☆43☆
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春海が、
「破れたなら、また描けばいいだろ。
しょせん、コピーはコピーなんだから。
大量生産してなんぼ、だろ」
冬子が、
「そんな言い方はないでしょ。コピーじゃなくて、せめて模写とか、習作とか。
いい方があるんじゃないの?」
春海が、
「贋作は贋作だからな。
そういう奴は一生、モノマネで終わるんだよ。
そのほうが楽だし、簡単だから。
オリジナルってのは生半可な気持ちじゃ描けない。
すべてを一から作っていくのは、
コロンブスが新大陸アメリカを発見するぐらい大変な事なんだよ。
秋菜にはその覚悟がないんだ。
一生、贋作か、うなぎ屋の看板娘で終わる運命なんだよ」
秋菜が目を潤ませ、
「うわああああ〜〜〜ん!」
泣きながら部室を出て行った。
冬子が秋菜を追って部室を出る。
「ちょっ!? 待ちなさいよ、秋菜! 部活はどうするのよ!?」
春海が、
「フンっ! やる気のない奴がいなくなってスッキリしたな!」
と苦虫を噛み潰すように、苦々しげな顔つきでキャンバスに向かう。
決してスッキリしたような顔には見えなかった。
残った七美と田中もノロノロとキャンバスに向かう。
炎華が、
「どうやら私は来るタイミングを間違ったみたいね。竜破も巡もいないし、今日は帰ろうかしら」
春海が、
「待て待て、炎華は美少女名探偵なんだから。学園で解決した事件を教えてくれよ。実はずっと聞きたかったんだ」
炎華はフォーチュンクッキー事件や盗撮事件、それに絵画切り裂き事件は恐らく外部犯だろう、という話をした。
いたたまれないのか、七美が席を外す。
そのまま帰ったようである。
春海が、
「聞けば聞くほど面白いな。また事件が起きたら頼むよ」
炎華が、
「そうね。事件なんて、無いにこした事はないけど。もしまた起きたら、また解決してあげるわ」
午後六時、炎華はホテルへと帰った。
残ったのは、春海と田中だけであった。




