おばちゃん
「暇だから購買行こ?」
「え。今、食べてたよね?」
「お腹すいてるの。行こ?」
「てか、購買あいてないと思うんだけど……」
ほたるはポケットから財布を取り出し、一枚のカードを取り出して俺に見せつける。
「これ、購買に時間関係なく買いにいける私専用のカード。おばちゃんがくれた。」
「お、おぉ……!」
すげー。そんなに購買行ってるんだな。
「ここ。」
「へぇー、購買ってここかー!」
職員室の隣にある受付窓的な場所が購入口だ。購買の存在は知っていたが、俺の場合は毎朝姉ちゃんが弁当を作ってくれていたのでお世話になったことはない。
「おばちゃん。私、灯仲 ほたるです。」
閉まっているシャッターに向かってほたるは呟く。
すると、すぐに反応があった。
「はーい、今開けまーす!」
がらがらがら。
スムーズな動きで開いた門の隙間から、食欲をそそるいい香りが漂ってきた。
「お弁当、もう食べちゃったの?」
「うん。お腹すいたから食べちゃった。」
昔ながらの割烹着姿で微笑む女性。
この人、どこかで見たような気が…………
「って、校長先生!?」
「あら! 霜北さんじゃないの!」
『購買のおばちゃん=校長先生』
か。それにしても似合ってるなー!
「かき氷のいちごミルクをふたつ。」
「はーい!」
「なかなかがっつり食べるんだね……。」
「? ひとつは柚姫ちゃんの。」
「そ、そうなの?」
「ついて来てくれたのと……」
俯き、わざとらしく財布をいじりながら確かに言った。
「私に話しかけてくれたのの……お礼。」




