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閑話・ケンジ君達にお礼を言えなかったパーティのリーダー。

 毛長熊なんか狩りに来たんじゃあない。

この季節の狙い目は小型の斑点ジカだ。

なぜかこの季節になると普段は地味な茶色の毛に白い斑点が入る。

こういうのは子供の時に出てる獣が多いんだがなぜかコイツは成獣なのに

ポチポチと入ってオシャレな貴族の奥方なんかに人気だそうだ。


でも毛長熊も悪くはない。

毛は長すぎるくらいだが肉が人気なんだ。

追い詰めてなんとか仕留めたが仕留めたことで気が抜けたんだと思う。

オークどもに接近されてたのに気がつかなかったなんてな。

しかも五頭……いや六頭か……


毛長熊は惜しいがこのメンバーでオークの群れなんかに敵うわけもない。

逃げようとしたんだが……

攻撃を躱しきれないヤツが出てソイツをかばったら……やられた。

もうダメだ! と思ったところで助けが入ったんだ。


成人したてな感じのガキとヒネた感じの若造だった。

若造のバカにした感じの目が気にくわなくて礼より先に文句が出てしまった。

オークどもを瞬殺したようなヤツラなのに。


「助けろ! なんて一言ひとこともいってないゾ! 

あんなオークなんか5頭どころか十頭いたってオレ達の敵じゃあない! 

余計な手出しなんかしやがって!」


こんなことを言えば当然向こうもムカッと来るよな。

できるんならやってみろ! とか、口だけは達者なヤツだ! とか。

ガキの方が回復魔法をかけてきたのは驚いた。

ガキのくせに神官のマネなんかできるなんてな。


だけどガキが言うことにはオークの群れがいるらしい。

五・六頭でも敵わなかったのに四十頭なんて敵うわけもない。


結局ソイツらと街にもどってきた。

毛長熊はバラしてる時間は無いから諦めようと思ったのにガキは

アイテムボックスの魔法が使えるからと街まで運んでくれた。

街の入り口で返してくれたけど若造は「後は自分達で運べよな!」だとさ。


まあ、ここまで来れば運ぶ手段はすぐ手に入る。

二人は礼を言う間も無く行ってしまった。


「なんか一言くらい礼を言った方が良くなかったか?」

パーティの連中も礼を言いそびれてたようだ。

うん、若造はともかくガキには言うべきだったかもな。


ギルドに行ったら大騒ぎになっていた。

群れを見たってベテランが居たんだ。

アイツらの言うことはホントだったんだな。


結局、街をあげての討伐が行われた。

オレ達も参加はしたけど実力がそうあるわけじゃあないから他の連中の後を

ノコノコ付いていっただけみたいなものだった。


連中は目立ってたね。

若造のほうは出しゃばらないように気をつけてたのかフォロー役に徹してた。

実力はかなりのものだと思う。

ガキの方も回復魔法やら回復薬やらもう使いまくりだった。

まあ、投げてた石が魔物のフンだったってのには笑ったがな。


街のエースに気に入られたようで話し込んでたが何を話してたんだろう? 


報奨金がタップリきたからしばらくは焦って仕事をしなくてもラクチンだ。

アイツらは二日ほどで出て行った。

王都でなんだか厄介な呪いを解いてもらうんだそうだ。


結局、連中に助けてもらった礼を言えなかった。

宴会の時に若造が皆に妙な魔法を教えていたが覗いてたオレにも出来たんだ。

コレが便利で便利でなぁ。

コレの礼も言えなかったな。


またこの街に来ないだろうか。

若造はともかくガキの方にはちゃんと礼を言いたいと思ってるんだよ。

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