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75・結婚。

 ケンジは謝っている。


「す、すいません……ガングってオレ達の所だとオモチャって意味なんです。

なのでつい……まさかオモチャさんなんて呼びにくくって。」


プププ、ココじゃ最強の勇者なのにオモチャだなんてな。


「オモチャかよ! ほ、ほかになんかイイ意味ってないのか? 

昔の英雄の名前なんだけどなぁ……オレの故郷だと」


「あー、横からすいません。ありますよ。

神話に出てくる巨人です。霜の巨人とよばれてる精霊です。

巨人なんで強力なのは確実ですよ。

神話なんで確認はできませんけどね」


この神官は見た限りコイツラの中じゃあ頭がよさそうだよな。

リーダーは頭の良さだけでなるもんでもないんだが。


巨人の精霊と言われてガングはちょっと機嫌が治ったようだった。

名残は惜しくても別れの時間はやってくる。

これでもうケンジとは二度と会えないと思ったらちょっとキテしまった。

まあ、泣きはしなかったがな。



 アレからオレは勇者ガングの従者ということでアチコチ引きずり廻されている。

物足りないらしいが結構な魔物やら魔獣の討伐とか誰も行けないような場所の

調査やら引き受けるもんだから……オレ、普通の兵士なんだけど。


時々アリィがノリノリで付いてくるのがご愛敬だね。

ギルは相変わらずアリィの運搬係だ。

オレより苦労してると思うと気の毒になってくる。

毛は相変わらず生えてこないみたいだな。


ロゼとベルはオレの実家にいる。

自由になったんだから故郷に帰るかと思ったんだけど。


「帰ってもねぇ……色々噂になるだけだしね。

メイドの仕事を仕込まれたしココで働いてもイイってアナタの親御さん達に

言われたし暫くお世話になることにしたんだけど……」


けど? けどってなんだよ? 


「結婚してほしいのよ」


……まさかソッチからプロポーズされるとは思わなかった。

プロポーズってやっぱり男からするべきなよな……スマン。

オレでも構わないってコトならオッケーだ! 結婚してくれ! 


「あー、私と結婚してくれる気があったんだ……

嬉しいわね。

私もオッケーするわ。

でも、結婚して欲しいのは実は私じゃあないのよ。

ロゼなの」


ロゼ?! 

お前にプロポーズしてるのに何故ロゼと? 


「あの子……妊娠してるのよ。

相手が相手だから結婚を迫るって訳にも行かないし。

未婚で産む人が居ないわけじゃないけど変な目で見られかねないから」


相手が相手って……誰なんだよ。

まさかギリィ様だとか? 


「ケンジ君だって言ってるのよ。

もう帰っちゃったから連絡なんか取れないし。

養育費を出せって言いに行けるわけもないしねぇ」


避妊の魔法について奴隷商にちゃんと習ってたハズなんだがどうやらケンジの

レベルが高すぎて並の魔法じゃあ弾かれてしまったらしい。

いつだったのか聞いたら最後の夜に酔っ払って寝ていたケンジの所に突撃したと。


「奴隷商人さんに言われて行ったときにていよく断られちゃったんだけどベルは

ちゃんとお役目を果たしてきたからなんか後ろめたくって……

それに彼って優しくて紳士だったのよ。

帰るって分かったらなんだかあのまま帰って欲しくなくなってしまって」


あー、コイツは思い出が欲しいとか言うやつだったんだな。

名前だけの亭主になるのは簡単だし女房が二人居ても別に咎める奴なんか居ない。

養育費はアイツが奴隷だったコイツラの解放のために置いてった金がある。

一人どころか十人いても困るわけもないやな。


こうしてオレは結婚した。

事情は親どもにも話したんだが親父は

「やっぱり2人とも嫁だったんだな(笑。)」

なんて言いやがった。ちくせう。


ケンジめ! 帰ったくせに面倒かけやがって!! 

もう来るコトなんて無いだろうけど……来たら一発殴ったる!!!

霜の巨人・北欧神話の巨人。超人的な強さをもつ、大自然の精霊の集団の一員。

アース神族とヴァン神族とは反する立場にあるといわれている。

ガングはアルヴァルディの息子でスィアチとイジの兄弟が居る。(ウィキペディア)

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