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閑話・全てを知っているけど秘密厳守な王妃。

王は気付いていたんだろうか? 

側妃に選んだ女性たちがみんなどことなく彼女……リリアに似てることに。

まあ、気付いてないのが本人だけってコトなんてよくあることだけど。


彼女は王都の貴族学園での知り合い、いや友人、いいえ親友だった。

王太子だった彼と早くから婚約していた私を皆一歩下がって接していたのに

彼女は普通に接してくれた。

それがどんなに嬉しいことだったか……


魅力的な女性だったから学園の男子生徒で彼女を無視できた人は居なかった。

アプローチして玉砕した方は数知れずって感じだったわね。


貴族の子弟のみならず王子たちも……王太子まで! 

でも彼女は……男性を愛する人ではなかった。

友情めいた気持ちしか持てないと言っていた。

知っていたのは長いこと彼女の家に仕えていた侍女と私だけだろう。

誰にもそんなことを感じさせない人だったんだけど。


彼女に王太子が暴力で関係を結んだのは私との結婚式が近づいたある日だった。

無理矢理でもそういう仲になれば彼女を側妃としてでも側に置けると考えたのだ。

だが彼女は一番友情を感じていた別の王子と結婚した。

王太子からのプロポーズを敢然と拒否して! 

今は公爵となっているあの人に全部告白して王太子から逃れるために

協力してもらったのだ。


当時の王さまと王妃さまにも内密で話して王太子を抑えてもらったらしい。

妊娠してしまったことも……

最初の子供が側妃の子なのは後に騒動のもとになるかもしれない。

その子が男の子だった場合は特に! 

王さま達もその辺りを懸念したらしい。


彼女は私を愛してくれていたのだろうか? 

一言もそれらしいことは言ってくれなかったけれど。

これから王太子の妻となる私の立場といずれ私が産むであろう子供達のことを

考えてくれていたとしか思えないから……今でも。


王太子の最初の子供は公爵の跡取りとして順調に育っていった。

王になるかもしれなかった最初の子なのに……


騒動を起こしたのは彼ではなく公爵だった。

再婚相手を見て驚いたのは私だけでは無い……王が……

彼女を茶会に招いて警告した。公爵が留守の時は危ないと思って。

でもその帰りを王が狙ってたなんて……


どんな申し入れをしても取り合ってもらえず公爵の要請も無視していた。

結局、公爵は離宮に乗り込んだのだけれど……


死に直面しての心残りがもう亡くなったリリアだっただなんて……

もうとっくに彼女のことは乗り越えていると思っていたのに。

まあ、確かにあのリリアーナは彼女に似過ぎていた。

彼女を知っていた者達は皆一様に動揺したんだから……


王はもう死んでいて次代への引き継ぎのために魔道具を使っていると言った。

そうして最後の時がきた。

私は最後の最後でずっと秘めていたガリィの秘密を王に告げる。


「そうか……疑ったことが無かったとは言わない。

だが子供のことよりやっぱりリリアのことだったからな。

公爵をずっと恨んでたんだが全てを知った上で引き受けてくれていたなら

感謝するべきかもしれないな。


君は私を責めないのか? 

君の立場も愛情も踏みつけにしたようなものなのに」


リリアは親友だったし私のために事態を収めるべく動いてくれた。

彼女を恨む気持ちは無い。

政略的な結婚だったから最初から王に大きな愛情を感じてはいなかった。

長い時間を共に過ごしたので今はそれなりの愛情を感じてはいる。


情熱的な愛は時に暴力的になってしまう。

王がリリアにしてしまったように……相手を傷つけてしまうこともある。

王にもどうしようもなかったと言えば言えるだろう。


結局、王はなにも手に入れられなかったのだ。

リリアも……ガリィも……

リリアーナを捕らえても彼女はリリアではない。

そうしてもうこの世を去らなければならない。

王としての義務は果たしてくれた。

けれど、幸せだったんだろうか……私は少しは彼を幸せにできたんだろうか? 


「全部知っていても側に居てくれた君には感謝している。

後のことはできる限り手配はしたが君には負担が大きくなるかもしれない。

すまないな。


公爵はガリィを勘当するそうだ。

リリアーナとともに居させるためだと言っていた。

少しでいいからガリィの力になってやってもらえないだろうか? 

親としてはアレには何もできなかったし今度のコトで傷付けたことは

間違いないだろうから」


ガリィの秘密が漏れてもソレで騒動は起こらないと思う。

側妃の子ですらないし養父からも勘当されてるのだから。

王領の代官の職が空いているところがあったのでそこに任命することにした。

万が一のことがあっても目の届く所に居させるほうが良いだろうし。


リリアーナとあの子供については何も言わなかったわね。

リリアーナは王からの全てを拒否してるしあの子は生まれたてなのに

中身は大人なんだもの。

王の元に居ることは拒否したし母親には流産したということにしてほしいと

王にも公爵にも言ったそうだし。

なにかあったら公爵が面倒を見てくれるでしょう。

要請があれば私も手助けくらいはできると思うけど。



 息子はこれから王にならなければならない。

私の仕事はこれから彼の補助ということになるでしょう。

息子にはまだ婚約者も決まっていないからふさわしい相手も探さなければ……

まあ候補は何人も挙がってはいるんだけどね。

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