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愛着

作者: 小雨川蛙
掲載日:2026/08/15

 

 ある時、一匹の虫を見つけた。

 ひっくり返って足を必死に動かしていて、あまりにも哀れだから私は元のように戻してやった。

 すると虫ときたら、子供のように私の手に登ってきた。

 それが甘えているようであまりにも可愛くて、私はその虫を飼うことにした。


 ある時、その虫が鳥に食われた。

 手のひらの上に乗せて戯れていたら、飛んできてぱくりと。

 呆然としていると鳥は何を思ったのか、私の手のひらの上に乗り可愛い声で鳴いている。

 もしかしたら餌をもらったのか勘違いしたのかもしれない。

 どうにも情が湧いて私はその鳥を飼うことにした。


 ある時、その鳥がイタチに食われた。

 放し飼いにしていたらぱくりと喉を齧られておしまい。

 虫のことがあったからか、私はふと一つの思いつきをしてイタチを捕まえた。

 イタチは少し怯えていたけれど、私はそのイタチを飼うことにした。

 始めは警戒をしていたけれど、すぐにイタチは私に慣れた。


 ある時、イタチが弱ってしまった。

 そこで私はイタチを野犬に食わせた。

 食わせている間に野犬を私は捕まえて、またそれを飼うことにした。


 虫から鳥へ。

 鳥からイタチへ。

 イタチから犬へ。


 姿は変わったけれど、命は確かに続いている。

 だから私は愛着を持ったのだ。


「これはいい。愛着が湧いた」


 それだけでなく、段々と生き物が私にしっかり懐くようになる。

 虫は何を考えているか分からなかったけれど、犬はもう私に忠誠と愛情をくれる。

 なんて素晴らしいのだろう。


 そして犬が弱ったので別のものに食わせた。

 今度の言葉が通じる。

 これはいい。


 同じ姿だから考えていることもわかる。

 話も通じる。

 なんと嬉しい。


 そして、今。

 それが死にそうなので乞食へそれを食わせた。

 乞食は不思議そうに尋ねてきた。


「これは何の肉ですか」


 私は答えずにっこり笑うばかり。

 やっぱり人が一番いい。

 そう、思いながら


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