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真夜中のお茶会  作者: ねむりねこ
出会い編
60/81

59話 【夢の狭間】

今回は一人称です。

短い…。

 どこかで泣いているような声がする。


 ふわふわとした朧気な意識の底で、微睡みを邪魔するかのような哀しげな声が届く。

 泣いているのは誰?アタシは眠いのに、どうして邪魔をするの?


『ごめんなさい…』


 ごめんって思うなら泣くのをやめて欲しい。

 静かに眠らせて。


『ごめんなさい…――を、許して』


 許すって何?

 何の事?誰の事?


『ごめんなさい、これ以上は――もう、無理なの』


 わからない、わからない。

 何の事なの?

 邪魔をするならわかるように話してよ。

 何が無理なの?


『止めたかった。許されないって知ってた。こんなの、止めて欲しかった』


 何を止めるの?

 何が許されないの?

 ああ、もう。わけがわからないよ。


『時間が無いの。このままじゃ消えてしまう。なんとかしないと――』


 何が消えるの?


『わからないの?――ああ、そうなのね。あなた(・・・)あなた(・・・)である事を知らない』


 知らない?

 うん、アタシはたくさんの事を知らない。でも、それはいけないこと?


あなた(・・・)あなた(・・・)として在る為に、あなたは知らなくちゃいけない』


 何を?

 何も思い出せないアタシが、何を知らなくちゃいけないって言うの?

 ――そう、アタシは何も覚えていない。

 名前も、歳も、住んでいた場所も、両親の顔すら、何一つ覚えていない。

 そんなアタシが知らなくちゃいけない事って、何なの?


『覚えている筈が無い。だって、あなたは――』


 どくん、と。

 ある筈の無い鼓動がひとつ、強く胸に響いた。


 終始哀しげだった声は、最後まで聴き取れずに途切れて消えた。


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