表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/58

   ☆55☆


   ☆55☆


 炎華は冷めた表情で、

「デウス・エクス・マキナ。

 それは、これから登場するわ。

 すべての謎は、解かれるためにあるのよ、秋菜」

 秋菜が黙り込む。

 デウス・エクス・マキナとは、

 機械仕掛けの神様、

 という意味で、

 お芝居などで、

 悲劇的で絶望的な状況を、

 無理矢理ハッピーエンドにする。

 という、かなり無茶な神様の事である。

 炎華が、

「パーティで、

 秋菜はコーヒーを春海に持って行ったわね。

 カップは偶然、最後に残った物。

 砂糖は他の部員も使っている。

 コーヒーと砂糖、お菓子を、お盆に乗せて、両手で持っていった。つまり、

 秋菜の両手は完全にふさがっていた」

 秋菜がにこやかに、

「にもかかわらず、コーヒーには毒が入っていた。不思議よね〜。どうやって入れたのかしら? ウフフ」

 炎華は動じない。

「簡単な事よ」

 秋菜が、

「そうかしら?」

 炎華が、

「あらかじめ毒を《付けて》おけばいいのよ」

 秋菜の眉がピクリとあがる。

 炎華が、

「毒は春海の絵筆の柄につけたのよ。

違うかしら? 

 春海は、

 絵を描くのに夢中になると、

 絵筆の《柄》でコーヒーをかき回すクセがあるわ。

 秋菜はそれを利用したのよ」

 秋菜の瞳が見開かれる。

 炎華が続ける。

「秋菜は春海の絵、イーゼル、道具を用意する時に、

 あらかじめ毒を塗っておいた、

 自分の絵筆とすり替えたのよ。

 春海はそれに気づかず、

 絵を書き始めた。

 コーヒーを渡されれば、砂糖を入れて、

 いつも通り、絵筆の《柄》でコーヒーをかき回すわ」

 秋菜が最後の抵抗を試みる。

「毒、毒って言うけど、どんな毒なのよ? 

 そう簡単に、毒なんて手に入るわけないでしょ!」

 語尾が震える。

 炎華は容赦なく、

「それを私に聞くのは、

 お角違いではなくて? 

 秋菜の家は、ウナギ屋なのでしょう。

 ウナギの血に毒が含まれている事は、

 当然、知っているはずでしょ」

 


 




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ