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俺と私は紙一重  作者: ねむ44
13/23

バーサスっ♪

「柚姫。日尾は……日尾だけは敵にまわさないほうがいい。あいつと敵対した子たちの最後はみんな同じ。ショックで不登校になってる。」


下足室前の廊下でほたるに呼び止められた。

日尾が危ない奴だってことは見ててわかるけど、俺はそれを上回るほどの情報を知っている。もちろん、男の頃に収集した。


「大丈夫だよ。私はあんな奴に負けないから。」

「でも…………!」

「私はあいつの性格を叩き直す!

んで、ほたるも日尾の呪縛から解き放って、あいつと友達になるって決めた!」

「危ないよ!」

「大丈夫だって言ってんだろ。俺は人間が生む『格差』が大嫌いなんだよ。みんなが平等に生活できる環境をつくる。だから、ほたるは少しの間待ってて。」


俺は胸を張って歩く。

日尾 紗夜。あいつには絶対に負けない。


「柚姫、俺って言った……よね。」




日尾に指定されたのは、学校からほど近い公園だった。小さなブランコがあるだけの簡素で人気の少ない公園だ。


「へぇ。本当に来たんだ。」


じわりじわりと俺に歩み寄る。


「呼んだのはあなたでしょ?

またまた、二人も子分引き連れたりして。どれだけ自分に自信がないのよ。」


俺の前まで到達し、拳を振り下ろす。


「また暴力。殴ったら終わると思ってる?」


寄土と同じモーションで腕を掴む。

そのまま強く握ってゆくと、少し日尾が顔を歪めた。


「日尾。暴力はやめろよな!

それと化粧も。お前は化粧なんかしなくても十分可愛いと思うぞ。」

「……!?」


あー恥ずかしい!これは、俺が俺だった頃、日尾が女子と喧嘩しているときに俺が日尾に言った言葉だ。何気なく『可愛い』と言ってしまったという、俺史上最大の黒歴史。


日尾は頬を真っ赤に染めて拳を解いた。

同時に腕を解放してやる。


日尾は霜北 柚春のことが好きだった。らしい。

いやいやいや、自慢とかじゃないからな!?


それで、しばらくは化粧も落とし、暴力も振るわずに静かな恋する乙女だった。

だが、柚春が転校……まぁ俺の意識はここにあるんだけども一応転校したってことで。

転校してしまって、再びグレたって感じだ。


「あんた、それどこで知ったの?!

答えなさい言いなさい白状しなさい!」

「日尾。」

「なっ、なによ!」

「私は今から秘密を言う。だから、お前もそんな悪ぶるのやめて。私と、友達になって。」

「……言ってみなさい。」


俺は、小さく口を開いた。

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