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ーユメモノガタリー  作者: 久川 りつき
3/50

ー不安ー




物音で目を開けると





目の前には二人の男性がいる。



私は突然の状況に固まっていたが、


二人の男性は起きた私には気にも止めず


真剣に何かを話している様子。



私は無意識に口を開けて声をかけようとしたけれど






やはり口から漏れるのは空気だけ





仕方なく、何とか現状だけでも把握しようと



恐怖に駆られながらも


凝視をしないようにソッとその男達を見る。


1人は背が高く


白い髪の毛


老人かと一瞬思ったが、



横顔をみる限り若い男のようだった。




その男は20代後半から30代前半くらいの若者だと分かる。


目付きが鋭く


何だか怖そうな印象を受ける。




もう1人の男は


その男性より身長が低く


黒髪で


肩くらいまで髪があったのと顔立ちが幼いせいで


見ていて、もしや女の子かとも思ったけれど


声が低かったので



どうやら男の子で間違いないようだった。







---何で、私----ここにいるんだろぅ----?





どうも意識がハッキリしない



胸焼けしているような、変な違和感がある。










---ナニカ----ナニカワスレテイルヨウナ---






私が考えこんでいると


背の高い男が


私が起きている事に気がついて近づいて来る。


私は知らない男であること


知らない部屋である事に恐怖して少し後ずさる。





「おい、逃げるな、俺は----じゃない。」




------え---?





男は私の頭の上に手を差し出し


()れ物を触るような手つきで


頭を触れるか触れないかで撫でてくる








-------今-----








----この人は(誰)じゃないといったんだろう-----?






目の前で話したはずのその男の言葉の中に、



確かにあった筈の名前の部分だけが


何故かスッポリと抜けてしまっている。




私が困惑していると、


もう1人の男の子がため息をつきながら私を睨み付けてくる。




「何でそんな口を取られた役立たずな人間を連れ帰ったんだよ。


そのまま向こうにやってしまえばよかったんだ。」





その男の子は


そう言うとこっちに来るなり手首を痛い位握りしめて


私を無理矢理立たせる。



「こんなヤツ僕が外に捨てて来る。」




そう言い放つと


男の子は私をズルズルと引っ張り始めた。






----ヤ、--ヤメテ---コワイ----コワイ!!----






突然の事態に何が何だか分からず



涙が溢れてきて恐怖する私を



男の子は構わず連れていこうとする。



すると、背の高い男の怒った声が部屋に響き渡った。





------イイカゲンニシロ---イオリ----





その声には


その男の子も私も



ビクッと体を震わせて立ちすくんだ。



怖くてその男を振り向けない。



部屋の空気がビリビリと張り詰めていて


怒っているのが声からも分かる。



私の手首を


痛いほど掴んでいた男の子の腕を


後ろにいる男が握って離したのが感覚で分かる。


混乱している頭で


何とか離された手首を庇うように手で覆うと


引き離された男の子と



私の間に入ってきた男が対峙(たいじ)しているのが目に入った。

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