60・お土産。
ロゼとベルの土産の買い物のはずがなぜか養父になったギリィ様の一家にまで
山ほどあれやこれやと買い込むアリィにあきれたね。
物で相手の機嫌をとろうってのは悪手な気がするんだが。
『買い物はほとんどパーティの連中がやってくれてたんだ。
オレはひたすら腕を磨かされてたんだよ。
勇者だって分かる前は孤児仲間たちと普通に街の隅々まで回って遊んだり買い物を
したりしてたからね。
久しぶりで楽しくて買いすぎちゃった。
まあ、ギリィお父さん達にってのは言い訳みたいなもんだよ。
でもお土産を買って帰る相手が居るってのはうれしいな。
ところでレオさんはベルにはなにも買ってあげないの?
嫁認定しちゃったのに(笑。)』
よ、嫁じゃねーよ!
認定って、親どもが勝手にしてるだけだ!
『えー、キティさんが来た時、「ソレはオレの嫁で!」って言ってたのにぃ?』
あ、あれはキティがコワイ笑顔をしてたから!
『まあ、嫁さんでなくてもお土産もらったらベルも嬉しいと思うけど?』
そ、そうかな?
ってケンジ……お前、なにしてるんだ? 土産なんて誰に買うんだよ?!
「あー、アリィがロゼとベルにお土産買ってたからオレもロゼにと思って。
ココでオレからの土産をもらってくれそうなのってロゼくらいなんで。
コレとコッチのとどっちがイイですかね?」
髪飾りか……ロゼならソッチだろうな……ベルならコッチの方が……
『はーい! 決まったね。
お姉さん! コレとソレとコッチとソッチもお願いしまーす。
あ! 支払いは自分でしてね。
オレの分まで払えとは言わないからさ』
当たりぇぇだ! この野郎!
なんかうまいこと買わせちまいやがって!
まあいいか……せっかくだから親どもにもココの名物なんか買っていこうかね。
闘技場の街からは土産なんて買ってこなかったことだしな。
山ほどの土産を持たされたギルは四苦八苦していた。
アリィ、お前アイテムボックスの魔法はできないのか?
『……やったことない……』
そうか……まあ、アノ脳筋勇者もできなかったから気にすんな。
ソコのケンジ大先生が勇者なら大抵はできるって言ってたから習ってみろよ。
ちなみにオレは容量が少ないけどできるゾ!
脳筋勇者だって今はもうできるからな。
ということで早速ケンジに習っていた。
脳筋勇者より簡単にできるようになってたよ。
赤ん坊でも勇者なだけはあるようで容量が脳筋勇者より多いのには驚かされたね。
ギル、よかったな。荷物持ちはお役御免らぃゾ。
『前世でコレができてればアノ邪龍から逃げられたかもしれないね。
だって魔道具でも武器でも入れ放題なんだもん。
最後は聖剣まで折られちゃったんだ。
予備はナマクラな数打ちしか残ってなかったからキツかったよ』
なんだってそんなのを持って行ったんだ?
『勇者認定されたときに育ててくれた孤児院の院長が餞別にってくれたんだよ。
親みたいなもんだったから捨てるに捨てらんなくて。
でもなんとかソイツを邪龍に突き立てたんだ。
まあ、ソコまでだったけどね』
そうか、ソレで一巻の終わりだったわけだ。
でもまあ、次があったら今度は山ほどなんでも詰め込んで行くとイイさ。
折角できるようになったんだからな。
買い物も済んだので王都に帰還した。
結局一日で依頼は済んでしまった。
ギルマスもギリィ様もあきれてた。
まあ、コイツらが普通な訳もないんだがな。
「歯ごたえが全然なかった。勝手に爆発して勝手に魔石の山を残してった。
変としか言いようがないが面白くもなんともなかった。
なんとかもっと歯ごたえの有る依頼を探してくれよ」
あー……ギルマスも気の毒に。
そんな依頼ばっかり有るわけもないんだがなぁ。
結局ギルマスは他国にまで問い合わせをさせられることになった。
脳筋勇者と付き合うってのはどーやらこういうコトらしい。
土産をベルに渡したら
「アリィのほうがセンスが良いわね(笑。)」と言われた。
くっそう! 王都でならもっとイイのが並んでたハズだ!
領都でもやっぱり田舎なんだからそんなにセンスのイイ物ばっかりの訳がない!
今度は王都で買うことにしよう! うん! そうしよう!
お土産の意味が頭から飛んでるレオさんなのでした(笑。)




