68・警報。
首輪の魔術師は妹のキティのことで脳筋勇者とモメた。
ヤツに勝てる闘士を異世界から禁術で召喚したんだそうだ。
その数なんと三十人。
チビドラゴンの相棒はその中の一人で見事に脳筋勇者を伸してみせた。
でもその召還は世界に穴を開けてたんだと。
結局魔術師は神さまに叱られて首輪付きに。
キティと勇者は無事に結婚の運びとなったとか。
ふーん、仲人になったようなもんか。
「ダチがお世話になったようでありがとうございます。
アイツは幼馴染みなんですよ。
師匠の弟子の中じゃあ結構上位なヤツなんで邪龍の呪いがかかってても
ソレナリだったと思うんですけど?」
「世話になったのはコッチかもなぁ。
オカゲでなかなか楽しかったぜ。
まあ、退屈してたんで相手をしてもらって良かったよ。
あ! アノ特訓コースは良かった。上級にまだ手こずってるんだがな。
世話をしてたのはソッチのレオだ。一緒に旅とかもしてたしな」
いきなりコッチに振ってきたんでギクッとした。
まあ、ココの常識はゼロだったんで放っても置けなかっただけなんだよ。
金を貸してもらったり、親の病気を治してもらったりで世話になったのは
コッチだったりするんだが。
「アイツ、一人で異世界に行ったなんてのは初めてなんですよ。
大体ダチどもが一緒でしたからね。
記憶まで無くしてもなんとか生きてられたのは皆さんのオカゲでしょう。
ありがとうございました」
コイツはやけに落ち着いてる雰囲気だな。
同じくらいの歳に見えるのにケンジよりずっと大人な雰囲気なのはなぜだろう?。
ケンジは迎えに来た仲間に囲まれて嬉しそうだ。
アレコレと思い出せたかどうかを確認されている。
スタンピードはコレで解決ってコトでイイだろうな。
この城壁は勇者の魔力で起動したんだが元に戻せるのかね?
まあ、これだけ勇者が揃ってれば魔力が足りないってコトは無いだろうけど。
コレで終だと思ったのはオレだけじゃあ無かったようで代官のガリィ様以下
ココの街の連中もホッとしたようで気が抜けた顔をしていた。
でもな、終じゃあ無かったんだ。
砦の連中を救出した時にケンジは索敵の魔道具をダンジョンの周辺の監視用に
置いてきた。
ソレが警報を発したんだ。
全部片付いたと思った頃現れたソイツラはオーガだった。
しかも上位種なようだったが記録で見たことの有る上位種とは違う色をしていた。
黒にも見える濃い紫色のオーガ……脳筋勇者でさえ見たことも無いと言う。
ケンジの仲間の勇者達まで顔色が変わっていた。




