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53・荷物持ち。

 ツルッパゲ野郎のパーティはギルドからデカスライムの調査の依頼を受けた。

その前の依頼で負傷者が出たので今回は軽い仕事にしたつもりだったそうだ。

取り込まれたヤツを助けようとして次々と捕まってしまいあのザマだったと

ヤツは自嘲してた。


仲間のコトについてはパーティを組んだときに万が一の時のことが決めてあった

ということでソレに沿って始末はできたそうだ。

まあ、そういうことをあらかじめ決めとく連中は多い。

危険がつきものな仕事だからな。


一人になってしまったので何処かのパーティにと思って打診をしてみたけど

OKを出してくれるところが無かったんだそうだ。


「スライムに負けて全員あの世行きだったんでゲンが悪いと言われたんだ。

オレを入れたらまたオレ以外があの世行きになるかもって思ったみたいで。

こんなツルッパゲになっちまったんで目立ち過ぎて別人の振りもできない。

ソロでできるほどの自信は無いんだ。

他のメンバーが強かったからアノレベルのパーティだったし」


あー、結局何が言いたいのかな? 


「体の毛が生えてくるまででイイからパーティに入れて欲しい。

いや、入れてください! どうかよろしくお願いします!」


う~ん、なんでコイツは『オレ』に言うのかね? 

どうみても脳筋勇者が一番の強者だって見れば分かるだろうに。


「えーと……なんでですかね? 

他の人に言うよりアナタに言う方が上手く行きそうな気がしたん……です。

荷物持ちでもなんでもします! どうかどうかお願いします」


赤ん坊勇者のアリィのヤツも同じコトを言ってやがったな……

なんだってタダの元兵士なんかにそんな印象を持っちまうのかねぇ? 


脳筋勇者もケンジも別に拒まなかった。

じきに毛も生えてくるだろうと思ったってこともあるんだがな。

結局仲間に入れてやることになった。

実家の宿屋に居座る冒険者ヤツがまた増えたことになる。


まあ、オレ達のパーティには荷物持ちは必要無いんだけどな。

ケンジのアイテムボックスは容量が不明だがほとんど底なしだもんな。

脳筋勇者はそんなのはやったことが無いみたいだった。


ケンジはなんだか意外だと思ったようで

「勇者ならアイテムボックスって簡単じゃあないかなぁ?」

とかなんとか言いながら手ほどきをしてたよ。

なんだか最初は手こずってたみたいだったけどちゃんとできるようにしたね。


オレ? うん……やってはみたんだけどね……

勇者達ほどの容量にはならなかったよ。

アイテムボックス初心者の脳筋勇者でさえ宿屋一軒分くらいあると言ってたんだ。

オレは魔法は生活魔法がせいぜいだからな……魔力量もしれてるし……

まあ、それでも宿屋の二人部屋くらいの容量はあったよ。

ちょっとは便利かもな。



オレ達が依頼に出かけたのを聞いたアリィは実家の宿屋に押しかけてきてた。

今日の係は文句娘だったんだな。


お前……オレの親どもに何を言ったんだ?!


だから! コイツはオレの子じゃあねぇんだってば! 

文句娘の子でもねぇんだよ! 

いつの間にかオレは「子持ち」になっていた。


アリィーッ! てめぇオレの子だって言い張るんならお仕置きだぞーっ! 

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