表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/58

   ☆38☆


   ☆38☆


 昼休み、

 炎華は屋上で、

 竜破が連れて来る、

 とある人物を待っていた。

 竜破が、

「連れてきたぜ、炎華」

 七美がオドオドしながら、

「あの〜、あたしに、お話って何でしょうか?」

 炎華が、

「春海の、というより、秋菜の絵を切り裂いた犯人について話そうと思うのよ」

 七美が、

「どういう事ですか?」

 炎華が、

「昨日はアイスを食べたわよね。

 アイスを入れた箱の中には、

 保冷用のドライアイスが入っていた。

 あなたはそれを使って、

 あるトリックを仕掛けたのよ」

 炎華がビニールを取り出し、

「昨日、たまたま春海は早く帰った。

 そこで七美は、

 ドライアイスを使ったトリックを実行したのよ」

 炎華が毛糸の糸クズに視線をうつし、

「これは鍵の返却ボックスの中に落ちていたわ。七美の手袋の毛糸と一致するはずよ」

 七美が、

「たまたま入ったのよ。昨日、鍵を返却した時に」

 炎華が、

「実験してみましょうか? 

 本当に、それで手袋の糸クズが入るかどうか?」

 七美が黙り込む。

 普通に考えて、それだけで、かなりの糸クズが入る、というのは無理がある。

 炎華が、

「あなたが昨日、手袋をつけて鍵を返却したのは、鍵と一緒にドライアイスを持っていたからよ。

 ドライアイスは素手では持てないからよね」

 竜破が、

「なるほど、それでフォーチュンクッキー事件と同じってわけか」

 炎華が、

「そうよ。

 七美は鍵を鍵返却ボックスに入れると見せかけて、

 ドライアイスをボックスに入れたのよ。

 ボックスの中では、

 あたかも鍵が入ったような、

 ガチャッという音が鳴ったわ。

 誰も、それをドライアイスとは思わない。そして、犯行後に鍵をポストに戻したのよ」

 炎華が一息つき、

「だけど、

 ドライアイスを握っている時に、

 手袋の毛糸がドライアイスに付いてしまったのよ。

 ドライアイスは溶けて気化したけど、

 毛糸の糸クズだけが残った。

 というわけよ」

 七美の表情が憎しみで豹変し、

「春海が悪いのよ! 

 春海が、あたしの最高傑作を黒く塗りつぶしたから!

 そのせいで、あたしは描けなくなった! 

 あれがなければ、今、美術界を騒がしていたのは、

 春海じゃなくて、あたしだったのよ!」

 


 

 









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ