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39・モゾモゾ野郎。

 皆どうしていいのか分からなかった。

そうだ! 回復魔法だ! 

ケンジをど突いて正気に戻して回復魔法をかけさせた。

……でも効かない! ヤバイ! 夫人はオレのオヤジと同じだ! 

回復魔法の効きにくい体質……


あせって魔法をかけ続けるケンジに薬は残ってなかったか? と聞く。

アイテムボックスからボロボロと薬をひきだして飲まそうとしたが

夫人の口は閉じられている。

目覚めたガリィ様に頭を支えてもらって夫人の鼻を摘まんだ。

呼吸を阻害されたせいで開いた口に回復薬を流し込む。


「飲み込まなくても口に含んでくれてるだけで効いてくるハズです。

出血が止まればなんとか助かると思うんですが……」


茫然としてる他の連中に医者を呼ばせた。


その時夫人のお腹の辺りで魔力の光がホワホワという感じでにじむように

包むように光った。

回復魔法だよな、コレ……


出血はソレで治まったようだった。

ケンジはクリーンの魔法を夫人にかけた。

出血量が多かったようでなかなかキレイにならなかったが。


そうして魔力のヒモを変形させて消えてゆく血溜まりからナニカをそっと

拾い上げた。


「君が回復魔法を使ってくれたんだね。お母さんはもう大丈夫だよ。

でも、ゴメンね……オレ、君を助けてあげられないと思う。

回復薬も回復魔法も君を成長させてあげられないんだ。

お母さんから切り離された君の未熟な体はもうそんなには持たないと思う」


ソレはちょっとモゾモゾと動いた。

人の形にはまだなりきれていない小さな胎児……

コレがさっきの回復魔法を使ったって言うのか?! 


「回復魔法は親和性のある間柄あいだがらだと効果が高いことがあるんです。

オレは他人ですがこの子と夫人は親子ですからね。

効いたのはそのせいだと思いますよ」


ケンジは子供を魔力でそうっと優しく包んだ。

そしたら『声』が聞こえた。


『ヤレヤレ……せっかく転生したのにもう終わりとはね。

記憶も消えるハズなのに残ってるしもう一度アノ神さまに会ったら文句の

一つくらい言ってもバチは当たらないよな』


おい……コレって……このモゾモゾ野郎の声なのか? 


『ありゃ? 聞こえるのかよ。

う~ん、この兄ちゃんの魔力のせい……かもな。

確かに気持ちのイイ魔力だ。

死にかけてるならもっと苦しいハズなんだがむしろ気持ちイイもんな』


ケンジの魔力で包まれてるから『声』が聞こえるのか……

でも、早産どころかどうみても流産だからなぁ。

助けるなんて無理……だよな。


どうしてやることも出来ないなんて……と思ってたら突然ケンジが倒れた。

なんだ!? 一体どうしたんだ! 


見ればモゾモゾ野郎が見る間に大きくなって行く。

なっ! なんだこりゃあーっ!!! 


『なんだよコレ! どうなってんだよ! 

兄ちゃん止めろよ! こんなに魔力を流してどうすんだよ! 

体が燃えちゃうよーっ!』


どうやらケンジの魔力がモゾモゾ野郎に急激に流れ込んでるらしい。

でもケンジは気絶中、モゾモゾ野郎にもコントロールは効かないようだ。

だがオレも魔法は生活魔法程度だ。


魔力を自在に扱えるヤツなんて……あ! 居た! 


結局、勇者と首輪付きな魔術師がケンジからモゾモゾ野郎に流れ込む魔力を

遮断してくれた。

ケンジには娘たちに飲ませたアノ薬を飲ませた。

なんとか回復したんでホッとした。


モゾモゾ野郎は何というか……「人」になっていた。

ちょっと小さめな新生児くらいに。


でも、なんかヤだな……コイツ。

念話ができるようで話しかけてくるのはいいんだが口調がねぇ……

ヒネたあんちゃんがしゃべってるとしか思えないんだよ。


「あースンマセンです。

さすがにマッパはキツイんでなんか服の代わりって無いっすかね?」

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