転生したのか?
ふわふわと浮かびこのまま天に行くとまで思った瞬間、急速に地面へと吸い込まれていきそのまめ地面にぶつかった。
「うわぁぁ。」
情けない声と共に俺は地面からベットに落ちてしまった。ふと、周りを見渡すと全く見たこともない内装だと思った瞬間、急に頭が割れるほど痛くなった。
「ぁぁぁぁぁぁ。」
「大丈夫ですか?!ルカ様!」
あまりの痛みにその声に気づかずそのまま意識を手放してしまった。
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目が覚め窓から外を眺めると朝日ちょうど登り始めるところだった。頭はまだ痛むが一度深呼吸するとだんだん理解し始めた。
「なんだったんだろう、あの現実味のある夢は...。」
「ルカ様!!目覚めましたか?」
「うわぁ!!」
真横から急に話しかけられ隣を見てみると、メイド服の女性が座っていた。
「具合の方は大丈夫ですか?一度起きたのにすぐ寝てしまってほんとにリザは心配で心配でたまりませんでしたよぉ。すぐ、ご主人様たち伝えてきますね!」
そう言って慌ただしく部屋から出て行った。
記憶を整理するとだんだん思い出してきた。俺はルカ・サレルノといい伯爵家の三男に転生したのか。
いや、転生じゃなく魂が融合してしまったのかななんて思っていたらドアが開きなかなかにダンディで髪が燃えるくらい赤い男性ととても麗しく髪が腰まで伸びている銀髪の女性が部屋に入ってきた。
「ルカ、はしゃぎすぎるからそうなるんだろう、楽しみなのはわかるが少し自重しなさい。」
「レオの言う通りよ、はしゃぎすぎて頭ぶつけてそのまま動かなくなった時はほんとに驚いたんだから!」
「すっ、すいません、父上、母上。」
記憶になかったのに、すらすらと言葉が出てきた。
この人達が両親か。あまりにも美形すぎて言葉を失ったよ。
「まぁ、まだ治ったかはわからないからな、今日の午後ちょうど医者が来るから見てもらうまでゆっくりしてろ。リザ、なんか食べるもの持ってきてやってくれ。」
「かしこまりましたご主人様。」
「また後でなルカ。」「じゃねぇールカちゃん。」
そう言って両親が出て行った後、
「それでは、ただいま食べるもの取りに行きますので安静にしていてくださいね、では失礼します。」
といい、リザも出て行った。
だんだん思い出してきたぞ。一度記憶を整理するとここはウィドー大陸にある三大国家の一つであるキア王国であり、父がレオナルド・ヴァスコ・サレルノといい母がシルヴァ・サレルノと言う。また自分には兄が2人姉が1人そして妹が1人いる。そしてヴァスコ領を収めている伯爵家だ。サレルノ家はまだ一代かぎりの家でこれは10年前冒険者だったレオナルドがウィドー大陸の上の方にある通称魔王領からの進軍の際勇敢に戦い数多の敵を薙ぎ払いその活躍ぶりから爵位を授かったらしい。その際に一緒に戦っていた冒険者がシルヴァだったらしい。
記憶を整理し頭がくらくらしてきた時、リザが戻ってきた。
「安静にしておりましたね。こちらいっぱいたべて早く元気になって下さい。」
匂いを嗅いでいると腹の虫が大きな音を立ててしまったので一口食べてみると程よい塩加減でとても美味しくつい二杯もおかわりしてしまった。
食べ終わって満足していると、
「医者さん来るまで時間はまだあると思いますので少し寝てていいんですよ。何か用があればリザにお申し付けください。」
その言葉を聞き満腹になったからか、そのままぐっすり寝てしまった。