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74・見張り。

 ロゼとベルの解放話はスムーズに進んだ。


「君たちには色々面倒を掛けたし今度のスタンピードも依頼もしてないのに

解決してくれたからね。

無料で君に譲るから開放してやってくれたまえ。

あー、そのまま嫁にもらってくれても文句は言わないよ(笑)」


ギリィ様の言葉に公爵も脳筋勇者もクスクス笑ってやがる。

なんでオレとベルのことを公爵まで知ってるんだ? 

脳筋勇者かギリィ様がバラしたのか? ちくせう。


「君に引き受けて欲しいのはソコで笑ってる脳筋勇者の見張りだよ」


見張り? コイツって見張っとかないとイケナイ奴なんですかね? 


「今回のスタンピードについての報告書を見た新王がね……

勇者に不安を抱いてしまったんだ。

異世界の勇者達が手伝ってくれたとはいえ、あっという間に街の戦力を掌握して

事態を収めてしまったからね。


コイツが王政に影響があるコトに興味があるとは私は思っていない。

だが即位されたばかりの新王には何もかもが不安の種なんだよ。


見張りを付けて現在地が分かれば対応は簡単ですと報告できる。

兵士の身分のままソイツの従者をやってくれればイイよ」


勇者はソレでイイと言う。

オレなんかがくっついてたら迷惑じゃあないのか? 


「ケンジは仲間と帰っちまうしアノ迷宮も暫くは閉じてしまうそうだからな。

お前が居れば少しは退屈しのぎぐらいにはなるんじゃないかと思うゾ」


それって従者じゃなくてオモチャだろ! 

まあ、コイツもケンジが帰っちまうのが寂しいのかもな。

引き受けることにした。

定期連絡を入れればあとはほとんど自由で脳筋とパーティを組んでギルドの仕事を

しててもイイそうだ。

ガリィ様が気にしてくれてたのでソチラにも連絡しておいてもらうことにした。



 ケンジは公爵やギリィ様達に挨拶して明日には自分の世界に帰ると言う。

なので実家の宿でお別れパーティをすることにした。

食堂を貸し切りということにしてケンジの仲間とロゼとベルとアリィ、

脳筋勇者のパーティも呼んで宴会となった。

ハゲのギルはなんか肩身が狭そうにしてたがちゃっかり隅に潜り込んでいる。


親父とお袋、そうしてベルとロゼも手伝ったようで普段出さないような手の込んだ

料理まで並んでいる。


「おー! 唐揚げまであるじゃん! 

揚げ物のある世界って少ないんだよね。

油も脂も貴重品だったりするし揚げる料理自体が無かったりするからね」


「ケンジ君に教わってココでもできるんじゃないかと色々頑張ったんだよ。

コノ肉って煮ても焼いてもパサパサになっちゃうんで人気が無いヤツなんだけど

揚げたら水分が衣で逃げないせいか予想外にジューシィに……」


親父はノリノリで料理自慢なんかを始めたが皆聞くより食い気に取り憑かれてた。

ケンジの仲間は未成年は酒は飲まないというルールがあるそうで果実水だった。

でも酔っ払った脳筋がケンジのコップを自分のと取り替えやがったようで

気が付いたらケンジが潰れてた。

まあ、この程度じゃ死ぬわけも無いから部屋のベットに放り込んだ。



 次の日ケンジ達は神殿の一室に浮かび上がった魔方陣で帰って行った。

最後に脳筋勇者に挨拶したケンジは殴られた! 


「最強さんだなんてこのメンバーの前で呼ぶんじゃねぇ!!! 

何度も教えただろ!! オレの名前はガングだ!!!」

 

あー、脳筋勇者コイツってそんな名前だったんだ……(汗。)

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