↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/51

見上げる者たち ―エルリックとソフィアの眼差し―

 そして同じ頃、大聖堂の内部ではソフィアたちが魔法陣の作動の停止にようやく成功していた。


「やっと止まったわ!」

「魔導士長、カリナ団長がもう一つの魔法陣の破壊に成功したようです」

「本当? これでもう安心ね」

「はい」


 安堵するソフィアだったが目の前の光景に頭を悩ませることになる。


「それにしても大聖堂の床、ほとんど剥がしちゃったけどまあ仕方ないわよね」

「それですがカリナ団長、大鐘楼塔の上半分を完全に破壊してしまったそうです」


 その言葉にソフィアは思わず吹き出していた。


「はぁああああ?! あの子一体何やったのよ!」


 蒼白になるソフィアを周りは苦笑しながら見守ったのであった。


§


 一方で地上ではライザック准将とエルリック戦士長を中心として、事態収集が図られようとしていた。


 混乱する街。

 破壊された大聖堂。

 避難していた人々。


 それらが落ち着きを取り戻すまで。 全ての役目を引き受ける人がいる。王都の守りを総括する立場にあるライザック准将である。

 ライザック准将は作戦本場がある建物の外に出て大空を仰いでいた。


「凄まじい爆発だったな」


 そう呟けばエルリックがそこに歩み寄ってきた。


「准将閣下、大聖堂の建物を大きく傷つけることになってしまいました。申し訳ありません」


 だが准将は一切気にしていなかった。


「構わぬ。先ほどだが、大聖堂を所有している信教政庁から、中央大聖堂を一度取り壊してもう一度再建することに決めたそうだ」

「本当ですか?」

「ああ〝魔族に汚された大聖堂をそのまま使うのは、到底受け入れられない〟とのことだ」


 その答えにエルリックはうなずき同調していた。


「でしょうね――」


 だが別な疑問も湧いてくる。


「しかし……よもや、この王都にまで魔族が大部隊で潜入してくるとは」


 エルリックのため息にセリアスは疑問をぶつけた。


「それだ、魔族が独力でここまでの緻密かつ巧妙な作戦を可能だろうか?」

「考えたくありません。協力者の可能性など」

「だが、考えぬわけにはいかん。どこかに繋がりを持っている奴らがいるはずなのだから」

「ならばそれを見抜くのは我々の役目です」

「いかにも」


 エルリックは思案げに言葉を漏らす。


「それにしてもなぜ、この王の都でこのような事件が起きたのか――、詳しく調べなければなりませんね」

「うむ、大きな〝穴〟がどこかにあったのだろう。心を食われた大きな穴がな――」


 それすなわち、魔族に対して手引きをしたものたちがいたということに他ならなかった。


「戦いはまだ終わらない」

「はい」

「だが我々には彼女がいる」


 2人の視線はある人物の方を向いていた。


「わずか10歳の――美しき少女勇者がな――」

 

 そう唱えて二人は頷き、言葉を交わしながら頭上を見上げた。今まさに戦い終えたカリナが地上に舞い降りようとしていたのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

▼ 勇者カリナの、その後の物語

魔王軍との最終決戦を終えた少女勇者カリナ。
次に彼女が辿り着いたのは、AIと戦闘機械が支配する未来世界――。

『勇者カリナ/未来戦線クロスロード』を読む

―魔王を倒した少女は、AI戦争の未来世界で、聖剣精霊と豪剣人機とともに人類を救う―

未来戦線クロスロードメインタイトル画

▼ 勇者カリナが、未来へ辿り着く直前の物語

AIと戦闘機械の未来世界へ飛ばされる、その直前――。
少女勇者カリナは、仲間たちとともに三百年の戦乱を終わらせる最後の戦いに挑んでいた。

『勇者カリナ/魔王城最終決戦録』を読む

―少女勇者カリナと仲間たちが挑んだ、魔王軍との最後の戦い―

勇者カリナ/魔王城最終決戦録 タイトル画


カリナシリーズ紹介ポータルサイト

i1256128

▼ 作者のX(旧Twitter)はこちら

作品の更新情報、制作裏話について発信しています。

美風慶伍 X(旧Twitter)公式アカウント
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。