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ーユメモノガタリー  作者: 久川 りつき
2/50

ー恐怖ー



私は




知らない他人でもいい




他の(人)が居たことに、



これまでにない位の安心感を得て、



すぐにそちらに向かおうと足を出した。








でも






そこで足に・何かが・




くくりつけられているのに気がついた。



足に感じる違和感に下を向いて足を確認すると、


左足に、


白い


ロープのようなヒモが結んである。


(それ)は調度



その家を出ようとしたギリギリで



ピンッと張ってしまっている。







---なに、これ---?




言い様の無い吐き気が込み上げる。



早く、向こうに行きたいのに、





このヒモはナニ?





いつからあった?








・・・・階段を降りているときには無かった。




だって、


元からあったなら


あれだけの階層を降りたんだ




途中で引っ掛かっているはず。




冷静になろうとすればするほど、




そのロープが恐ろしくて




あの




蛇の目をした男の子の顔が頭をヨギル。




---ドウシヨウドウシヨウドウシヨウ--



---早くしないとあの子がキチャウ--




恐怖で握りしめた拳にチリッと痛みが走る




ビックリした私は、


今までパニックになっていて忘れていた




手の中にあるソレの存在に気がついた。




--コレ---あの時取った蛇の----?




そうだ、これでロープを切れるかもしれない!


ボロボロに錆びた刃にも


鋭利な部分が残っている事を確認すると、


私は焦りと恐怖に駆られながらも


そのロープを掴んで足を切らないようにその刃をあてがい、


早く、早くと思いながら擦っていく。



すると、建物のずっと上の方から、


かすかに、





ゴトンッ




と物音がしたのを私は聞き逃さなかった。






----!!!!




私はパニックになって乱暴に刃をロープに擦り付ける。




すると、ロープはブチブチと、



確実に切れていく。


でもそのロープの切れ端を見ると、


布っぽい繊維質な感じは無く



切れ目はツルツルとしている。



でも、



そんな事に構ってはいられなくて



すぐそばまで(ナニカ)の気配が近づいた瞬間






その切れたロープには目もくれずに走り出した。










---アァ、ヤット--













---怖い思いをしなくていいんだ---










そう思った。



声が出せないのに




涙は止めどなく溢れてきて




声にならない嗚咽(おえつ)をしながら



踏み切りに向かって走って行った。












でも









踏み切りを潜ろうとした時








ふいに真後ろから声が聞こえた















---ソッチニイクトカエレナクナルゾ--









そこで











私の視界は真っ黒になった


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