☆5☆
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炎華が校内へ入ろうとすると、警備員に呼び止められた。
なんでも、校内見学は事前に予約を入れて約束を取り付けないと出来ない。とか何とか。
炎華が、
「竜破、この警備員さんを何とかしてちょうだい。私は春海に呼ばれて来たと、日本語で分かりやすく伝えて」
竜破が、
「いや、そんな事を言われてもな。ルールはルールだから、出直すしかないんじゃないか」
炎華が、
「竜破は私を学園から閉め出すって事かしら?」
竜破が、
「いつ俺が閉め出したよ!? そういう手順なんだから、仕方ないだろ」
炎華が、
「竜破がそんなに冷たい男だとは思わなかったわ。今後、二度と私に声を掛けないでちょうだい。十メートル以内に近づくのも禁じるわ。もし、破ったらストーカーとして訴えるから覚悟しなさい」
巡が、
「まったくガッカリよ。最低のストーカーよね」
竜破が狼狽し、
「そこまでヒドく言うのかよ!? 俺は間違ってないだろ!? 正論だろ!? 世の中には曲げられないルールがあるんだよ」
最後は涙声で訴えるが、炎華は容赦なく、
「そこを曲げて何とかするのが男でしょ、情けないわね」
竜破がショゲてるとこへ、三十前後ぐらいの女性がやってきた。
竜破の肩をポンと叩いてニッコリ笑うと、
「話は聞かせてもらったよ。購買のコロッケパン一つで手を打ってやろうじゃないか。どうだ竜破? 悪い話じゃないだろう?」
竜破が極めて嫌そうな表情を顔にみなぎらせ、
「聖職者である学校の先生が生徒にたかっていいんですか?」
女教師が鼻で笑い、
「先生だって腹は減る。腹が減ったらそのぶん食わにゃならない。な、コロッケパン一つで、私のお腹も可愛いらしい女の子の問題も円満解決して、竜破もモテモテだぞ。こんないい話は二度とないぞ。全員、ウィンウィンになれるぞ、 な?」
竜破がげんなりした顔つきで、
「僕には悪魔のささやきのようにしか聞こえませんが? 気のせいでしょうか?」
女教師が大真面目に、
「うむ。間違いなく気のせいだ。気にせずに一歩踏み出す勇気が必要だな。この私、
岡月律華に万事任せておけば、万軍の将を得たも同然! 私を信じろ!」
炎華と巡がジーーーッと事の成り行きを見守っている。
竜破がやけくそのように、
「わかりましたよ! 購買のコロッケパン一つで手を打ちますよ! 炎華の事お願いします!」
炎華が、
「やっと竜破が悪魔に魂を売ったようね。素晴らしい騎士道精神だと思わない? ユキニャン?」
「ニャウン!」
その通り!
と我輩は同意した。




