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4・奴隷紋。

 王都にいるオレのオヤジは病気で動けない。

オマケになぜか回復魔法の効きにくい体質だそうでなかなか治らない。

介護のお袋も最近体調が良くないと言っていたんだが厄介な病気に

かかってたんだそうだ。

魔法薬も回復魔法もタダじゃあない。


効き目にもよるがイイものなら高い。

まあ、当然だな。

何かあったときには連絡してくれるように親族に頼んではおいたんだが

やっぱりお袋の治療には大金がかかると言ってきた。


王都の頃より多少給料が良いとは言ってもオレが大金を持ってるわけも無い。

だから……まあ、アイツは奴隷でそんな大金なんか使うところなんか

無いと思ったんだよ。


それでも黙ってるわけにはいかないと思ったんだ。


あー……怒ったね。

「貸せと言われれば貸さなかったかもしれませんが一応は考えたと思う。

無断ってのは何故なんです? 

オレは今奴隷ですけどアナタの奴隷じゃあないんですよ。

ちゃんと手数料だって払ってたのに」


スマン……金を貸してくれるヤツが居なかったんだ。

オレもココに来てまだそんなに経って無くてな。

商人達にもまだ信用が無かったんだ。


ケンジはため息を一つつくとオレの手を握った。

手のひら側では無く甲の側を。

なんだ? と思ったら焼けるような痛みが来た。

なにか小さな紋のようなモノが付いていた。

なんなんだ!? コレは! 


「ココって奴隷紋は無いみたいですね。

ソレはこの首輪と同じですよ。

オレの金を返してくれたら消してあげます。

それまではオレの奴隷をやってもらいますよ。

一応、他の人には見えないようにしといたほうがいいかな」


そう言うとオレの手に何かの魔法をかけた。

そうしたら紋は見えなくなった。


「隠蔽しときましたから気にしなくてイイですよ。

もうオレの金には手を出さないでくださいね」


奴隷って……奴隷はお前だろ! 

なんでオレが奴隷なんだ! 

思わず詰め寄ったらしびれるような痛みが来た。


「懲罰機能があるんですよ、ソレ。

一応威力は最低なんですけどね。

今朝は浄化の魔法が使えるように成ってたんで自分に掛けたら

使える魔法が増えちゃったんです。

オレのこういうことは秘密にしといてくださいよ」


言えない……あんな懲罰がくるなんて。


奴隷の奴隷になったのか……オレは……


金を返せば消すと言ってたがホントに消してくれるんだろうか……

返すとしたらどうすれば……


兵士さんの悩みは深いのでした。

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