教会
放課後、祐也と香里はとある所に訪れていた。
そこは人通りが全くなくあるのは目の前のドアだけで当たりは壁に囲まれている。
2人はドアのを開ける。すると、そこには1台の大きめのエレベーターが存在していた。短いく狭い通路を通りそれに2人は乗りこんだ。
エレベーターは3分近く降り続けると停車した。ドアが開くと目の前に広がる光景は外の状態からは想像出来ないものだった。巨大な施設になっているのだ。
すると、どこからか2人を呼ぶ声が聞こえた。
「おう!祐也に香里。」
とても太くて低い声が響き渡る。
2人は声が聞こえてきた方を振り返るとそこにはひ弱いやつならいや、健全な人でも簡単にへし折ってしまいそうな筋肉をしているスキンヘッドの男が立っていた。
「どうも剛さん。」
祐也と香里は丁寧にお辞儀をした。
―彼は岩島剛毅。2人の上司にあたる人だ。基本的に「剛」と呼ばれている。
「これからミーティングする所だから一緒に来い。」
そうに言われて2人はついて行った。
剛毅に連れてかれたところは小さなミーティングルームのような場所だった。そこには2人の男女の姿があった。
1人は、髪型がしっかりセットされていて少しチャラついたイメージを持ってしまうような男性。
もう1人は、大和撫子のような大人の美しさが見るだけで感じ取れる女性だ。
「おっ!やっと来たか祐也に香里ちゃん。」
「別にそこまで待ってないでしょ蓮。」
男の言ったことに祐也は呆れた様子で返しす。
「こんにちは。香里ちゃん。」
「こんにちは朱音さん。」
女の挨拶に笑顔で香里は答えた。
―彼らの名前は男の方が葉山蓮で女の方が暁朱音という。2人は祐也と香里と同じチームに所属するメンバーだ。
―ここにいるメンバー全員は剛毅をリーダー第7班に所属しており、この施設は通称「教会」と呼ばれている組織のもので「教会」とは暗殺稼業をしている組織のことだ。
最近のニュースで報道されている殺人事件は彼らが全てやっていることだ。
そして、祐也と香里若くしてこの世界に入り仕事をずってやって来ている。
「それじゃ、これから次回の作戦について確認する。」
剛毅がそう言うと全員が剛毅の方を向き作戦会議が始まった。
約1時間に渡って会議が行なわれた。
軽く伸びをしてから一息ついた蓮が口を開いた。
「かなり今回の作戦は念密なものだな。」
「確かに今回は大変そうだな。」
蓮の言ったことに対して真剣な顔で祐也は答えた。
「だからといって、気を張りつめすぎると失敗するぞ。」
「その言葉そっくりそのまま返すよ。」
祐也の返答少し動揺するを蓮。
「なに、難しいことを言ってる訳じゃないんだ。いつもの様にやれば成功する。」
剛毅が2人の肩を組み励ますように言った。
3人は自然と笑がこぼれた。
「そういや祐也、博士のところ行かないの。」
いつもの光景に呆れている香里が祐也にそう言った。
「あっそうだった。早く行かないと香里。」
「なんで私まで行くのよ。」
「そんなことは気にしないで。」
2人で揉めていると隣から蓮が割って入ってきた。
「なら、香里ちゃん俺と一緒に何か美味しいものでも食べない?」
「結構です。」
あっさりと蓮は断られた。
そして、そう言って祐也と香里その場を離れた。
施設内を歩く祐也と香里。
香里は不満げな表情をしている。
「どうかした?」
気にかになった祐也は聞いてみた。
「どうかしたって。祐也、あなたに何故か付き添って行くことになっているのが不満なだけ。」
香里は棘のある言い方で返事をする。
「まぁいいじゃん。たまには2人で来てよって言われてるしさ。」
苦笑しながらも祐也は答える。
話をしていると目的地である研究室前に到着した。ドアを開けたるとものすごい物音がした。
そこには資料の山に埋もれているメガネの少年がいた。
「いててて。また整理しなくちゃ。」
2人には全く気づいて無いみたいだ。
「こんにちは、正くん。今博士どこにいるか分かる?」
祐也の問いかけでやっと気づいたらしく驚いた様子でこちらを見ていた。
「あっ、すみません気づかなくて。先生ですか?確か奥の部屋にいたと思います。」
―彼の名は屋代正。博士という人物の助手をしている。
「そっか、ありがとね。」
そう言って研究室の奥に行く。
奥では1人の男性が立っていた。
「どうも、博士。」
祐也の挨拶に男は振り返って喜ばしいそうに挨拶をする。
「やぁ、祐也君それに香里ちゃん。2人で来てくれたんだね。」
―彼の名は薬司良。この研究室の管理者である。「博士」とみんなに呼ばれている。
「君を読んだのは他でもないこれを渡そうと思ってね。」
すると博士は刀のような黒く輝くものを取り出した。
「これは?」
祐也は博士に聞いてみた。
「これはと『紅』言って君の夜月と同等の威力と切れ味を持っている。特徴は刃先が紅く輝いているところだな。」
そう言うと博士は鞘から完全に抜けない程度に抜き刃先を見せた。
その刃先は紅く輝やいていた。まるで血を求めている様に祐也には感じた。
博士は刃先を鞘に収めた。
「『紅』。」
祐也はそう一言呟くと博士から「紅」を受け取った。
その時の祐也の目は鋭く瞳の奥深くで何かが黒く輝いている殺しの目をしていた。
それを近くで見ていた香里は少しの恐怖と不安を感じた。
「ありがと大切に使うよ。行こっか香里。」
「うっ、うん。」
香里は咄嗟に我に返り頷いた。
そして、そのまま2人はその場を去っていった。
その後香里はあの時の祐也は一体なんだったのか本人には聞くことが出来なかった。