面倒な奴らに絡まれて
「うまっ! かき氷うまっ!」
「だよね。私のお気に入りの間食だから。」
あくまで間食、ね。
もきゅもきゅと口を動かすほたる。なんだか小動物的で可愛いんだけど。
「つんつん」
「もきゅもきゅもきゅ」
おー。ほっぺたをつんつんされても全く動じない。つーか、さすが女子。ほっぺた柔らかい♪
「なに?」
「……ほたる、かぁいい。」
シュボッと頬を真っ赤に染めたほたる。
上目遣いで俺を見て震えながら俺に尋ねた。
「か、か、かぁいい?」
「うん。とってもとってもかぁいいよ!」
「うー……」
「きゃー!」
思わず俺はほたるを抱きしめてしまった。
自慢のツインテールも小刻みに震えているのがまた可愛いんだよ。
「ほたる?」
「むー。なに?」
「私と友達になってよ!」
「……もう、友達……でしょ?」
次の休み時間。俺はクラスの素行の悪い女子グループに絡まれていた。
「霜北……だっけ?」
「そうだけど、なに?」
「あんたさー、見た目がいいからって粋がってるでしょ? 正直に話した方が身のためよ?」
なんだこいつら。化粧の仮面を剥いでやろうか?
粋がってる。とか言われたけど全く身に覚えがないことだった。
「粋がってないよ?」
「絶対嘘。キョロキョロキョロキョロして、男に色目使ってるくせにさー……」
「日尾、やめとけ。」
日尾、と呼ばれたこの女から振り下ろされた拳を掴んだのは、女子よりもゴツゴツとした筋肉質の腕。
「寄土……くん!」
「ちっ、なに寄土? こいつの味方なワケ?」
「お前らの目は節穴かよ。お前らみたいにギトギト厚化粧の女子より霜北のほうが可愛いに決まってんだろ。それと、お前らのほうが確実に色目使ってっからな?」
「……もういい!」
逃げるように一団はその場を後にした。
それにしても寄土、今のはかっこよかったな。
「あ、ありがと……」
「おう! あいつらはたちが悪いからな。
一度決めた相手はとことんイジメるような奴らだから気をつけろ。奴らは血の気が多くてすぐに暴力を振るうけど、口喧嘩は弱いから。」
じゃあな。と言って教室から出て行った。
一度決めた相手はとことんイジメる。か。
こりゃ、めんどくさいことに巻き込まれたみたいだな。
背後、教室の一番後ろから視線を感じたので振り向くと、そこには歯を食いしばるほたるの姿があった。




