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閑話・三人分の治療費を出さずに済んでホッとしてる奴隷商。

 避妊の魔法はある。

だが性病を、特にアノ性病を防ぐ魔法は今のところ存在しない。

治療は薬か神官の施術だけれどどっちも高くて皆困ってしまう。

だから鑑定の魔法を活用することになる。


今回の娘たちもキチンと鑑定してからの契約だったんだ。

まさか隠蔽の指輪なんかをしてたとは……


あの冒険者の若者は世慣れていない感じはしたが腕も洞察もかなりのものだった。

それにあのとんでもない薬! 鑑定士も驚いていた。


てっきり買い入れたあの娘だけかと思ったら他にも何人か売り飛ばされた娘が

居たそうで呆れたね。

まあ、ああいうヤツは残りの人生のほとんどを奴隷で過ごすことになるだろう。

自業自得とはこのことだね。


あの娘は被害者なんだが契約は契約なのでこのまま娼婦の仕事につくことになる。

気の毒だとは思うがコチラも商売だからなぁ。


アノ薬を分けてもらいたかったんだが断られた。

彼の相棒は

「効き目が良すぎるから変なヤツが寄って来かねない」

と言うし、彼も

「コレはオレの記憶の手がかりなんですよ。

もう残りも少ないんでスミマセンがお断りさせて下さい」と言った。


まあ、記憶が戻ったらなんとかなるかもしれないので出来たらギルドに

売り込んでくれるように頼んだ。


「奴隷商ギルドは保険って無いんですか?」


保険? なんだろう?保険って? 


「ええと……皆でお金を出し合っておいて不測の事態に備えるって契約です。

皆で出すので一人一人の出すお金は少しづつになります。

この場合は性病の治療費を賄うコトが目的ですね。

お金を出した人が全員性病になるなんて事態はそう無いでしょう。

万が一の時のための互助的なモノですね」


予防のためには鑑定するくらいしか今のところ対策が無い。

ソレだってタダってわけじゃあ無いしなぁ。

アノ性病は早ければ金と時間がかかるけれどちゃんと治る。

その金が準備できなくて苦労してるんだ。

コレはいいかもしれない。ギルドで話してみよう。

ギルドの主催なら信用してもらえるだろうし。



 結局「保険」はギルドの主催で会員に提供されることになった。

保険金は治療費全額ではなく半額までだが残りの半額は低利の融資が受けられる。

ギルドの予想以上に加入者が集まって役員は驚いていた。

やっぱり皆万が一の時の心配があったんだな。



 彼等と別れの晩に娘達に夜のお相手をさせることにした。

薬の代金には遠くおよばないとは思ったけどね。


彼等の雇い主に声をかけられた。

酒をすすめられた。

商人だといってたが……どうも違う気がする。

纏っている空気というか雰囲気というか……

まあ、追求してもイイことがあるとは限らない。

藪をつつけば蛇がでてくる可能性は高いからな。


なんで酒なんか勧めてきたのかと思ったら商談だった。

娘たちを買いたいと。

娼婦になる予定の娘たちなんか買ってどうするのかと思ったら


「ケンジ君たちにしてもらいたい仕事があってね。

彼女たちが私の手元にあれば仕事を受けてもらえると思うんだよ。

オークションの予想額より高く買ってもイイんだが?」


やっぱりこの雇い主は商人じゃあないな。

値切ろうとか叩こうとかいうのは最初から考えていないのが見え見えだ。

やっぱり貴族、いやこの雰囲気だと軍人かもしれない。

商人なら駆け引きは当然だがこういう方々は要注意だ。

ヘタにボるととんでもない所でとんでもない仕返しが来たりする。


彼等の部屋から戻ってきた娘たちに一応聞いてみた。

所有者の私の一存で売り渡しても誰からも責められはしないのだが。


オークションの予想額より高く買ってくれるというのが決め手になった。

不特定多数の相手をしなければならない娼婦より専属のほうが気持ち的にも

肉体的にも楽だろうということも。


ココでこの娘たちともお別れだ。彼等とも。

今回の仕事は色々あったが利益はいつも以上に確保できた。

保険についての情報も、アノとんでもない薬のことも今すぐでなくても

きっと我々の利益に結びつくと思う。


あれだけ色々と妙な人物はそういないだろう。

記憶か……自分についての記憶が一番曖昧だなんてのはどうなんだろう。

誰も自分のことを知らない、自分も皆のことを知らないなんてのは……

彼は何も分からないところから始めたってことか。

あの相棒はほっとけなくて付いて回ってるのかもな。


またどこかで会えるだろうか。

その時に彼の記憶が戻っていることでも祈ることにしよう。

ソレは多分我々に利益をもたらしてくれるだろうしね。

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