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54・チェリー。

結局、親までグルになってオレをからかってやがった。ちくせう。


「いやあ、お前をこんな可愛いお嬢さんが訪ねてくるなんて驚いちまってなぁ。

子供が一緒だったからまさかと思いつつツイ疑っちまったんだ。

なのでちょっとハライセにお前をからかってみようと……な」


『だって何にも言わないでギルドの依頼に行っちゃうんだもん。

ちょっと冗談言いたくなっても仕方ないと思わない?』


索敵でドコに居るか分かるんだから覗きにくるなんて簡単だったろうに。


『ベル(文句娘)が一緒なのにそんな危ないことできるわけ無いじゃん。

それに気付いたときは昼寝の時間だったんだ。

起きたらもう帰ってくるみたいだったし。

そんなにムキになって怒るなんて思わなかったよ。

もしかして子供が欲しいとか?』


バッ! バカ! そんなこと言うんじゃねえ! 

子供が欲しいのはオレじゃなくてソコの親どもなんだ。

オレが宿屋を継ごうとしないんで孫が居れば……って思ってるようだからな。


「オーイ、聞こえてるぞー。(笑。)

まあ、お前が宿を継いでなかったから今回の病気もなんとか乗り越えられたような

ものだしなぁ。

別に今すぐ宿屋を継げとは言わないし言えないよ。

でも、孫は欲しいな。

そろそろ嫁をもらうことくらいは考えてもいいと思うが?」


……そんなこと突然言われても……


「お前が思ってるほど急いでるわけじゃあないさ。

これからそういうことも少しは考えて欲しいって言ってるだけだ。

街の警備兵を辞めたんだからこの先のことを色々考えてるんだろうと思ってな」


スンマセン……なんも考えてなかったよ。

冒険者の依頼だってケンジに借金があるんで受けただけで……

まあ、ソレを返すまでは冒険者をしようと思ってるんだけど。


「ケンジ君には病気を治してもらったしなぁ。

金まで貸してもらってたのか……こりゃあ足を向けて寝られんな」


もう大分返したんだよ。

あと二・三回脳筋勇者に付いていけばなんとかなると思う。


「そうか……ところで嫁の候補なんてのは居ないのか? 

……まさかソッチのことは経験無いとか言わないよな?」


「へぇ~、偉そうに色々吠えてるのにまさかチェリーだったとは知らなんだ。

ケンジだったら分かるがお前がなぁ(笑。)」


なに言ってんだ! この脳筋勇者め! 

自分が結婚してるからって威張ってんじゃねぇ! 

オ、オレはちゃんと一人前の男だゾ! 

ケンジだってそうだゾ! 


「あー、オレまだ経験無いっすよ。

オレんトコじゃあまだオレはガキなんでそういうのは自主規制中なんです。

相手に責任とれませんし記憶も戻ってないんでそう言うのは避けてますから」


え?! お前オークションがあるって街でアノ奴隷商人から夜のお相手を

面倒見てもらったんじゃなかったのか? 


「あー、彼女、来ましたけど話だけして帰ってもらいました。

友達ですからそういうのってやっぱり……ねぇ。

恋人だったらそーいうこともあったかもしれませんけど。」


思わず文句娘、ベルを振り返ってしまった。

ソレだけでオレ達にそういうコトがあったのがバレた! 


そうしてなぜかベルは親どもに嫁認定されたのだった。

……どうしてこうなるんだよぉぉぉ……

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