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プロローグ 平和な日常の、平和と無縁な話

盾壁ジュンヘキのカルティノを読もうとして頂き、誠に有難う御座います。

初めての作品故に、いろいろと読み辛いと思いますが、それでも温かい目で、かつ公平な目で評価していただけると嬉しいです。

 二十一世紀半ば。


 日本では過激な思想を持った一部の国民が西日本に集結、蜂起ほうきし、内争が勃発ぼっぱつしていた。


 前半は過激派の西日本が優勢であった。当時、日本が得意とするロボットアニメをヒントとして、数々のロボット兵器が西日本で開発、量産されていたことが大きいだろう。それらが地を歩けばコンクリートを砕き、内蔵された無数の兵器で人は原型を失った。


 ゴジラのような怪物が何頭も徘徊するのである。


 ここまでされれば、今まで虫の抵抗だった東日本も『兵器』を使わざるを得なかった。完全平和主義をうたっていた国民にとって、それは苦渋の選択であっただろう。生きたいという意思には抗うことができなかったのだ。


 その結果、一つの機体が生まれた。


 それは、人の形をした核。


 それは、白い天使。


 それは、創造の神。


 雪のように白く、塔のように高く、戦闘機のように空を疾走し、変幻自在の装甲を駆使した変則的な戦い方で西日本から東日本を守った。たった、一機で。


 やがて戦況は変化し、およそ一年に渡る戦争は日本が東西に分断する形で終幕を迎えた。


 多くの犠牲と、境界線に張られた長く巨大な壁を残したこの戦争を、第二の関ヶ原の戦い――日本革命と呼ぶ。


「これはあなたたちがまだ小学生ぐらいの頃の話……そうね、八、九歳ぐらいの頃の話ね」


 コツコツと黒板に小気味いい音を鳴らし終えた若い女教師、春野ハルノカナデは、あごに左手をえて話した。スラスラと俺たちの年齢を逆算できるあたり、相当頭の回転が速いのだろうか、もしくは日本史の先生だけあって、そういうのが得意なのかもしれない。


 梅雨が明け、いよいよ夏本番というこの時期。蒸し蒸しとした午後も、クーラーの効いたこの二年一組の教室では皆快適に授業を受けることができ、ほぼ全員の生徒が黙々と授業を受けていた。ほぼ全員の男子が下心丸出しの血走った眼をしていたが……。


例外といえば後ろで寝息を立てている夢間ユメマノボルというバスケ部キャプテン候補ぐらいだろうか。最近は先輩との世代交代が近く、なにかと苦労しているそうだ。その証拠が、大好きなハルノ先生の授業でぐっすりな点だろう。


 ふと左隣、窓際の席を見ると、そこにも例外が居た。五月に転校してきた少女、美月ミズキアオイ

彼女は体を強ばらせ、教科書代わりのタブレット端末とにらめっこをしていた。その姿が少し不自然で、つい口から息が漏れてしまうと、こちらが見ていることに気がついたアオイはサッと顔を伏せる。考査前にでも少し教えてあげた方がいいかもしれない。


 再び黒板の方に顔を向けると、笑いながら目の座ったハルノ先生がこちらを見ていた。


 彼女は何も言わず、気がつけばいつもの表情に戻っていたが、そこには「何よそ見してんの?」的な意図を感じられた。この先生には裏があるに違いないなと、最後にくだらないことを考えると、再び授業に集中をはじめる。


 が、この授業の内容はどうにも俺自身をネガティブな思考にしてしまうようで、西日本という単語、東日本の開発した機体の話で、つい数ヶ月前に起きたあの事件のことを思い浮かべてしまい、ブルーな気持ちで五時間目を終えた。


 気がつけばあれから三ヶ月の月日が経ち、季節も変わってしまっていた。


お疲れ様でした。

投稿間隔は、PCの調子と投稿者の仕事の都合上により大きく左右されます。

ご了承ください。

何度もうるさいですが、初めてということもあり、非常に読みにくい可能性もあったとは思いますが、次回からも読んでいただければ大変うれしゅうございます。

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