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65・土管。

岩の荒野から魔物の群れが現れたのはオレ達が街に戻ってからだった。

あっという間に荒野と城壁の間は魔物に覆い尽くされた。

だが荒野の出口当たりに大きな落とし穴が出現する。

コレは魔力で起動する代物で穴というより堀と言ってイイと思う。


もちろん落ちた魔物も相当な数だったようだ。

そうして堀はまだ荒野に居る魔物と城壁の前の魔物を分断した。


城壁と荒野の間は微妙な角度の坂になっていた。

コレはケンジの指示で街の魔術師達がやった細工だ。

ケンジはあの山の上の城壁にトンネルを造ったときにくり抜いた土を使って

大きな土管を錬成した。

そうして土管ソレは魔物どもに向かって勢いよく転がっていった。


脳筋勇者はケンジが城壁に開けた門から街の兵士や闘士、冒険者達を率いて

殲滅戦を繰り広げた。

魔物は土管攻撃で死んだり負傷したりしていたので予想よりもスムーズに仕事が

捗ったようだ。


迷宮の中だと魔物は死ねば実体を保てずに雲散霧消する。魔石コアが残るだけだ。

地上に溢れるとどうなるかというと地上の物を口にしたかどうかで違うそうだ。

何も口に入れていなければ消えてしまう。

何か口にしていると死んでも消えずに実体化したままだそうだ。

押し寄せた魔物のほとんどが消えた五五分の一くらいが実体が残って居た。


転がっていった土管は堀に落ちた。

そうして堀に落ちた魔物を埋めてしまった。

堀が土管で半分ほど埋まったので荒野に残って居た次の魔物が押し寄せてくる。

脳筋勇者達は城壁内に撤退した。

ケンジは逃げ遅れた連中を絨毯から魔力のヒモを使って回収した。

やっぱりアノヒモって便利だねぇ。


だが落とし穴な堀は一つじゃあ無かったんだな、コレが。

日暮れまでに三度魔物達は押し寄せたがほとんど殲滅できたと思う。

荒野に向かって逃げ出すヤツまででてきたからな。


だが偵察の魔道具で見た限りまだ半分と言ったところだろう。

まだまだ続くのか……コレが。

と思ったところで妙なモノが荒野の向こうから出現した。


ソレにオレ達は見覚えが有ったんだ。


青とも緑ともつかない色合いの……ケンジの頭上で爆発したアノ玉だったんだ! 

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