73・解放。
オレは闘技場の警備兵だった。
闘技場の責任者に目の敵にされてクビになった。
まあ、奴隷になってたケンジを買ったせいだったんだが。
「前任の代官によると君は一旦クビということになったんだが闘技場の責任者は
王のお達しを守らなかった。
オマケに国庫に入れた残りを自分のポケットに入れてしまったんだそうだ。
まあ、捕縛の上で闘技場で闘士をするということになってるんだよ。
君についてはクビは撤回の上で連絡がつくまで休職って扱いになってる」
連絡ねぇ。
まあ、実家も最近まで宿の営業を休んでたし連絡がとれなかったとしても
無理ないか……
復帰って今すぐじゃないといけませんかね?
「あー、別に気にしなくてもイイと思うよ。
連絡が取れたんだから今すぐ復帰してくれても構わないんだがケンジ君たちの
こともあるから忙しいだろうし。
まあ、できたら早めに連絡してくれたら嬉しいな」
そうして国庫に入れられた残りはケンジの所に戻ってきた。
でもアイツは要らないと言う。
お前の持ってた銀のインゴットの分くらいは持って行けよ。
「はい、そうですね。
持ってた分は引き取ります。
でも残りの分でして欲しいことがあるんですけど」
半分でも大金なのにそんなんで何をしろってんだ?
「ロゼとベルを奴隷から解放したいです。
ギリィ様が娼婦扱いも奴隷扱いもされてないのは分かってるんですけどやっぱり
オレ達の国では奴隷は違法なんですよ。
ココの制度に口出しなんかできませんけど彼女たちだけでも自由したいです」
そうか、だけどなんで自分でやらないんだ?
喜ぶと思うけどな。
「以前そういうことを話したら遠慮されたんです。
オレ、ココの人間じゃないですし……レオさんならそんな遠慮とかされずに
素直に自由になるのを受け入れてくれると思うんですよ」
う~ん、コイツもか。
まったくなんでドイツもコイツもオレに色々頼みたがるんだろうなぁ。
まあイイか。そんなに難しい事でも無いしギリィ様なら交渉もしやすいだろう。
引き受けることにした。
王都へはアリィが転移で運んでくれた。
コイツはまた魔力が上がったらしい。
何の問題も無くケンジの仲間とオレ達を運んじまったよ。
オレの実家に皆を泊めた。
次の日にギリィ様や公爵のバリィ様に挨拶と言うことになった。
ケンジの仲間たちはその間に王都の見物をするという。
コイツらの所とくらべてどうなのかね?
この世界じゃあコレでも有数の大都市のうちに入るんだが。
バリィ様はオレの身の振り方について提案が有ると言う。
な、なんか笑顔がコワイですよ、公爵。
まさかまた何処かに飛ばそうなんて思ってませんよね?




