48・前世。
アリィはギクッとした顔をした。
『な、なんで分かるんだ?
鑑定なんか使ってなかったしココにはそういう魔道具も置いてないのに……』
「あー、そういうスキルですよ。
相手のステータスが分かります。
敵の能力を感知できるので戦闘には有利でしたね。
先日、ケンジ君が来たときも使ってたんですよ。
神託を勧めたのは我々より神さまのほうがお詳しいだろうと思ったからです。
『異世界の勇者』なんてそうそう居ませんから」
『異世界』って……ケンジってココのヤツじゃなかったのか!?
勇者かもと思わなかったとは言わないけど『異世界』って……
子供にするお伽話なら分かるんだが……
なんであのときには教えてくれなかったんだ?
「三日後には神託を頂けると思いましたからね。
余計なコトは言わない方がイイと思ったんです。
勝手にステータスを覗いてましたし……
ココの世界の他にも世界が存在するなんてことは普通の人は知りません。
知ってても特に生活に関係するわけじゃありませんから気にしなくてイイです。
生まれた世界で頑張って生きるのが神の御心に沿うことだと思います。
まあ、時々彼等のようにイレギュラーな事態に陥る方もいますけどね。
首輪の魔術師は禁術でそのイレギュラーを引き起こしてました。
そりゃあ神さまもお怒りになろうってもんです」
じゃあ、ケンジはどうしたらイイんだろう?。
記憶はまだ戻っていない。
元の世界がドコかも分からない。
アリィはココに転生したんだからこのままココで生きればイイだけだが。
やっぱり神託を頂くのが一番なのかもなぁ。
神官もリンクを切るべく試してみてくれた。
多少なりともリンクを少なくと言うか小さくというかできたんだがやっぱり
切ることはできなかった。
なのでケンジと一緒に一ヶ月後に神託を受けようということになった。
『急いで大人になる必要なんか無いと思うんだよ。
めざせ! ノンビリまったりノンキ人生! なんだ。
前世みたいに戦いまくって挙げ句は邪龍にやられて一巻の終わりなんてのは
もうゴメンなんだよ』
な、なんか結構壮絶だったみたいだな(汗。)
邪龍にやられて一巻の終わり! か。
その邪龍ってどうなったんだ?オマエをやっつけて長生きしてるとか?
『あー、ソッチはもう心配無いよ。
転生の時に気になって神さまに聞いたんだけどアノ世界の管理神が救援要請を
出したんだって言ってた。
他の世界から強い勇者に来てもらって片付けたそうだよ。
オレなんか散々やってもダメだったのに上には上が居るってホントだよな』
それにしても勇者が三人も揃っちまったなんてコトはやっぱりイレギュラーな
コトだよなぁ。
まあ、一人は記憶喪失、一人は赤ん坊、、もう一人は退屈した脳筋野郎だ。
こんなトリオなんてあんまり友達には欲しくない気がするんだが……
もう手遅れだとは気付いてないレオさんなのでした。




