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俺と私は紙一重  作者: ねむ44
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物語の終結と別れ

「柚春ー、そろそろ行くわよー!」

「おう……」


俺はすー、はー、と大きな深呼吸をする。

この国の空気を吸うのも最後だ。


俺と姉ちゃんは、親が働いているアメリカへと発つことになった。

前々から声はかかっていたようで、死んだことになっている俺が、また学校に現れるのも問題。簡単に引っ越しできるほど、金銭的に余裕もない。そこで姉ちゃんがアメリカ行きを決意したようだった。


「やっぱりあんたは柚春じゃないとね。」

「んだよ。柚姫たんかわゆいー! とか言ってたくせに、よく言うよ。」


人波に混じり、俺たちは飛行機に向かって歩き出す。

そのとき、後ろから声がかかった。


「「「「霜北ー!!!!」」」」


寄土、恵、ほたる、日尾。


四人にはかなりお世話になった。だから、全ての事実を伝えたんだ。誰も俺を責めることはなく、事実を事実として受け入れてくれた。


「霜北! またいつか会おう! 絶対だぞ!」

「もちろんだ!」


「霜北くん。私、あなたを忘れない!

霜北くんとの思い出も、柚姫との思い出も、大切に、大切にするよ。」

「ありがとう。俺も忘れないよ!」


「霜北。女装とかしちゃだめだよ。」

「……しないよ? うん。」


「霜北! 私と友達になってくれてありがとう。それだけ。」

「こちらこそだ。これからもよろしく頼む。」


「じゃあ、行ってくるよ!」


寄土と恵は二人肩を並べて笑っていた。

これからも上手くやれよ。応援してるからな。


ほたるは相変わらず、かき氷を食べている。

食べ過ぎで太るなよ。身体を大事にな。


日尾はにこりと微笑んで手を振っていた。

悪いフリをするのはやめとけよ。お前は普通に、真っ当に生きている姿が魅力的だよ。


こんなときぐらい泣いてもいいだろ?


みんなにはみんなの、俺には俺の生活がある。

俺は一時、男と女の狭間に生きていた。


男も女も変わらない。

友達、心の許せる人がいるから頑張れるんだ。


地球はいつも変わらずに廻る。


二つの性の間は、紙一重。

気持ち次第でどうとでもなる、微々たる違いだ。

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