31・内部事情。
指揮官氏はケンジが散雷の魔法で残した十人程の中から
臨時の指揮官を選んだ。
そうして回復次第平常任務に戻るように指示した。
彼はオレ達に付いてくると言う。
「あの方は部隊は必要ないと言われました。
ですが私は……ご助力がしたいんです。
ガリィ様を引き留めることには失敗しましたが」
偽商人なガリィ様は偽ガリィ様でホントの名前はギリィ様だそうだ。
お家騒動でもやってんのかね?
「君たちは詳細を聞かないのかね?」
聞いても無駄って気がしますけどねぇ。
貴族家の内部事情をド平民が聞いたところでイイことが有るとも思えませんよ。
ヘタをすれば口封じされるのがオチですね。
できたらタダの護衛ってことで蚊帳の外ってことにしといてもらえませんかね?。
「そう言われると聞いてほしい気がしてくるなぁ。
言わなくても多少の推測くらいはできてると思うんだがね」
「お聞きしたら護衛の任務にイイことがあるならお聞きしますが……
もう囮はお役御免だっておっしゃってましたよね。
オレ達もお役御免じゃあないんですか?」
ケンジの言うことももっともだ。
だが、本物のガリィ様の親はココの領地の主だって言っていた。
ソイツは先王の王子の一人だった公爵のはずだ。
そんな身分なのに爵位を返上して息子まで勘当するなんて焦臭さいなんて
もんじゃあないな。
「王都までって約束だったはずだがね。
まあ、私たちにはもう危険はほとんど無いと思う。
だが、ガリィとあの方は何が起こってるかは分からない。
できたら戦力になってほしいんだがね」
「わざわざ奴隷の彼女達を連れてきたのはそういう意味なんでしょうか?」
「ん~、まあ、ソレもあるね。
君はあの娘に友人くらいの思い入れはあるんだろう?
あの娘の安全のために引き受けてほしいんだがね」
女達は人質みたいなもんか……
ソレって貴族家のモメ事の戦力になれってことかよ。
できたらそういうのとは離れて居たいんだがな。
「レオさん、すみません。
オレ、あの娘のことはほっとけないです。
危険かもしれませんが引き受けたいです。
アナタだけでもお役御免ということにしてもらいますよ」
コイツ……何言ってんだ!?
ココまで来てオレを放りだそうってか?
オレはまだお前の奴隷なんだ!
勝手なことをされちゃあ困る。
「でもソレはもうイイって言ったでしょう?
納得してくれないから奴隷紋を消してないだけで」
どっちにしても目的地は王都で変わりないんだ。
こんな所で放り出されても困る!
一緒に行くぞ!
貴族なんかにお前をイイようにされたくないしな!




