49・中二。
神官はサスガに勇者や魔術師よりこういう魔法は上だったようでアリィの急激な
成長は抑えられた。
でも、抑えられただけだけみたいだな。
『なんか一日で一ヶ月分くらい成長してたんだけどアノ神官さんの施術で
一日で一週間くらいな感じになったよ。
まあ、コレでも異常と言えば異常なんだけど』
神託をもらえるのはあと3週間後だからそれまでに1歳くらいに
なっちまうのかも。
まあ、それくらいから歩き出す子は結構いるからロゼ達も乳母車役から
解放されるコトになるだろう。
でも、なんだってこう毎日オレ達の所に転移してくるんだよ!
ギリィ様の別荘で養子の赤ん坊をやってりゃいいのにわざわざ王都まで転移して
オレ達の訓練なんかを見物してるなんてどういうつもりなんだ?
『体は赤ん坊でもオレって一応大人なんだもん。
赤ん坊は寝るのが仕事みたいなもんだけどその他は退屈なんだよ。
大人のオレに子供のオモチャで遊んでろ! なんて言われてもなぁ』
じゃあ絵本でも読んでもらって文字でも覚えてろよ!
言葉はもう覚えたんだろうが文字はまだなんだろ?
『あんまり一遍に覚えちゃってイイものかどうかちょっと不安なんだよ。
色々前世のことを覚えてるのが体と魂のバランスに良くないかも……
なんて言われちゃったからな。
これ以上詰め込んでもイイのか? って思ってさ』
そんなコトを言って……勉強するのがイヤだとか思ってるんじゃないのか?
オイ! なんだって目をそらしてんだよ!
『前世で散々色々詰め込み教育を受けさせられたんだよ。
勉強なんて必要なコトを必要なだけ入れるだけじゃイケナイのかねぇ。
あんなの強制されるくらいならもう一度邪龍と戦うほうがマシだね!』
は~ん……コイツってハッキリいえば勉強ってヤツが嫌いなんだな。
まあ、オレも好きなわけじゃないけど。
大人なお前ならココの文字が分かればもっと色々暇つぶしやら楽しみやら
増えそうだと思うんだがな。
『大人じゃないですぅ~、子供も子供の赤ん坊なんですぅ~♪』
そう言えばお前って前世で死んだときって何歳だったんだ?
結構ベテラン勇者な雰囲気みたいだったが?
『……14。』
14?……ホントに?
『ホントだよ! こんなんで嘘ついてどうすんだよ!
まだなんにもイイコトが無いうちにヤラレちゃったから、もう勇者なんかしないで
ノンビリまったりノンキ人生がしたかったんだよ』
ケンジがクスクス笑ってた。
? なんだ? 何を笑ってるんだ?
「あー、すいません……別にバカにしてるとかじゃないんですけど
14だと中二だなぁ……って思って」
なんだよ、中二って?
ケンジの世界だと教育は義務で権利なんだそうだ。
子供には教育を受ける義務と教育を受ける権利があると言う。
学校の段階が小、中、高、大となってるとかで中までは絶対感のある義務らしい。
その先は各自の志望に沿って勉強を続けるんだそうだ。
そんなにみんな勉強が好きなのかねぇ?
中二は心も体も大人になりかけなので色々とアンバランスな状態の時期なんだと
考えられているんだそうだ。
アンバランスか……確かにその辺のヤツラってのは結構突拍子もないコトを
言ってたりしでかしたり考えてたりするよな。
ん? お前自分の居た所が異世界だったって気づいてたのか?
「あー、ココとは大分違ってる感じだとは思ってましたよ。
でも別の国なのかも……って思ってたんです。
オレくらいの歳だと高に入った辺りだと思います。
成人は二十歳なんで大人だなんて威張れませんけどアリィの前世の世界って
14歳でも成人だったのかい? すごいねぇ」
『……成人……17歳だった』
なんだコイツ……結局死んだときってガキだったんじゃないか!
中身は大人だなんて威張ってたのに。
まあ、そんなガキだったのに邪龍の相手をさせられて一巻の終わりだったなんて
そりゃあ勇者はもうイヤダ! と思っても無理もないよなぁ。
ココはノンビリ勉強してられるヤツは貴族とか金を持ってるヤツだな。
商人たちは必須な計算とか記録のために勉強するが一般人は教会の神官が
片手間にやってる勉強会みたいなもんにガキの時に通うのが普通だ。
オレだってそういうところで文字なんか教わったんだもんな。
養子とはいえギリィ様のトコの子だから多少の勉強は必須だろう。
今は赤ん坊でもじきに家庭教師なんかがつくんだろうな。
ヒヒヒ、目をそらしてられるのも今のうちだぁね。
結局、アリィ君はココの国の文字の勉強を始めたそうです。
お母さんのリリアーナさまにお手紙を書きたいとか言ってます。
まだちょっと早い気もしますけどね。




