0.目覚めたら……
チュンチュン、という小鳥のさえずりが聞こえる。
俺はぼーっとしながらも目を覚まし、起き上がった。
窓の外を見ると、昨夜の大雨はすっかり止み、明るい景色が広がっていた。
……ちなみに、いい朝だ、なんて言わないからな。俺は。
そして、寝ぼけた頭のままベッドから降りようとすると……
「痛ッ」
なんか角ばったものにぶつかった。
「なんだあ……?」
俺昨日、ベッドのそばに角ばったもんなんか置いてたっけ?
そう思いながら拾い上げると、何かのリモコンのようなものだった。
「いやなんだこれ」
俺の部屋にリモコンを使うようなものはない。
つうかこれ家にあるリモコンのデザインじゃねえし。
しばしリモコンを見つめた後。
……押してみるか。
随分あっけらかんとしてんな、とは自分でも思う。
しかし、押してみた方が一発でわかる。発信源とか。
……もし家吹き飛んだらごめんなお袋。
ポチっと一番上のボタンを押してみる。
すると。
「ふわあ……」
という女の声が聞こえた。
…………え?女?
俺は慌てて、ベッドから乗り出す。
ベッドのすぐ横に床に、黒髪の超絶美少女が寝転がっていた。
「……っは」
一瞬、俺の口から乾いた声が漏れ。
「はああああああああ!?」
それはすぐに、家を揺らすほどの大絶叫に変わった。