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33・脳天気。

 一応王都の少し手前で絨毯を降りた。

「このまま絨毯でも行けますよ」とケンジは言ったが不法侵入はギリィ様が

止めてくれた。

護衛の傷男が先に行って馬車を整えてきた。

そのままギリィ様の屋敷に行く。


[あの方はもう準備が整っているようだ。もうじき行動を起こされるだろう。

ガリィと連絡を取ってどうするか決めたい。ココで待機していてほしい」


ということでヒマな待機だ。

でもケンジに特訓を強要されてまーす。

ココに来るまでも夜明けくらいから基礎訓練だというメニューをケンジ大先生に

つきあわされている。

オレって兵士だったから訓練は当然だと思ってたんだけど……

アイツは初心者用だって言うんだよなぁ……アレで。


仕上げにさせられる模擬戦……もう何度「死んだ!」と確信させられたことか……

なにしろ最強闘士を相手に30分持ったヤツだもんな。

オレが持ってた自信なんぞ粉微塵に砕いてくれたよ……ハハハ。


「レオさん、大分イイ線いってますよ。

期間が短いのにオレの予想より強くなってますもんね。

最初の頃より回復魔法を使う回数も減ってきてますし」


褒められてんのかね? でも相変わらず槍なんだよね。

剣で相手をされたら模擬戦にもならないんだろうなぁ。


傷男と相棒の護衛コンビも待機なのでヒマだったようだ。

オレ達の訓練に興味を持ったようでのぞいてたんだけど結局つきあってくれたよ。


「あー……シランプリしとけばよかったかもなぁ。

アイツ、アノ若さでなんであんなに強いんだ? 

魔法だけかと思ってたんだけど。」


魔法より剣とか槍のほうが好きだって言ってたよな。


「アレで魔法がオマケみたいなことを言われてもなぁ……

アノ絨毯だって他のヤツじゃあ動かなかったようだし。

一体アイツの正体ってなんなんだ?」


ソレが分からないんで王都ここの神殿で高位の神官に診てもらうつもり

だったんですよ。

本人が一番気にしてるし困ってるんです。


「自分がドコの誰か分からないにしてはノンキに見えるよな。

普通のヤツならもっと不安に駆られるもんだと思うんだが……

強いとそういうのもなんとかなると思うもんなのかね?」


あー……確かに脳天気なヤツだと思うよな。

仲間とか家族とかが絶対見つけてくれると思ってるのかもしれない。


仲間か……アイツの仲間……アイツみたいに規格外な連中がゾロゾロ……

な、なんか想像したらイケナイ気がしてくるんだが……



そうこうしている内にガリィ様とギリィ様がどうするのかが決まっていた。

目的はガリィ様の父君の妻、つまり公爵夫人の救出だった。


失敗したら首が胴体からサヨナラしそうだな……

なにしろ目的地は王の離宮だそうだから。

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