「それでは拓、貴方の事をずっと見守っていますよ。全ての天使たちを持つ者捜し出せると信じています……新年明けましておめでとう」



「お…おめでとう…ござ…ま…」












「んー…ん…え…っ!?」



気がつけば、僕は自分の部屋のベッドで寝ていた…

勢いをつけて起き上がると、目線の先にプリンスから受け取った短剣があって、机の上にショルダーバッグ―黒と白の横縞ボーダーライン―が置いてあった。



3000年1月1日



(もたもたしてる場合じゃない…屋敷の脱出手段を考えて、早く出掛けなくちゃ!)



クローゼットから黒のコートを引っ張りだし、耳当てと替えの眼帯をコートのポケットに半ば無理矢理突っ込んだ。外した眼帯を髪型が崩れないように装着していると、ショルダーバッグが目に入った。



(そうだ!プリンスから受け取ったバックに、何かいい物が入っているかも…よし、探してみよう!!)



バックを開け、手を入れると…



早くも、太くて長い何かに手が触れた。



(ん…?これ、なんだろう…)



気になりだしたらすごく気になるので、それを取り出してみたんだ。



その太くて長い何かは…



“カギナワ”だった―!!












coming soon…


1月の冒険が始まります…!!

光の天使・ヴィリアーナを救出せよ!!

朱雷光です(*・∀・*)ノ


プロローグ後編をお届けしましたです!!


前の後書きに書いた謎の人物の正体…

それはプリンスハイドレンジアでした!


次の更新は未定ですが、最後までお付き合い下さいね♪


では!!

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