↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
28/51

祝勝会終わる ―見送るカリナと労う諸将たち―

 さらに、アクアリスのオーシアと、モントクラウドのヘレナが言った。


「4ヶ月前、そなたと会った時は、本当にこの子に団長が務まるのだろうか? と思ったものだ――」

「あなたのような可愛らしい少女が戦場に関わるということ自体に、我々は心を痛めていたものです」


 だがオーシアはしみじみと語る。


「だがそれは杞憂だったな」

「ええ、本当に強い心をお持ちですから」


 だが2人は膝を折って目線をカリナの高さにまで落とした。

 そしてオーシアはカリナの方をそっと叩き、ヘレナはカリナの手をそっと握った。


「だが無理はするなよ? 気持ちが強いやつはつい困りごとを自分で抱え込む。お前はまだ10歳――、これからたくさんのことを学んで成長していくんだ」

「もしどうしようもならないことがあればいつでも言いなさい。私たちはあなたの力になるから」


 2人の言葉にカリナは目に涙をにじませて笑顔で答えた。


「私は両親と死に別れて1人で生きてきました。ですがここにたどり着いて、たくさんの人に導かれてこうして生きています。本当にありがとうございます」


 カリナは親がいない。魔王軍の侵略に巻き込まれて2人とも命を落としているからだ。

 筆舌に尽くしがたい苦難を乗り越えて、今日この場所へとたどり着いているのだ。

 そんなカリナをヘレナが優しく抱きしめた。


「これからも気をつけてね」

「はい!」


 カリナは2人を見送ったのだった。


 最後に残ったのがルミナリアのセリアスと、グレインリーフのレイモンドである。

 まずはセリアスがカリナに今後のことについて告げる。


「聖剣の巫女どの、この度の活躍で国王陛下が褒章してくださると仰せだ」

「え? 本当ですか?」


 驚くカリナにレイモンドが言った。


「驚くことじゃない。軍人や戦士団の戦士みたいなのは、戦いで大きな勝利をあげれば褒章やら勲章やら勲章やら、何かにつけて送られてくるものだからな」


 その言葉にカリナ疑問の声をあげた。


「じゃあつまり、これからも戦って勝利を上げればまた褒めてもらえるということですか」


 レイモンドがニヤリと笑う。


「カリナの孃ちゃんなら、あっという間にたくさん並ぶだろうぜ」

「そうだな。貴公の優れた剣の技、そして練度の高いこの魔法剣士騎士団――、この両者が両輪となって力強く未来へと進んでいくであろう」

「まあ困ったことがあれば、何でも言ってくれ。すぐに駆けつけるからよ」

「うむ。貴公ならこれからまだまだ伸びる。お互い精進しながらともに歩いて行こう」


 そうして2人はカリナの手を力強く握った。


「2人のお話、胸に刻みました。アルカナヴァンガードの団長として、これからも自らを鍛えてまいります」

「うむ、おりに触れてまたお会いするとしよう」


 セリアスが優しく言葉をかける。そしてレイモンド――、


「くれぐれも寝坊には気をつけてな」


 いたずらっぽい笑みでレイモンドが語る。思わぬ言葉にカリナは顔を真っ赤にした。


「あの……、えっと……、気をつけます」


 年相応に恥ずかしがるカリナのその頭をレイモンドは優しく撫でるのだった。


 そして最後までカリナは彼らを、その馬車が走り去るまで路上に佇んで見送った。



( 'ω'o[ 読者さまへ ]o

お読みいただきありがとうございます。

この物語をもう少し追ってみようと思っていただけましたら「ブックマーク」していただけると嬉しいです。

また、このお話を楽しんでいただけましたら「いいね」で応援いただけると励みになります。


反応をいただけると、どんな話を楽しんでいただけたのか知る手がかりになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

▼ 勇者カリナの、その後の物語

魔王軍との最終決戦を終えた少女勇者カリナ。
次に彼女が辿り着いたのは、AIと戦闘機械が支配する未来世界――。

『勇者カリナ/未来戦線クロスロード』を読む

―魔王を倒した少女は、AI戦争の未来世界で、聖剣精霊と豪剣人機とともに人類を救う―

未来戦線クロスロードメインタイトル画

▼ 勇者カリナが、未来へ辿り着く直前の物語

AIと戦闘機械の未来世界へ飛ばされる、その直前――。
少女勇者カリナは、仲間たちとともに三百年の戦乱を終わらせる最後の戦いに挑んでいた。

『勇者カリナ/魔王城最終決戦録』を読む

―少女勇者カリナと仲間たちが挑んだ、魔王軍との最後の戦い―

勇者カリナ/魔王城最終決戦録 タイトル画


カリナシリーズ紹介ポータルサイト

i1256128

▼ 作者のX(旧Twitter)はこちら

作品の更新情報、制作裏話について発信しています。

美風慶伍 X(旧Twitter)公式アカウント
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。