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42・贈り物。

 王は自分で言ってたように一週間後に完璧な死人となった。

その間に事後のことについて色々と手配をしたらしい。

アノ先祖伝来の魔道具は次代への引き継ぎを滞りなく行うための物だそうだ。


公爵夫人は流産の大量出血で亡くなった……ということになった。表向きは。

離婚は内密の内に成立したそうだ。


「神殿にも話を通したんだ。

離婚はほめられたことじゃないし次の相手が元夫の息子なんてのは……ね。

なので公爵は息子のガリィ様を最初の予定通り勘当した。

まあ、彼女の元に行きやすくしたんだよ。


経済的な心配は要らないだろう。

亡き母君リリア様の遺産がかなりあるし王妃さまが同情されたようで王領の

代官に任命して下さるそうだからね。


ケンジ君には感謝だな。

崖から落ちた二人を助けてくれたし流産なんて事態も乗り越えてくれたからね」


「ガリィ様の方が反応が早かったです。

その後もレオさんにど突かれないと動けませんでした。

夫人に回復魔法が効かなくてパニックを起こしかけました。

あの子を助けることができたのは偶然みたいなものですし……

最強さん達が居なかったらあの子もオレもどうなってたか分かりません。

運が良かったんだと思います」


「運が良いのも実力の内だって言うんだがね。

なんとか解決出来て良かったよ。

公爵にはお気の毒なことになったがガリィとリリアーナ様には良かったと思う。


今回のことは全部内密と言うことにしたい。

もちろん報償ははずませてもらうよ」


秘密は秘密。

全ては胸の中に。

報償を増やしてくれなくても言いふらすつもりなんか無い。

もちろんケンジもな。


リリアーナ様はこの保養地にあるギリィ様の別荘に居る。

ガリィ様が訪れてもココなら違和感を持たれることも無い。

公爵の別荘もあるけれどソコだと彼女を隠すのには都合が悪いらしい。

桶娘たちはそのお世話係ということだ。


「召使い達は大抵地縁血縁なんかで雇われるし他家に関係者が雇われてることも

多いんだよ。

つまり雇い主の気付かないネットワークを持ってたりするんだ。

だからそういうのとは関係ない彼女達を買ったんだ。

王から彼女を取り戻したなんてことが広まらないようにね。」


リリアーナ様の実家から付いてきた引退寸前の召使いが一人だけ側に居て

奴隷な彼女達にメイドの仕事を仕込んでいるという。

予定と大分違う仕事をさせられてるのか……

まあ、娼婦とか人質なんかよりずっとマシだと思うけどね。


一つ問題が残っていた。

そう……あのモゾモゾ野郎のことだ。


「結婚している妻が産んだんだから君は法律上は私の子だよ。

たとえ王の子供でも私のものなんだ。

私と一緒に居る気は無いかい?」


公爵はそう言った。

でも息子を勘当したあとだからな。

余計な詮索をするヤツが出ても困るよな。

援助は受けるにしても公爵家の一員になるというのはヤツは遠慮した。

ヤツが公爵に望んだのは名前を付けてもらうことだった。


「前世の記憶が多少残ってるけど全部じゃあないんです。

新しい人生を生きるんだから名前も新しいものにしたい。

ココはオレの前世とは違う世界だからココにふさわしい名前が欲しいです」


まったく赤ん坊のくせに言うことが生意気に響いてしょうがないな。

名前……「親の子供への最初の贈り物」か……

公爵はヤツに「アリィ」という名前を贈った。


「君には高祖父(曾祖父の父)に当たる4代前の王の名前だ。

勇者だったという話が残っている。

勇気を持ってこれからを頑張って生きて欲しい」


「アリィ」はちょっと変な顔をした。

『平穏無事な人生をノンビリ送るってのを希望してココに来たんです。

あんまり頑張るってのは性に合わないんですが。

有り難うございます。勇者になれるかどうかは自信が無いですけど』


公爵はなるほど……という顔をした。

「平穏無事……ね。

平穏無事のために波瀾万丈を乗り切らないとイケナイってこともあると思うよ。

勇気はいつでも必要だ。

たった一歩のためにでも必要だったりするからね」


どこかの孤児院にでも行くのかと思ったらアリィはギリィ様の別荘にまだ居る。

ギリィ様の養子というコトになったそうだ。


『ココならしばらくでも母の様子が分かるしな。

勇者達が遮断してくれたんだが少しケンジ兄ちゃんとリンクがつながってる。

オカゲで側に居ると魔法が使えるみたいなんだ。

公爵からも目の届く所に居るほうがお互い安心安全だと思うしね』


謎生物? な胎児の時でも回復魔法を使いやがったから才能はあるだろうと

思ったんだが……ケンジの側にいると魔法が使えるだってぇ!? 


ケンジ一人でも大事おおごとなのにコイツまで……

なんだか頭痛のしてくるレオさんなのでした。

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