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30・耐性。

 指揮官氏は土下座したまま動かなかった。

どうすんだ? これ! と思ったら御者が馬車からガリィ様を下ろして来た。


「分かってはいるが一応聞こう。要望は?」


「どうか王都には行かないでいただきたいです。

主人の望みはそれだけでした。

あなたを今度のことに巻き込みたくないと……

爵位すら返上すると言い出されました。

あなたを勘当する手続きもされておられました。

『縁座』を適用されないようにです」


「そうか。だが私はガリィじゃあないんだ。

本物はすでに魔術師と共に王都に着いた頃だと思う」


えっ!? という感じで指揮官氏は顔を上げた。

そうしてガリィ様が本物じゃあないと確認した。


「……そこまで似ておられるということはご一族の方でしょうか?」


「そうだ。少し遠いが一応一族の内だな。

今回の『使い』は少し変だとガリィが言うので王都のあの方の周りに警戒網を

展開しておいたんだ。

事情が分かって帰ろうとしたんだが多分妨害が入るだろうと予想してね。


魔術師は風魔法でガリィを連れて王都に飛んでいった。

自分だけなら早かったろうけど人一人を運ぶのは大変そうだったよ」


「お抱えの魔術師はソコの彼じゃあなかったんですか……」


「運のイイことに君達との最初の接触のときに居合わせたんだ。

冒険者だったので護衛に雇わせてもらった。

ここまでの魔術師だとは思ってなかったがね」


「オカゲでまんまと騙されました。

部下達は魔法を浴びましたが生きてるようですね。

コレは一体どー言う魔法なのかお聞きしても?」


ガリィ様が許可したのでケンジが説明した。


「一時間もすれば動けます。

電撃の魔法を小分けにしてバラ撒きました。

普通の人は電魔法に耐性を持ってませんからね。

それほどの威力でなくても一定時間無力化できるんです」


雷魔法に耐性を持ってるヤツなんて居るんだろうか? 


「そうですねぇ……まあ、勇者ならほとんどが耐性をお持ちだと思いますよ。

雷魔法ができる人でも耐性まで持ってるって人は少ないですね」


勇者ならほとんどがって……勇者ってそんなに居るもんなのか? 

そう言いえばお前は耐性ってあるのかよ? 


「なんか有るみたいなんですよ。

でもどう考えても自分が勇者って気はしないんです。

なんなんですかね? オレって」


まあ、王都で神殿に行ってみればなんか分かるかもな。

知識は多少戻ってきているようでも自分に関するコトはあまり思い出せて

いないらしい。

戻ってきた知識も断片的で決定的なコトまではまだだ。

歯がゆいって言葉そのものだな。


ココの領地は本物のガリィ様の親のものだったそうだ。

なるほど、人数を揃えるのが簡単な訳だ。


オレ達はもう妨害をされることも無く王都に向けて出発した。

そうして人数がまた増えた。

指揮官氏が押しかけるように付いてきたんだ。

「縁座」

重い犯罪について、犯罪人の家族や家人までが罰せられる制度。

奈良時代から行われ、特に江戸時代、武士に対してきびしく適用された。

明治15年(1882)廃止。【goo辞書】

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