46・育ち過ぎ。
あれから一週間しか経っていない。
確かにアリィは新生児なみだったはずだ。
なのにこの大きさって……どう見ても七ヶ月か八ヶ月くらいだろう。
なんでこんな……
あ! ケンジとのリンクがまだ完全に切れてないって言ってたな。
もしかしてそのせいなのか?
『突然飛んできてスンマセン。
この通り成長が異常なんで困ってるんだよ。なんとかしてぇー!』
そんなこと言われても……
『ケンジ兄ちゃんと繋がっちゃってるんでこうなったんだろうと思うんだよね。
自分でもリンクを切ろうと色々やってみたんだけどダメだったんだよ。
勇者さんとアノ魔術師さんなら出来るんじゃあないかと思って……
このままドンドン育って大人になっちゃうってのは勘弁してほしいんだ。
お願いします!なんとかして下さい!」
それにしてもよくココが分かったな。
『ケンジ兄ちゃんの魔力と気配はなんか独特なんだよね。
王都方面を索敵してみたらすぐ分かっちゃったんだ。
隠密とか隠蔽とか使ってなければ一発で分かるよ』
アノ保養地からココを索敵しただってぇ!
そんなの聞いたことも無いぞ!
普通はできるやつでも徒歩で3時間くらいの距離までだろう。
あそこは馬車でも半日の所なのに……
もう大分重そうなので桶娘からケンジがアリィを受け取った。
彼女まで連れてくる必要があったのか?
『転移はできても歩くにはもうちょっとってところなんだよ。
努力はしてるんだけどね。
なので揺りかご代わりというか乳母車代わりというか
ロゼたちに手伝ってもらってるんだよ』
あー、桶娘ってロゼって名前だったんだ。
えーと、文句娘ってなんて名前だったかな?
おっと、それよりリリアーナ様のお世話はイイのかね?
『彼女はオレが自分の子とは知らない。
抱いてあやしてくれるけどギリィ様の養子ということになってるからね。
他所の家の子供としてなら近づいても平気だと思うよ。
それに彼女はもうじきガリィ様と一緒に彼の任地に行くことになったんだ。
世話係は別の人を向こうで雇うことになったそうだ。
なので彼女達はオレの専属みたいなことになってるんだよ」
贅沢なヤツだな、コイツ。
美女を二人も侍らせてんのかよ……その歳で。
『羨ましがってないでなんとかしてくれるように兄ちゃん達にお願いしてくれよ。
あ! スンマセン、お願いして下さい。このとーりです。』
無理に頭を下げようとすんな! ケンジが落っことしそうになってるじゃねぇか!
だいたい本人に抱っこされてんのになんでオレに言うのかね。
直接ケンジや勇者に言えばイイのに。
『あー、そう言われればそうだよね。
なんかレオさんに言った方が上手くいきそうな気がするんだよ。
なんでかなぁ?』
なんでかな……なんて言われてもなぁ。
ヤレヤレ……なんでこんなガキにまで頼られなきゃイケナイのかね。
まあ、勇者や魔術師に頼むくらいは簡単なことだけどね。




